2007年11月。私は第1回スーパーカブで旅するタイ北部に同行してチェンマイからチェンライへ向かっていました。第1回はとにかく完全に手探りで頼りになるのは20年以上前に自分がタイを旅した記憶と経験のみ。チェンマイでどうにかバイクを確保して走り始め、地図を頼りにどうやらチェンライへのハイウェイに出て、次なる難関はチェンライでの宿探しではありますがそれはまだ少し先の話です。
アップダウンの激しい峠越えの道はパワーの無いスーパーカブでは思いのほか時間を取られます。さらに、標高の高いところでは予想外に気温も低くて半袖では”寒い”と感じるほどでした。そんな峠を抜けてどうやら道は平野へ。そこまでの山岳地帯にはほとんど人の暮らしが感じられなかったのですが、道路が平坦になるとともに周囲には学校があったり、町があったり水田が広がっていたり、人の暮らしが感じられる風景となります。
平野をしばらく走りつづけ、いくつかの村を通り過ぎてふと時計を見るといつの間にかお昼時を過ぎてしまっていました。そういえば少し空腹です。次の村で食事にしましょう。
しばらく走ると今までより少し大きな村、いや町が見えてきました。食事をとるのにちょうどよさそうです。道路に沿って様々な店が並んでいるのですが道路側に大きな日よけを出しているので何の店だか瞬間的に判断することができません。バイクを道路の左側に一杯寄せてローギアに落とし止まるような速度で走りながら身を屈めて日除けの下から店内を覗き見して店を探します。
タイではガラス張りのショーケースのようなものに蒸した鶏をぶら下げたり、麺類を入れたりして店頭に出しているのが一つの食堂の目印です。ようやく鶏がぶら下がったショーケースをようやく見つけてバイクを止めようとしたときにちょうどお店の女将さんと目が合いました。その瞬間、弾けるような笑顔で”寄っていきなさい”とばかりに手招きしてくれたのです。私としてもちょうど食事をするお店を探していたところです。カオマンガイ(タイ式チキンライス)を中心に麺類も出してくれるこのお店で昼食をとることにしました。
タイ語は料理を注文したり、値段を聞いたりする程度しかわからない私に、それでも熱心に、なおかつ容赦なくタイ語だけでガンガン話しかけてくるお店の女将さんと身振り手振りと片言のタイ語と英語と日本語で何とか意思疎通を図りますが、細かいところまではなかなか。でも、この時間こそは”スーパーカブで旅するタイ北部”という企画が目指した”旅する”時間。
お店で食事をとっていると、向かいにあるバイク屋さんからメカニックの制服らしき”カストロール”のロゴが入ったシャツを着た男性が笑顔を浮かべながらブラブラ道路を渡ってきました。バイクショップのメカニックが食事をとりに来たのかと思っていたのですが、なぜか我々に水を出してくれたりするのです。そしてやはり、容赦ないタイ語の嵐。相手も時々頭をひねって英語の単語をはさみながら身振り手振り。こちらも少しだけわかるタイ語と英語と身振り手振りと日本語まで交えて少しずつ分かってきたことは、どうやらこのお店の女将さんと夫婦らしいのです。地図を広げて現在位置を聞いてみるとメ チェディ。
チェンマイからチェンライへ行く際に、ちょうど良い位置にある事もあり、それより何よりこの夫婦のパーソナリティに惹かれて、それ以来、毎回立ち寄る恒例の場所となりました。時にはお店が閉まっていることもあって、そんな時は少し寂しい思いもしましたが。
何年か経って、お店は空いていて女将さんは居るのにご主人はいない事が何度か続きました。詳しいことを聞くのは少し気が引けます。そんなある日、女将さんが懸命に説明してくれるのですが”ナム ローン”(お湯=>温泉の事と推測)しか理解できません。なかなか伝わらないのに業を煮やした女将さん、どこかに携帯電話で電話を入れています。我々は食事を。食事を済ませてそろそろ出発しようかと考えていると、バイクに乗った見慣れた人物が。ご主人との久しぶりの再会です。
ついて来いとの話なのでついて行ってみると、メ チェディからだいぶチェンマイ寄りのハイウェイ沿いに小さなバイクショップが。どうやらショップを開いたようです。すぐ近くにはメ カチャンの間欠泉があって、なるほど、これが”ナム ローン”だったわけです。ショップに隣接してレストランのスペースもあり、近いうちにメ チェディのレストランはここに移転するとの事。”次来たら、メ チェディじゃなくてこっちへ寄って”との事。近いうちに移転するから女将さんは懸命にその事を説明したかったわけですね。
もし、この年、このタイミングでスーパーカブで旅するタイ北部が無かったら、多分二度と会う事ができなかったに違いありません。人と人との縁は不思議なものですね。
この不思議な縁で結ばれたタイの人、シップティチャイさん。移転した後もやはり"スーパーカブで旅するタイ北部"ではチェンマイからスタートして初日の昼食は必ず立ち寄る恒例の場所となっています。そして相変わらず容赦ないタイ語の嵐。海外からの旅行者にとってある程度の利便性が整ったチェンマイから出て、本当のタイに触れる最初の場所として、今となってはスーパーカブで旅するタイ北部になくてはならない存在です。
