凶行の背景には何が-。夏休み中、花火大会帰りの女子中学生の命を奪った事件は発生から半年、強盗殺人容疑で遺体発見現場近くに住む男子高校生(18)が逮捕される事態となった。女子中学生はこの春、中学校を卒業するはずで、男子生徒は1日に高校を卒業したばかり。事件が急展開した2日、地元は悲しみと怒り、やりきれなさに包まれた。
「優しい感じの子」「人気者」。三重県四日市市の中学3年、寺輪博美さん=当時(15)=への強盗殺人容疑などで逮捕された男子生徒は野球好きの家族思いで知られていた。1日の卒業式では友人らに笑顔で「また遊ぼう」と約束したばかりだった。
「四日市の女子中学生らしい…手の震え止まらん」。女子生徒の遺体が見つかった昨年8月29日、男子生徒は自らのツイッターでこうつぶやいていた。友人から犯人ではないか、と冗談で疑われると、「なんでやねん!!」と書き込んだ。
友人によると、成績も常に上位。同級生の少女(18)は「誰とでも話せる性格で文化祭や体育祭も頑張っていた」。卒業式では穏やかに話をし、卒業を寂しがっていたという。
男子生徒が逮捕されたとの知らせに周囲には動揺が広がった。ある少年(18)は「同級生同士、携帯電話のメッセージで『信じられない』と送り合っている」と話し、「(男子生徒は)就職も決まっていた。本当にいいやつで、卒業式では『また遊ぼう』と約束した」。
中学時代の同級生(18)も「中学時代はクラスの人気者のグループで、いつもニコニコしていた。背が高くて優しい子。事件への関与が本当なら、信じられない」と語った。
一方で、「からかわれることもあった」との証言も。ある同級生(18)は「友人によくこづかれていたが、笑って受け流していた」と話したが、別の同級生によると、気の強い仲間から使い走りをさせられていたという。
近隣住民によると、男子生徒は祖父母と両親、妹2人と7人暮らし。中学では野球部に所属し、以前は自宅前で父親とよくキャッチボールしていた。高校では野球部に所属しなかったが、応援で何度も試合を観戦。高校の元野球部員(18)は「以前にこの事件の話をしたこともあるし、1日夜も電話で話したが、変わった様子はなかった」と振り返った。
三重県警のみなさん、情報提供していただいたみなさんに近隣住民のみなさん、たいへんお疲れ様でした。
犯人が逮捕されて一安心です。
事件の解明を早期解決に期待したいと思います。