ウクライナ戦争21日目
ロシアの国営テレビで編集局員を勤めるマリーナ・オフシャンニコワさんが14日、番組中にアナウンサーの後ろにプラカードを持って現れ、反戦を訴えた。
SNS時代、瞬く間にその勇気ある行動が世界に発信、拡散された。
日本とは比べものにならない厳しい言論監視が行われ、命の危険があるにも関わらず、事前にビデオメッセージにも収録していた。
最初に映像を見た時、アナウンサーは後ろを振り向くなどの取り乱した様子も無く淡々とニュースを読み、カメラも微動だにしなかったことに奇異な印象を受けた。
放送チームが同じ考えだったのではないか、このデモンストレーションを共有していたのではないかと解説している専門家もいる。
フランスのマクロン大統領は直ちにこの女性の亡命を受け入れると表明した。片や日本の報道関係者はただただ勇気ある行動を称賛するだけで報道姿勢として肝に銘ずるような発言は無い。
求めるのは無い物ねだりと諦めることが権力に忖度し、ズルズルと追随する報道姿勢を生む。
オフシャンニコワさんの〝残念ながら、私は過去何年もの間「第1チャンネル」で働き、クレムリンのプロパガンダを広めてきた。今は、それを本当に恥ずかしいと思っている。テレビ画面を通じ、ウソを伝えることを許してきたことを恥じている。国民を、何も考えないようにすることを許してきたことを恥じている。私たちロシア人は思考力があり、賢い。私たちの力だけが、この暴挙を止めることができる〟という言葉が胸を打つ。
政府広報放送に成り下がったNHKは、東京五輪反対デモに参加したかどうかを確認しないまま、〝カネにつられて反対していた路上生活者〟という恣意的な報道を行ったことを先ずは猛省し、今後の報道姿勢で表現して欲しいと強く感じた出来事だ。