アップダウンの激しい峠越えの道はパワーの無いスーパーカブでは思いのほか時間を取られます。さらに、標高の高いところでは予想外に気温も低くて半袖では”寒い”と感じるほどでした。そんな峠を抜けてどうやら道は平野へ。そこまでの山岳地帯にはほとんど人の暮らしが感じられなかったのですが、道路が平坦になるとともに周囲には学校があったり、町があったり水田が広がっていたり、人の暮らしが感じられる風景となります。
平野をしばらく走りつづけ、いくつかの村を通り過ぎてふと時計を見るといつの間にかお昼時を過ぎてしまっていました。そういえば少し空腹です。次の村で食事にしましょう。
しばらく走ると今までより少し大きな村、いや町が見えてきました。食事をとるのにちょうどよさそうです。道路に沿って様々な店が並んでいるのですが道路側に大きな日よけを出しているので何の店だか瞬間的に判断することができません。バイクを道路の左側に一杯寄せてローギアに落とし止まるような速度で走りながら身を屈めて日除けの下から店内を覗き見して店を探します。
タイではガラス張りのショーケースのようなものに蒸した鶏をぶら下げたり、麺類を入れたりして店頭に出しているのが一つの食堂の目印です。ようやく鶏がぶら下がったショーケースをようやく見つけてバイクを止めようとしたときにちょうどお店の女将さんと目が合いました。その瞬間、弾けるような笑顔で”寄っていきなさい”とばかりに手招きしてくれたのです。私としてもちょうど食事をするお店を探していたところです。カオマンガイ(タイ式チキンライス)を中心に麺類も出してくれるこのお店で昼食をとることにしました。
タイ語は料理を注文したり、値段を聞いたりする程度しかわからない私に、それでも熱心に、なおかつ容赦なくタイ語だけでガンガン話しかけてくるお店の女将さんと身振り手振りと片言のタイ語と英語と日本語で何とか意思疎通を図りますが、細かいところまではなかなか。でも、この時間こそは”スーパーカブで旅するタイ北部”という企画が目指した”旅する”時間。
お店で食事をとっていると、向かいにあるバイク屋さんからメカニックの制服らしき”カストロール”のロゴが入ったシャツを着た男性が笑顔を浮かべながらブラブラ道路を渡ってきました。バイクショップのメカニックが食事をとりに来たのかと思っていたのですが、なぜか我々に水を出してくれたりするのです。そしてやはり、容赦ないタイ語の嵐。相手も時々頭をひねって英語の単語をはさみながら身振り手振り。こちらも少しだけわかるタイ語と英語と身振り手振りと日本語まで交えて少しずつ分かってきたことは、どうやらこのお店の女将さんと夫婦らしいのです。地図を広げて現在位置を聞いてみるとメ チェディ。
チェンマイからチェンライへ行く際に、ちょうど良い位置にある事もあり、それより何よりこの夫婦のパーソナリティに惹かれて、それ以来、毎回立ち寄る恒例の場所となりました。時にはお店が閉まっていることもあって、そんな時は少し寂しい思いもしましたが。
何年か経って、お店は空いていて女将さんは居るのにご主人はいない事が何度か続きました。詳しいことを聞くのは少し気が引けます。そんなある日、女将さんが懸命に説明してくれるのですが”ナム ローン”(お湯=>温泉の事と推測)しか理解できません。なかなか伝わらないのに業を煮やした女将さん、どこかに携帯電話で電話を入れています。我々は食事を。食事を済ませてそろそろ出発しようかと考えていると、バイクに乗った見慣れた人物が。ご主人との久しぶりの再会です。
ついて来いとの話なのでついて行ってみると、メ チェディからだいぶチェンマイ寄りのハイウェイ沿いに小さなバイクショップが。どうやらショップを開いたようです。すぐ近くにはメ カチャンの間欠泉があって、なるほど、これが”ナム ローン”だったわけです。ショップに隣接してレストランのスペースもあり、近いうちにメ チェディのレストランはここに移転するとの事。”次来たら、メ チェディじゃなくてこっちへ寄って”との事。近いうちに移転するから女将さんは懸命にその事を説明したかったわけですね。
もし、この年、このタイミングでスーパーカブで旅するタイ北部が無かったら、多分二度と会う事ができなかったに違いありません。人と人との縁は不思議なものですね。
この不思議な縁で結ばれたタイの人、シップティチャイさん。移転した後もやはり"スーパーカブで旅するタイ北部"ではチェンマイからスタートして初日の昼食は必ず立ち寄る恒例の場所となっています。そして相変わらず容赦ないタイ語の嵐。海外からの旅行者にとってある程度の利便性が整ったチェンマイから出て、本当のタイに触れる最初の場所として、今となってはスーパーカブで旅するタイ北部になくてはならない存在です。
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