東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

国立病院機構東埼玉病院リハビリテーション科の公式ブログです

*表示される広告は当院とは一切関係ありません

生活習慣病予防教室

2018年09月11日 | 講演・著書

こんにちは!東埼玉病院リハビリテーション科です!
今回は平成30年8月22日に市民向けに行われた「生活習慣病教室」の講演を行ったので、その報告をさせていただきます。当日は講演だけでなく、実際に市民の皆様と体操教室も行いました。今回のブログでは講演部分を一部抜粋し、お伝えします。



生活習慣病とはある日を堺に突然なる病気ではなく、日々の積み重ねが原因で起こることはご存知でしょうか。まずは生活習慣病に関していくつか質問したいことがあります。回答は「はい」か「いいえ」でお願いします。
1)「喫煙をしない」
2)「定期的に運動をしている」
3)「過度の飲酒をしない」
4)「1日7~8時間の睡眠をとっている」
5)「適正体重を維持している」
6)「毎日朝食を食べている」
7)「間食をしない」
今の中で「はい」が6個以上の方は非常に好ましい生活習慣ですね。このままの生活を継続してください。
「はい」の数が4~5個の方はもう一息です!可能なところから取り組みを増やしていきましょう。
それ以外の方はあまり好ましい生活習慣とは言えません。1つずつで構いませんので、出来るところから取り組んでみましょう。
今回はこの7つの質問の中でも比較的に取り組みやすい「運動」について話したいと思います。
まずは生活習慣病の悪循環について話します。



図を見ていただき、いくつか当てはまる、、、なんて方は居ませんか?このように運動不足になると筋力が落ちます。そして、筋力が落ちると身体が硬くなりやすくなります。そして身体の硬さは節々に影響を与え、関節痛が起こりやすくなり、痛みが出ると動く習慣が減ってしまう悪循環が生まれます。
ちなみに最近、自分が思っている通りに身体が動かないと感じることはありますか。
実は身体の不調は歳のせいだけではありません。「歳のせいかも、、、」と考えている人も居るかもしれませんが、実はそうとばかりも言えません。というのは、こうした身体全体の機能の変化は、筋力等の加齢による衰えだけが原因となって起こるわけではないからです。
日ごろの運動不足の積み重ねによって、運動機能や柔軟性、バランスをとる力が弱くなったり、身体にとって必要な栄養素を十分にとっていない、膝や腰が痛くてかばって歩いているなど、様々な理由が重なった時に、結果として転びやすくなる、つまづきやすくなるというように、身体の不調が起こるのです。
ではどうやってその運動不足を改善していくか、なにも特別な運動はする必要はありません。ポイントは普段の生活の中で出来る事を意識して行うことです。



図は好循環を表しています。つまり、運動不足の生活から毎日少しずつでも運動をすることにより、筋力が増え、活動が楽になり、活動的になることで筋力が向上する好循環が生まれます。
運動をすることのメリットですがまず①感染に負けない体力が付きます②つづいて効果的に身体を動かしやすく出来ます③活動的になることで、より多くの楽しみを見つけることが出来ます。④最後に健康寿命を伸ばすことが出来ます。
運動のポイントですが、注意点は4つあります。それは①運動の頻度②運動強度③運動時間④運動の種類になります。
この4つを踏まえ、運動の構成としては、ウォームアップとしてストレッチを行い、主運動としてウォーキングを行い、最後にクールダウンとしてストレッチを行うことをオススメします。また、運動の種類は多々ありますが、運動の内容は予め主治医と相談しておくと良いでしょう。
その中でも推奨はウォーキングです。関節痛などがある場合は水中ウォーキングなどもオススメです。
運動前のポイントしては「①自身の脈拍を把握すること」と「②20分以上の運動を行うこと」を推奨します。なぜ20分以上の運動を行うべきかと言う点ですが、ちょうど20分前後の運動から胃の中の糖による分解してのエネルギー消費から脂肪を分解してのエネルギー消費へ切り替わるためです。脂肪を貯めたい方以外は20分以上の運動をお勧めします。
 そして運動時には適切な脈拍があります。この脈拍を把握することで過度に運動を行いすぎることや運動不足にならないようにする目安にもなります。



脈拍は手首の橈骨動脈や頚動脈、足背動脈から触知出来ますが、手首でできる橈骨動脈での触診をお勧めします。まずは現在の脈拍を測っていてください。
次に運動時の適切な脈拍ですが、220-年齢×0.6と言われており、この脈拍を保ちながら20分以上運動することが理想的な運動と言われています。



以上のポイントを意識して、自分自身の身体の変化を知った上で、運動不足を解消できるように心がけ、ほんの少し、普段の生活の中で出来ることをしていけば、身体を動かしやすくなると考えられます。
逆に寝たきりの理由TOP3以内の転倒による骨折に至ってしまうと、入院治療が必要になったり、歩きにくくなり行きたい所へ行けなくなるなど、生活が不自由になることがあります。日々の暮らしを楽しむために、転倒事故を出来るだけ防ぎたいものですね。
ちょっとしたコツを覚えて、転ばないようにしましょう。頑張らなくても、大丈夫ですよ。
今日はお付き合い頂きありがとうございました。お疲れ様です。

G6(PT)


東埼玉病院リハビリテーション科ホームページはこちらをクリック