『サポリージャ行進曲』というウクライナの曲を知った。
指揮をしているのは4年前まで九州交響楽団の首席クラリネット奏者だった横浜在住のタラス・デムチシンさん(38才)。ウクライナからのリモートだ。
演奏しているのは福岡在住の九州交響楽団の元の同僚で、ちらもリモート合奏。
西日本新聞がこの演奏のことを伝えている。
タラスさんは、今年の1月に一人暮らしの病弱な父親を心配して祖国ウクライナに帰郷したところ、戦争の総動員令によって日本に戻れなくなり、ポーランドとの国境近くのリビウに避難している。
親戚、友人は従軍しており、大砲の音が大地を揺るがす中で平和の大切さを九響の仲間にSMSで送ってきたのが昔の仲間とのリモート演奏に繋がった。
マーチはSMSで共有され、ストレスを抱えるウクライナ人を元気づけたという。じっと聴いていると民族音楽のような感じがし、明るく、祖国への愛がしみじみ伝わってくる曲だ。
タラスさんは息子の年上だが、誕生日が同じで九響在籍中は何度かお会いする機会があった。ブルーの瞳の明るく紳士的な青年だ。
父親と一緒に日本に戻る手続を進めていて、5月には作曲家である父親の曲を演奏するのを心待ちにしている。
早く停戦が訪れて演奏会が実現して欲しいと心から願っている。