3月21日から運行を開始する近畿日本鉄道(大阪市天王寺区、以下近鉄)の新型観光特急「しまかぜ」が3月8日、鵜方幼稚園(志摩市阿児町)の園児79人にジャックされた。
【画像】近鉄が鵜方幼稚園の子どもたちを「しまかぜ」試乗会に招待
黄色い園服にオレンジ、ブルー、イエローの帽子をかぶったかわいい園児たちが、デビュー前の真新しい「しまかぜ」に乗り込んだ。園児たちは大騒ぎ。1シート100万円するという座席に座ると説明も聞かずに電動シートの背もたれやフットレスト、読書灯などのボタンを押し自由闊達(かったつ)な行動を取り始めた。「歯医者さんのいすみたい」と形容する園児に、「わーすごい。豪華~」と感動する引率の先生たち。近鉄が、真っ先に地元の子どもたちに「しまかぜ」に乗ってもらおうと計らい、試乗会をプレゼントした。
「しまかぜ」は、賢島駅~五十鈴川駅(伊勢市)の区間を往復する1時間43分間、園児たちにジャックされた。先頭車両を陣取った園児たちはその眺めに大喜びし、その場を離れようとしなかった。
「しまかぜ」の中では近鉄職員が奮闘し、紙で作った「チビしまかぜ」を探そうと「探検隊」を結成、各班に分かれて車内を歩き回った。同園の谷川原勝代園長は「今日参加した子どもたちの中から、(『しまかぜ』の)運転手になる子が出てくれるといいな。一人の女の子が『私、この電車運転してみたい』と真剣に言ってくれたことがとってもうれしかった」と夢を膨らませた。
ブルーを基調とした6面体のシャープなフロントデザインが子どもたちからも「かっこいい」と人気を集める「しまかぜ」は、6両編成。座席は、1・2・5・6号車の「一般車両」はゆったりの3列配置の本革プレミアムシート(車いす対応シートを含む112席)を採用、和風・洋風の個室やサロン席などグループ席(計最大24席)だけの「グループ車両」を合わせた全138席。1車両全てがカフェ(1階6席、2階13席、無料)と販売カウンターだけの「カフェ車両」は、解放感のある大きな窓から流れる景色を見ながら自由に食事を取ることができる。大阪難波駅~賢島駅間を約2時間20分、近鉄名古屋駅~賢島駅間を約2時間で結び、それぞれ1日1往復する(水曜日を除く)。
運賃・特急料金は、大阪難波駅~賢島駅間片道4,810円、近鉄名古屋駅~賢島駅間片道4,480円。和風・洋風個室利用の場合は、別途1室1,000円がかかる。
3月21日にデビューする近畿日本鉄道(大阪市天王寺区、以下近鉄)の新型観光特急「しまかぜ」の車内に、志摩で人気の洋菓子店「お菓子職人 おとべ」(志摩市阿児町鵜方、TEL 0599-43-5148)のオリジナルスイーツ2種類が載る。
【画像】志摩の洋菓子店「お菓子職人 おとべ」オーナーパティシエの乙部安成さん
2種類のオリジナルスイーツは、伊勢市内で生産されたコシヒカリ90%とニコマル10%をブレンドした米粉のバームクーヘン「米粉リアスクーヘン」(500円)と、志摩産の「アオサ」を入れた青のりの風味豊かなパイ「リーフタージュ」(350円)。同店オーナーパティシエ乙部安成さんは「『リアスクーヘン』はバームクーヘンの外側で英虞湾の入り組んだ入江・リアス海岸を表現し、農家の宇野充浩さんが丹精込めて作った米の米粉でもっちりしっとりした味に仕上げた。『リーフタージュ』はアオサの香りを出すのに苦労した。封を切った時の青のりの香りを楽しんでもらえれば」と話す。共に2個入り。
乙部さんは「『しまかぜ』の試乗会で試食しておいしかったとわざわざ当店まで買いに来ていただく客も既に見える。21日からの反応がとても楽しみ。当分の間は『しまかぜ』の車内でしか購入できないので、ぜひ車内でお買い求めいただければ」とも。
そのほか車内では、ジャパンビアカップ・アメリカンエール部門で3年連続金賞を受賞した伊勢角屋麦酒(伊勢市神久)の地ビール「神都麦酒(しんとびーる)」(500円)や100年以上前に伊勢の地で製造されその後消滅し地域再生の一環で復刻された地サイダー「エスサイダー」(350円)、赤福(伊勢市宇治中之切町)の赤福餅2個入りの銘々箱(220円)、志摩観光ホテル(志摩市阿児町)のシェフパティシエ佐藤利昭さんが作るオリジナルアイスクリーム伊勢茶とバニラ(各400円)など「メードイン伊勢志摩」の逸品を取りそろえた。
