旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

旅の装備紹介=暑い国でのズボン

2015年12月15日 | 旅のノウハウ
 とにかく”荷物を減らしてください”とうるさい事を言う場合が多いE&Gの本当の旅企画。最近はご参加の皆さんもそれぞれに工夫を凝らして荷物を減らすことに成功しておられますが、ここで同行者である私の装備を少しご紹介してみます。皆さんのご参考になれば。今回はズボンについての談義。

 荷物を減らすという事は、まず着替えを減らす事から始まるといっても過言ではありません。私の場合、ズボンは2着。1着は長ズボン、もう1着は短パンですが、たとえば、具体的にタイへの渡航を考える場合、短パンは実はあまり使えない装備です。私にとっても、夕食~寝るまでの着衣であったり、長ズボンを洗濯している間のバックアップとしての意味しかありません。

 なぜなら、タイの寺院は基本的に短パンはNGです。タイの人はあまりうるさい事を言わないので何となく短パンでも入れてしまう事が多いですが、失礼にあたることは間違いありません。それから、実際現地の人たちはほとんど短パンで活動していないところを見ると、あまりかっこよくもありません。だから基本的に朝から長ズボンで過ごしています。夕方から夜が短パンの場合があるのは、その頃に寺院に立ち寄ることはないですし、大体夕食をとって寝るだけなので長ズボンを乾かしたい場合などは短パンを使います。

 それじゃあ、長ズボンを2着にすればよいという事に気が付いた人もおられるかと思います。その人はある意味正解なのですが、そうやって荷物は増えていくのだという事‼長ズボンと半ズボンの体積の違いを考えれば、普段バックパックに入っているのが半ズボン1着であることのメリットが見えてくると思います。

 だらだらと書くと判りにくくなりそうなので、一度整理してみます。タイへ渡航する際のズボンの条件は

1.長ズボン(寺院に立ち入るため)
2.汚れにくい、汚れが目立たない
3.乾きやすい(夕方シャワーと同時に洗濯して翌朝乾いているのが理想)
4.ポケットが多い(これは何かと便利)
5.高価でない(高価なズボンをシャワーで踏み洗いできる太い神経がないからです)

 それで、具体的に私が現在使っているのは下のトレッキングパンツです。


 サウスフィールド(スポーツ用品のアルペンのプライベートブランド)のトレッキングカーゴパンツ。
 型番:SF-9D11023P。古いものなので同じ型番は既に廃盤だと思います。モデルチェンジしているかもしれません。それから夏物なので今は売り切れかもしれません。念のため。

 同じシリーズで冬用の厚みがあって温かいパンツもあって、冬場私は日本で普段着にしています。

 何といっても、価格がお手軽。有名ブランドのトレッキングパンツだと1万円を切るもの自体が少ないですが、これはその1/3位の価格だと記憶しています。

 充分なストレッチ性、ある程度の撥水性がある製品です。ナイロン93%、ポリウレタン7%なので、現地で洗濯しても乾くのは早いです。焚火をするようなアウトドアだと火の粉で簡単に穴が開きそうで怖いですが普通のトレッキングやここで考えるような旅では乾きやすい事はとても有り難いです。

 素材は薄く軽い生地でできていて、タイでも十分涼しく過ごせます。
 
 色合い的に比較的汚れが目立ちにくいですし、撥水性もあるのでちょっとした汚れは濡らしたタオルで拭けば落とすことができます。日本に帰ったら洗濯して撥水スプレーをかけておきましょう。

 アウトドア用のパンツで裾を取り外して短パンにもなるパンツを見かけますが、このパンツにはそういう機能はありません。私は泥はねが上がるようなところでは膝から下をめくりあげて対応しています。ストレッチ素材なのでそういう事もできます。


 上はベルト部分。ベルトは縫い込まれているので別に用意する必要はないのですが、ベルトポーチなどは使いずらいです。このパンツを使う前、私はベルトにカメラポーチとレザーマンツールをつけていたのですが、それはできなくなりました。
 
 このベルト、海外旅行には大きな利点があります。
 見ての通りバックルがプラスチックなので、空港のX線検査機が反応しないのです。これは使い始めてから気が付いた大きなメリットです。

 空港のセキュリティチェックでいつも引っかかる方は、ベルトをプラスチックのバックルのものに変えてみるとよいと思います。

 
 パンツの裾はゴムで少し絞れるようになっています。バイクに乗る人ならお分かりだと思いますが、結構ポイント高いときがあります。私はスーパーカブで旅するタイ北部ではバイク移動中、少し裾を絞ってバタバタしないようにしています。その他、タイ&ラオス路線バスの旅でも、移動中は少し絞り気味にして、スローボートの乗り降りなどで足場が悪い時に裾をひっかけないようにしたりもします。蚊が多い時も裾から蚊が入り込むのを防ぐ事ができます。

 カーゴパンツなので、ポケットはカーゴポケットと合わせて6か所あります。収容能力は十分だと思います。ヒップポケットとカーゴポケットにはマジックテープで止めるフラップが付いているので物を落としにくくできています。

 1点だけ不満な点は、サイドポケットの深さがあまりない事。小銭をサイドポケットに入れる癖のある私は足を組んで座っていて足を組み替えた際などに何度か小銭を落とした事があります。カーゴポケットのフラップのマジックテープも大きくはないので、ここに小銭をいれても落としてしまいます。現在はシャツの胸ポケットに小銭を入れるようになりました。

 旅の方法論は人それぞれなので、これが正解というのはないと思いますし、装備品にやたらとこだわるのもどうかと思いますが、持ち物を減らそうとすると、自ずと持っていく物は厳選されたものに絞る必要が出てきます。皆さんの旅の準備のご参考になれば。
 
 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