旅のウンチク

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同時多発テロ関連/国際貢献について

2001年10月12日 | 時事
 ニューヨーク、ワシントンを襲ったテロ事件から約1ヶ月。ついにアメリカ軍の空爆が始まりました。これにより、今回の事件はニューヨークとワシントンで亡くなったり行方不明になったりされた方(5000人を超えるといわれています。)にさらに追加で多くの方が生命を奪われ、家を奪われ、家族を奪われることになりました。どうして世界はそこまで血に飢えるのでしょうか。人間はいつまでこんな歴史を繰り返せば気が済むのでしょうか。
 日本の消防隊員の有志が現在アメリカへ渡航しています。「日本警察消防スポーツ連盟」からの義援金を手渡し、救助のボランティアを行う目的での渡航。しかも彼らの渡航は自らの渡航費用負担、休暇を取っての渡航です。日本政府は9月11日に一旦召集した災害救助要員を航空便のフライト不可を理由に解散。航空便再開後も再召集はなされなかったと聞きます。アメリカ側の意向もあったかと思いますが、航空便再開直後に日本からも人を派遣していれば、あるいは少しでも多くの方が助かったかもしれませんし、二次災害に巻き込まれて亡くなったアメリカの消防隊員、警察官も少しでも減らす事ができたかもしれません。
 現在、日本政府は”国際貢献”のための法整備を急いでいます。救援活動にこれだけ身動きの鈍かった日本政府も、戦争参加にはめっぽう早い動きを見せています。”憲法9条は現在の世界情勢に対応できない”との議論も盛んで、自衛隊が日本軍になり、国際貢献の名のもとに紛争地域へ派遣される日もそう遠い話しではないような気がします。
 憲法9条が世界情勢に対応できるかどうかは誰もわかりません。なぜなら誰も9条に従って問題を”武力行使”なしに解決するための努力は日本政府の誰もやった事ないからです。憲法9条をうやむやにして”武力行使”使用という努力には必死みたいですが。
 さて、あなたがたとえば10歳の子供で、隣近所の子供と遊んで、テレビといえばドラえもん。ニュースは見てもあんまり理解できない。そんなある日、沢山の飛行機が高速で現れて、爆撃され、家を失い、いつもいっしょに遊んでいる子供の何人かが死んだと想像してみてください。あなたは意味が判らないながら、その飛行機を憎悪する気持ちを抱かないでしょうか。それが”アメリカ”という国の飛行機だと知ったとき、理由もなく”反米感情”を抱かないでしょうか。
  これが”感情”というもので、教育とか、法律とかで容易に拭い去れないものなんです。こういう感情か各地に燻る紛争の一番大きな原因になっているんですよ。
 今行われている空爆は、さらにこれからアフガニスタンを担っていく子供たちや若者たちに”反米感情”を植え付けてはいないでしょうか。それから、我々は今回のテロ事件を発端に理由のない憎しみと恐れを”アフガニスタン”という言葉に対して抱いていないでしょうか。相互の間に横たわる溝はどんどんその深さをましていきます。考え方や文化の違う国が相互に理解することをどんどん難しくしていきます。
 憲法9条を遵守して”武力行使”を否定して対話による解決をはかるのが我々が新しい世紀において人類の新しい一歩を踏み出すための、人類の心から”憎悪”をなくしていくために行うべき国際貢献であり、テロ根絶への努力であったのではないでしょうか。
 ”テロリストとの対話など必要ない”という人も沢山いるでしょう。”テロリストを増長させるだけ”との意見もあります。では、アフガニスタンの一般市民にとって、今回のアメリカ軍、イギリス軍の空爆は"テロ”ではないのでしょうか。タリバンに対しては軍事行動かもしれませんが。問題を軍事力で解決しようとする限り、”人類みなテロリスト”なんじゃないでしょうか。

 宗教や文化を越えた人類普遍の考えは...

◎生命の危険にさらされている人は救わねばならない。(ワールドトレードセンターの瓦礫に埋まっている人も、アメリカの空爆にさらされている人も。)

◎人の生命を奪おうと考える企ては阻止しなければならない。(テロ活動も、空爆も).
 なのではないでしょうか。我々は、世界の血で血を洗う輪廻から抜け出すために何ができるのか、我々一人一人が考えないといけないところに人間社会は来ているんじゃないでしょうか。そろそろ国家の指導者たちには任せておけない時がやってきたように思えます。

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