2018年4月9日
晴れ。5:40に墾丁の宿を出発、台湾島の最南端を目指す。前夜、煌々とした灯りで満ちていた周りは眠っている。
Googlマップを見ると「鵝鑾鼻灯塔」があるようだ。何と読むのだろうか。前日、道路脇にあった石標に赤く刻まれていた文字だ。
日が昇って明るくなった頃、自転車、徒歩で「環島」をしている地元のサイクリストに出会った。
直ぐに「環島(ファンダオ)?」と聞かれる。
頷くと、「加油(ジャヨウ!」と励まされ、「加油(ジャヨウ!」と応えて別れる。
お遍路さんのような人にも。後ろ姿を見送った。
台湾はサイクリングに力を入れていて、環島のための国道の専用レーン、鉄道車輌への積み込みスペース、駅ホームの昇降施設などの整備が進んでいる。
世界的な自転車フレームメーカーのGIANTがあり、欧米の有名ブランドの受注生産も盛んだ。
南端に近くなり、道路の無くなる地点に自転車を置いて歩いて行くと、気象レーダーがあったが、軍事施設らしきものは無かった。
さらに歩くと、いよいよこの先は崖となっている辺りに「鵝鑾鼻灯塔」が立っていた。領海を示す海図が掲示されていた。
《2018.4.9 6:10》
そして、その近くに「台湾最南端の碑」。
4月1日に台湾に来て、9日目に到着した。
静かな波の朝の海だった。
この先およそ900Kmはフイリッピンのマニラ市になる。太古の時代に小さな船で渡ってきた民族がいたと思うと、人間の行動力は実はとても大きいことを知る。
台湾から与那国島へも渡っている。
最南端を後にして、この日の宿の太平洋側の台東へ向けて走り出す。距離100km。
これが無謀だった。
台湾島は脊梁山脈が走っていて、北と南はどうしても越えなくてはならない。予想外の長く細い 山道が続き進まない。4月、冬の北海道から来たので足が出来ていない。
途中、昼食を摂る所もなく、へとへとで 午後3時頃にやっと山の中で原住民(アミ族か)が 経営する食事処に辿り着いた。
炒めご飯と野菜炒めを 注文し、「近くに宿はありませんか。」と 若い娘さんに聞くと、英語で「この先3Kmくらいにゲストハウスがある。高いよ。1,600TWD(8,000円)」とのこと。
値段は高いけどやれやれ、落ち着いて食べ始めると二人の台湾人の環島チャリダーが やって来た。「一緒に台東まで行こう。2時間だ。」と言う。
有り難いけれど、あちらはスピードの出るロードレーサー、こちら10Kgの荷物を付けたマウンテンバイク。2倍の4時間は掛かる。
到着が遅くなって迷惑がかるからと遠慮すると、そのゲストハウスまでこちらのペースに合わせて案内してくれると言う。
自分たちの予定もあるのに。。。また、台湾の人の優しさに触れた。
16:00頃に店を出発。ところが、3Kmくらい先と娘さんが言っていたゲストハウスは山道を行けども行けども見当たらない。
(つづく)