442枚の板そろいレリーフに
今春に閉校する志摩市磯部町山原の市立成基小学校で18日、同小の校歌を刻んだ442枚の板が出そろった。140年の学校の歴史を伝えようと27人の児童や保護者、卒業生らが1年余りをかけて彫り上げたもので、木彫りの校歌を取り囲んだ児童たちの表情は誇らしげだった。
同小は1876(明治9)年に寺子屋を改称して創立。1937年に現在地に移転し、地域の教育・文化の中心として歩んできた。ところが過疎の進行で児童数が激減し、最盛時に比べ5分の1に減ってしまった。今春に近くの磯部小と統合するため閉校となる。
木彫りの校歌の制作は、地域の再編準備会で話し合う中で決まった。10センチ四方の板442枚をつなぎ合わせ、縦1・7メートル、横2・6メートルのレリーフに仕上げる。2014年12月に昨春の卒業生8人が制作を始め、それを引き継いだ現在の在校生が図工の時間などを利用して小刀で刻み込んだ。低学年は自宅に持ち帰って保護者の手助けで作った。
題材に校歌を選んだのには理由がある。同小の岩崎三安子校長(57)によると、校歌は戦後間もなく、卒業生が作詞し、当時の音楽担当の教諭が作曲した。だが、なぜか学校行事で歌われなくなったため、「卒業式や入学式で校歌が歌われないのは寂しい」と、1976年の創立100周年の機会に地域をあげて「校歌探し」が行われ、復活したといういきさつがある。
全ての板がそろった校歌は、今後、枠に接着剤で貼り付けた後、塗装して完成。3月末には磯部小の図書室に飾り付けることにしている。
岩崎校長は「木彫りの校歌がきっと、成基小で学んだ記憶をよみがえらせてくれる。子どもたちは、板とともに心にも思い出を刻み込んでくれたと思う」と話していた。
通い慣れた校舎にお別れ 志摩・的矢小、142年の歴史に幕 児童12人は鵜方小へ
志摩市磯部町的矢の市立的矢小学校で25日、閉校式があり、児童や保護者らが142年の歴史に別れを告げた。同小の児童12人は4月から同市阿児町の鵜方小に編入される。
閉校式には大口秀和市長ら約50人が出席。山崎長敏校長は「学校は地域に支えられ、地域に夢や元気を与えてきた」と振り返った。児童代表の横田昌秀君(5年)は「寂しい気持ちでいっぱい。4月からは新しい友達をつくり頑張ります」と決意を語った。次いで、児童らが見守る中、山崎校長から大口市長に校旗が返還された。
同小卒業生で地元の的矢自治会の橋本征郎会長(72)は「地域から学校がなくなるのが一番さみしい。これからは校舎を活用し地元民の交流を図りたい」と名残惜しそうに話した。
26日には磯部町の市立成基小でも閉校式がある。
管理人談話
母校が無くなりますが校歌は覚えてます。
母校が無くなっても、卒業生の誇りを忘れず
人生を歩んでほしいとおもいます。