父が亡くなって51年、母が亡くなって29年が経つ。
母が元気な頃は5人の姉弟のうち、札幌市内の3兄弟が家族揃って墓参りをしていたが、いつの頃からかそれぞれがお参りするようになった。
7月に入院中の兄の家を訪ねたことがあった。義姉が「今年は息子夫婦に車に乗せてもらって久しぶりに墓参りが出来る。」と嬉しそうに話していた。
昨日(13日)は台風5号が近づいてきて朝から雨模様だった。迷った末に墓参りに出掛けた。
水を汲みに行って墓前に戻ると、妻が驚きの声を上げている。義姉と甥っ子夫婦にばったりと会ったのだ。
雨模様でどうしようかと迷う日。それは義姉も同じだったに違いない。偶然とはいえ寸分も違わない時刻での遭遇に皆が不思議な思いをした。
「きっと父と母が会わせてくれたのだね。」とそぼ降る雨の傘の下で時間を惜しみながら別れた。
きっと兄のことも見守ってくれているに違いない。
そう思った。