旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

【旅のトラブル事例】儲かる話編

2002年08月06日 | 旅のトラブル事例
 旅先にはなぜか謎のインチキな商品を販売する商人が存在するのが世の常で、これは地域にはあんまり関係なく存在しますね。
 私は滋賀県出身なので小学校の修学旅行は伊勢志摩&鳥羽へ行くのがたいていの小学校のコースだったんですが、伊勢にもやっぱり謎の商人が謎の商品を販売していて、学校側から子供たち及び父兄に出発前に注意がありました。
 曰く”10円玉を切ってみせるなどして、小刀を実演販売している業者がいますが、実際に販売している商品と、実演している商品がまったく違うインチキ業者なので買わないように”とのことだった。
 そして実際、宿泊場所(鳥羽だったのかな?)に到着してみると、宿屋の斜め向かいにいきなりそのお店があって、実際店頭で10円玉を切り刻んで子供たちの興味を引いていました。
 あれだけ学校側が注意を促している業者がいまだ営業していること自体子供心にも私には不思議でした。大人になって、いまだに不思議なのは、10円玉って、勝手に切ったりして良いんでしょうかねぇ?あれがホントは10円玉じゃないんだったら、それはそれで”偽造硬貨”疑惑も生まれますよねぇ。世の不思議。
 だいぶわき道にそれていってしまいましたが話題を元に戻しましょう。
 海外のこういった商人は年々巧妙になってきていて、最近では、E&Gのお客様でも何人かが被害にあっています。そして、不思議なことに、日本にいたら絶対宝石なんか買わない人が宝石(ニセモノ)を売りつけられたり、そういう事例が後を絶たないんですね。
 皆さんに聞いたパターンは決まっています。実際私もこの目で見たことありますが、たいていは”日本で売ればこの5倍で売れる”とか”10倍で売れる”とか、そういう言葉につられちゃうんですね。おまけに相手店舗内のいかにも”親切で親日家”という演出、皆さんが頼りにしてる”ガイドブック”のお勧めのお店だったり、そういう相乗効果ですね。
 私はイスタンブールにいたときに、スルタンアフメット寺院の近くの安宿で1ヶ月ほど滞在したのですが、そのすぐ近くに”エリット”というホテル兼みやげ物屋があって、当時あるガイドブックがお勧めのホテルにあげていて、日本人の女性客が特に多く利用していました。
 私は毎朝、朝食&タバコを買いにエリットの前を通過していたのですが、そのたびにエリットの客引きにからまれて、何度も暴力沙汰に・・・・警察沙汰に・・・・。あの客引きたちはちょっとした日本語を話す親切なトルコ人みたいけど、実は町のチンピラなんですよ。チンピラだらけのホテルをお勧めするガイドブックってなんだかな~。それを鵜呑みにする旅行者も・・・。
 もちろん、エリット所属の絨毯屋は日本人女性客で大盛況。大学生位の日本人が30万円とかの絨毯を買って行く。もちろん彼ら&彼女らはそんな高級なもの使うわけないと思うんですが、やっぱり”日本でなら3倍で売れる”とか言われると、”買わないと損”と思うし、誰かが”私買います”なんて言い出せば、我も我もと買い始める。
 ”私買います”って言い出すのは大体店とぐるになってる旅行者崩れの日本人なんですけどね。
 ”日本にもって帰ったら○○倍。”なんてことを言い出したら、それはインチキのサイン。”いらないよ”と一言言って、ホントにほしいもっとくだらないガラクタを買いましょう。

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