「しまかぜ」は、今年10月に執り行われる20年に一度の伊勢神宮式年遷宮に合わせ、近鉄が伊勢志摩地域活性化の起爆剤として導入する新型観光特急。1シート当たりの開発費が100万円という高級シートや和・洋2タイプの個室(追加料金1室1,000円)とボックスシートがあるグループ席車両、カフェ車両などを取り入れ、大阪難波駅~賢島駅間を約2時間20分(片道4,810円)、近鉄名古屋駅~賢島駅間を約2時間(片道4,480円)で結ぶ。4月8日までの予約席はほぼ完売しているという。
近鉄宇治山田駅(伊勢市岩渕)構内に11月22日、駅ナカショッピングモール 「Time’s Place(タイムズ プレイス)うじやまだ」がオープンした。
【画像】来春デビューする「しまかぜ」が走る鉄道ジオラマ
伊勢型紙を取り入れた文字版の大時計をシンボルとして設置し、内装に神宮をイメージさせる白木を採用し伊勢らしさを演出した同モール。来秋に迫った伊勢神宮式年遷宮に向け、多くの参拝・観光客の乗降を予想する同駅の利便性を高めるためにリニューアルを図った。延べ床面積は約1156平方メートルで 、投資額は 約1億5,000万円。
レストランゾーンには、すしなどの食事を提供する「丸忠 駅の駅」(7時~21時30分)、開きエビフライ料理で人気の鳥羽市の飲食店「漣(さざなみ)」が「SHRIMP KITCHEN SAZA NAMI(シュリンプ キッチン サザナミ)」(11時~18時)として駅ナカ初出店。ショッピングゾーンには、「ミキモト真珠島」「伊勢のくに匠の一座」「総本家貝新新七商店」「虎屋ういろ」「伊勢の國 可怜國屋」「珍海堂」「まる天」「伊勢みたらし本舗 」(以上、9時~18時)「赤福」(6時10分~18時)が入る。休憩ゾーンには、来年3月21日にデビューする新型観光特急「しまかぜ」など近鉄の人気車両が走る鉄道ジオラマを設置。コンビ二エンスストア「KPLAT」(6時30分~21時30分)が出店するほか、ATM(7時~23時)も配置した。
鉄道ジオラマは、1931(昭和6)年に建てられ登録有形文化財に指定されている同駅をはじめ、伊勢神宮内宮・外宮、神宮徴古館や河崎の町並みなど伊勢の代表的な風景の中を「しまかぜ」や「伊勢志摩ライナー」など4車種が走る。 停車位置や運転速度、警笛場所などを点数で競うジオラマゲーム(1回100円)としても楽しめる。
近畿日本鉄道(大阪市天王寺区、以下近鉄)が3月21日から運行を開始する新型観光特急「しまかぜ」の特急券が、2月21日の予約発売以来、発売開始日当日に全席が完売する記録が続いている。(伊勢志摩経済新聞)
【画像】 試運転中の近鉄新型観光特急「しまかぜ」
伊勢神宮式年遷宮に合わせ伊勢志摩地域活性化の起爆剤として導入する「しまかぜ」は6両編成。大阪難波駅、近鉄名古屋駅と賢島駅(志摩市阿児町)を結ぶ観光特急で、大阪難波駅~賢島駅間(停車駅=大阪上本町、鶴橋、大和八木、伊勢市、宇治山田、鳥羽、鵜方)を約2時間20分、近鉄名古屋駅~賢島駅間(停車駅=近鉄四日市、伊勢市、宇治山田、鳥羽、鵜方)を約2時間で結び、それぞれ1日1往復する。
1・6号車はフロントビューが楽しめる「展望車両」、4~6人のグループ旅行が楽しめるサロン席(3カ所、計最大18席)、座席部分が掘りごたつ風になった和風個室、リビングのような感覚の洋風個室(それぞれ1カ所ずつ、3~4人用)を備える「グループ席車両」、1車両全てがカフェ(1階6席、2階13席、無料)と販売カウンターだけの「カフェ車両」が特徴。1・2・5・6車両は快適さを追求した3列配置の本革シート(車いす対応シートを含む112席)を採用した。全138席。
