先週の金曜日
遅い帰宅だった。
よって夕飯も遅い。
散歩も遊びもなしで空はいじけている。
はっと気づいた時は、左の義歯を噛んでいたらしい。
欠けてしまったため 歯科医院に無理にたのんで診療
いつもの先生はいらっしゃらなくて
なんだか気のぬけた先生でした。
(オーラーがないのだ)
嫌な予感とはあたるものです。
それから一時間半 目の位置にこうこうと照明がついて
何度も「瞬間接着剤!」を連呼し
歯茎も唇もぼろぼろになった頃(刺激臭があって沁みるものを何度も押し当てられたからです)
「いかがですか?」と終わった。
奮闘もむなしく それは形を変えていた。
「申し訳ないのですが、似て非なるものです」
「・・・・・・」
「担当の先生がいらっしゃる時にまたいらっしゃってください」
先生も私も疲れ果てて 押し黙ったまま
とりあえずお礼は申しあげて 明日の予約。
(お茶の稽古は休みになりそうだ・・)
翌日 担当の先生は、似て非なるモノをみて
「これは使えません」
型をとることになったのだが
またもや嫌な予感
「右の歯 ブリッジが心配なのですが」
「大丈夫ですよ。なんでも噛めます」
不安があるものの 物事はどんどん進んでいく
看護助手というのだろうか その女性が
「あっ!」と小さい悲鳴
言わんこっちゃない 右のブリッジが全てきれいにとれてしまっていた。
「大問題だな」先生の声がする。
全身から力が抜けていって 大声で泣きたくなった。(でもこらえた。泣き笑い)
わたしは、これでもう何も噛めなくなったのだ。
「インプラントにしましょう」
「どのぐらいかかりますか?」
「一本30万です。7本ぐらいやればいいと思うのですが・・」
なんだか 思考能力が停止した。
金額の問題ではなく 何も食べられないだけが頭いっぱいに広がって
ああ 流動食だ!
悪夢だ!
ブリッジのためにいい歯を削ってそれがどんどんダメになってしまう。
そういえばこの頃
「おばあさん」と息子によばれる。
そのたびに心に釘がズンズンと打ち込まれていくような気分だったが
やはり おばあさん おばあさん
70代より80代より
そうかもしれない。
歯医者さんは、とりあえずみかけだけは、なんとかしてくれたが噛めないのには変わりない。
夢遊病者のようになって帰宅
まいったな!
気をとりなおすまでちょっと時間がかかりました。
なにをしたかって・・
散歩と掃除
外を歩くと歯ぐらいたいしたことがないように思えてきます。
掃除をするときれいになります。
なるようになるだろって忘れました。
木製パレット屋のつぶやき