旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

行動を促す情報

2007年05月07日 | 旅行一般
ゴールデンウィークは久し振りにゆっくりした時間を得る事ができて、故郷に帰って子供の頃の思い出のある小さな山に登ったり、何となくテレビを見たりする事ができました。

そんな中、目に止まったのは"関口 知宏の中国鉄道大紀行"という番組。何となく眺めているうちに類似した自分の過去の体験がよみがえってきて、単純にもう一度あんな風に旅してみたいなと感じていたのです。

ここで面白いと思ったのは自分の妻や子供たち。彼らにとってはそこに現れる風景や食べもの、習慣については興味を抱いていて一つ一つに質問を発したりもするのですが、一連の番組の中から自分をその場に置いてみるという行動に対する欲求は彼らの言葉からは感じられませんでした。

私にとっては次の行動を促す元となる全く同じ情報が、彼らにとってはそうはならないのが面白いと感じた次第です。

この違いはどこから来るのでしょうか。

おそらく私には違う国での出来事であっても類似した体験があって、その事が想起されるのに対して、彼らには純粋に新しい情報に過ぎなくて、そこに自分を重ね合わせるだけの体験が欠如しているからではないかと思うのです。もしも彼らに日本国内であっても1泊2日程度であっても鉄道で旅した体験があれば少し感じ方が違うのではないでしょうか。

人は外部からの情報に接する際に自分の中にある体験と重ね合わせながら情報を処理しているものなのだと思うのです。

最初は小さな体験であっても、それが新たなイマジネーションを刺激して新たなる体験を求め続けていく楽しい探究心を持ち続けていくか、情報を単なる情報として受け取って、行動する必要を無くするための知識として認識するか、それは受け取る側次第というわけです。


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