歌手のクリスタル・ケイさんが「しまかぜ」をイメージして作ったという「風の彼方」の軽快な音楽に乗せて、昨年3月から同社のイメージキャラクターを務める女優の檀れいさんが「しまかぜ」に乗って伊勢志摩を旅するという設定のテレビCMが2月1日~24日までの期間、関西・中部圏と関東圏で放映された。「しまかぜ」のネーミングは、志摩に吹く風の爽やかさをイメージし、伊勢志摩地域へと新しい風を呼び込みたいと願いを込めた。
2月21日10時30分から発売開始された初日(3月21日分)の大阪難波駅発、賢島方面行きの特急券は最速2分、近鉄名古屋駅発、賢島方面行きは5分で完売、その上り特急券もそれぞれわずか15分、20分で完売した。その後も22~25日までの特急券全席が賢島方面行きは約1時間で、大阪、名古屋方面行きもその日のうちに完売する記録が続いている。
同社の名古屋事務所の伊藤泰幸さんは「大阪~名古屋間の『アーバンライナー』、大阪・名古屋~賢島間の『伊勢志摩ライナー』導入時も同様にチケットが完売するケースはあったが、その日のうちに全席が完売するのは初めて。通常300席あるシートを138席にしていること、運行本数が少ないことなどが完売の理由。もう少しの間こうした状態が続き迷惑をお掛けするかもしれないが、ぜひご乗車いただければ」と話す。
近畿日本鉄道(近鉄)の新型観光特急「しまかぜ」が3月21日(木)、運転を開始する。
「しまかぜ」は、大阪・名古屋と伊勢志摩とを結ぶ、ハイグレード車両を使用した観光特急列車。伊勢神宮で今年行われる「伊勢神宮式年遷宮」にあわせて近鉄が導入する。車両内にはカフェや個室が設けられ、乗ること自体の楽しみが追求されている。3月21日以降、大阪難波~賢島間と近鉄名古屋~賢島間で、水曜日を除く毎日1往復運転する。
車両は、近鉄が約37億円かけて導入した新型の50000系6両編成(2本)が使用される。「しまかぜ」のネーミングの由来となった三重県「志摩」に吹く風や、伊勢志摩の空と海のイメージから、車両の外観カラーはブルー基調になっている。定員は一般特急列車の半分以下の138人と、ゆとり仕様。通常4列の座席シートを全席3列配置とし、前後の間隔を私鉄最大の125センチまで拡張した。シートには本革を使用し、ふくらはぎを支える電動レッグレストを装備するほか、鉄道車両として初めてシートの背もたれにエアクッションを設置する。
先頭車両は客席を高くした展望車両になっており、車内からの眺望が確保されている。中間車両には、カフェ車両とグループ席車両を連結。カフェ車両は近鉄伝統の2階建てで、1階(6席)と2階(13席)は、車窓を楽しめるよう全席窓向きに配置。専属アテンダントが、「松阪牛カレー」、「海の幸ピラフ」、「神都ビール」、「伊勢茶アイスクリーム」などの沿線の名産を使った軽食や飲み物、スイーツを販売する。グループ席車両には、掘りごたつ風の座席で靴を脱いでくつろげる和風個室と、L字形のソファが配置された洋風個室が1室ずつある。個室は、どちらも4人用で、寝台車以外の日本の鉄道車両では最大の広さを誇る。また、6人用のサロン席も3つ設けられている。
列車には「しまかぜ」専属のアテンダント4人が乗車する。乗客の出迎えや見送り、軽食や飲料の販売、おしぼりや記念乗車証の配布などを行う。アテンダントが着用する制服も新たに制定され、高級感あふれるデザインになっている。アテンダントによる軽食などの車内販売は、カフェ席だけでなく販売カウンターでも行われる。
運転時刻は、伊勢志摩方面行きが、大阪難波駅10時40分発(土休日は10時20分発)、近鉄名古屋駅10時25分発。帰りは、大阪難波方面が賢島駅16時00分発、近鉄名古屋方面が賢島駅15時40分発。大阪難波~賢島間を約2時間20分、近鉄名古屋~賢島間を約2時間で結び、途中、伊勢市駅、宇治山田駅、鳥羽駅、鵜方駅などに停車する。水曜日は、春休みやゴールデンウイーク期間などをのぞき、運休となる。
運賃・料金は、大阪難波~賢島間が大人片道4810円、近鉄名古屋~賢島間が同4480円。また、個室(和風・洋風)の利用は3人以上のグループで、別途、1室1000円の個室料金がかかる。