東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

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筋ジストロフィーの概要とスイッチの適合 〜作業療法部門勉強会から~

2017年09月06日 | 筋ジストロフィー
 作業療法部門では、今年入職した新人スタッフや転勤によってはじめて神経内科の患者さんと関わるスタッフ向けに勉強会を開催しております。
 今回は、筋ジストロフィーの概要とスイッチ適合について2回にわけて行ったので簡単に紹介させて頂きたいと思います。

 まず、筋ジストロフィーの概要勉強会です。当院はいわゆる筋ジストロフィー病棟(療養介護病棟)を2個病棟で計120床有しております。当院以外にこの筋ジス病棟を有している国立病院は全国に26施設あります。国立病院自体が全国に143病院ありますのでいかに少ないかお分かりいただけると思います。概要ではこのような背景や歴史、当院での特徴、また、疾患の特性、作業療法の役割と必要な視点を中心に話を進めてきました。



 特に作業療法の視点では、進行の過程のなかでどこを契機に活動に変化が起きるのか、その時期にどのような視点を持って関わることで患者さんを支援していけるのかを具体例も提示しながら説明していきました。初めて関わるスタッフはもちろん、その他のスタッフ、自分自身も振り返る良いきかっけの勉強会でした。
続いて、スイッチの適合に関してですが、以前ブログに掲載したポイントを中心にしながらも今回はより作業療法の分析的視点も入れながら勉強会を展開していきました。

 身体機能や道具の特性をつかむことはもちろん、今回は作業の特性をつかむ点をより詳しく説明しました。私たち作業療法士は作業分析という視点が重要となります。作業を工程別にどんな動作が必要か?その作業にどんな特徴があるかなどを考慮しリハビリを展開していきます。スイッチ適合では押す回数や使用する目的によって選択肢が変化します。このような作業分析的視点を再度確認することで、患者さんに意味のある活動の提供に繋がると感じています。



 今回は、作業療法部門で実施した勉強会の紹介をさせて頂きました。
 今後も私たち自身の研鑽を重ね、よりよい作業療法を提供できるよう励んでいきたいと思います。

参考文献:
・宮永敬市,田中勇次郎(編) 作業療法士が行うIT活用支援 .医歯薬出版.
・日向野和夫(著) 重度障碍者用 意思伝達装置操作スイッチ適合マニュアル.三輪書店.

C3(OT)

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