東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

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「脳卒中後の麻痺側管理」について

2021年12月27日 | 臨床雑記

みなさんこんにちは。

寒さが一段と厳しくなり、毎朝布団から出るのが大変になってきました。

空気も乾燥し、体調を崩しやすい時期になりましたが、私自身も手洗いや換気、

日々の健康チェックを行い感染対策に気をつけています。

 

さて、今日は当院回復期リハビリテーションで行われている、

脳卒中後の麻痺側管理」についてご紹介したいと思います。

 

脳卒中発症後より長期間において弛緩性麻痺を呈した場合、

肩関節亜脱臼を伴う事例が多く、肩関節に痛みを生じることや、浮腫を併発する

可能性があります。また、半側空間無視を合併することで、麻痺手を忘れがちになり、

日常生活で麻痺手参加の減少や麻痺手をぶつけて痛めるリスクがあります。 

作業療法では肩関節亜脱臼や疼痛・浮腫の予防、麻痺手の受傷予防、日常生活における

麻痺手参加機会の拡大を目的に支援しており、みなさんにご紹介したいと思います。

 

カットアウトテーブル

 

車椅子にカットアウトテーブルを取り付けて、その上に麻痺手をのせる方法です。

亜脱臼・浮腫予防、麻痺手の受傷予防の目的で使用します。

机の高さが合わない患者さんは、カットアウトテーブルを使用することで食事や

机上作業を行うことができます。

 
   

〇 手台

 

 

車椅子のアームレストに当院で作成した手台を取り付け、その上に麻痺手をのせる方法です。

良肢位に保つことで大胸筋など余計な緊張が入りづらくなり、上肢訓練につなげやすくなります。

また、肩関節亜脱臼や疼痛・浮腫の予防、麻痺手の受傷予防にも有効です。

こちらは手台簡易版で、アームレストにタオルを巻き付けています。麻痺手が車いすから落ちても、

自分で気づくことができ、麻痺手の管理をする人が対象です。

 
   

ショルダーブレース

歩行時やトイレ動作など車いすから離れた際の麻痺側管理方法です。

肩関節や肘関節の位置を合わせて肩関節が亜脱臼しないよう調整します。

常に首から吊り下げているため、麻痺手を巻き込むリスクを軽減することができ、

麻痺手管理のタスクも減らすことができます。

 

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