今から10年ほど前。カナダ・オフロードファンライドを初めて催行した時だったと記憶しています。その頃、それなりに高額になる現地ツアー代金をカバーして何とかツアー代を安く収めたいと工夫していた私は、航空便の手配をアメリカン航空、シアトル経由バンクーバーという今は存在しないフライトを利用して組み立てていました。
無事ツアーは終了し、バンクーバーで一旦解散。復路はバンクーバーやシアトルで基準日程から離脱してそれぞれの旅を楽しむ方が多く、このとき復路も東京まで私と一緒だったお客様は一人だけでした。
バンクーバーからシアトルへのフライトも時間通り順調で、シアトルから東京へのフライトに搭乗を完了した時にはそれまでの緊張から解き放たれてシートベルトを閉めるや否や眠り込んでいました。
しばらくして目を覚ますと、飛行機は滑走路をタキシングしています。長く眠っていたつもりでしたが意外と短い時間だったのかなと窓の外をみると、飛行機は滑走路からターミナルへ引き返しています。機材のドア故障が発生した模様です。 結局、その日機材の修理は間に合わず、アメリカン航空が用意した空港近くのホテルへ向かう事になりました。
飛行機1機分の人間が一気にホテルへ移動するわけですから、結構な時間がかかります。何台ものバスに分乗して1時間前後かかったのではないかと思います。ホテルでのチェックインも大変な作業で、フロントでは無理なので会議室を利用して鍵の配布が始まります。私たちは大混雑のバスを避けてのんびりしていたため、手続きも後の方になっています。
ようやくの思いで部屋の鍵を受け取り、部屋へ向かいます。部屋の鍵はカード式ロック。カードの方には部屋番号は記されておらず、鍵を入れた袋に部屋番号が記されています。部屋の前で荷物を置いて鍵を差込みます。ところがドアの鍵は頑固にも開こうとしません。
カード式ロックはカードを差し込んだままドアノブを回してあけるものと、カードを一度差し込んで引き抜くとロックが解除されるものなど、いろいろなタイプがあります。当然私のやり方が違うと思った我々は二人で様々なやり方を試してみますがどうしても空かないのです。
ちょうどそのとき、掃除道具を押しながらホテルのメンテナンススタッフらしき人物が廊下を通りかかりました。私はこの難解なロックを空けるにはこの人物の力を借りるしかないと思い、その人物を呼び止めました。
ところが、結局スタッフにも鍵を開ける事ができません。このときようやく鍵が間違っている可能性に気がついたのです。
ホテルのフロントは夕刻の到着時刻となっており、行列しています。列に並んで順番を待ち、フロントに”鍵が違っているみたいよ”と申し出ます。
ホテル: ”鍵に書いてある番号の部屋へ行ったんじゃないですか?部屋番号は袋に書いてある方です。今日は間違って鍵の番号の部屋に行った人が多いんですよね。”
私: ”そうじゃなくて、袋に書いてあるほうの部屋へ行ったんだけど鍵が開かない。私はホテルのスタッフにも頼んだけど、彼も開けられなかったよ。”
ホテル: ”そんな訳ありません。鍵が間違っているのではなく、あなたが開ける事ができないだけです。”
私:”そうであれば、あんたが私の目の前で、この鍵を使って開けてみせてほしい。”
ホテルのフロントデスクで押し問答を続ける私の後ろにはチェックイン手続きを待つ長い列がさらに長く延びていきました。
ホテル:”ちょっとこちらへ。列から出てください。”
と列の外を指差します。何気なく列から外に出ると・・・
ホテル:”ハイッ!次の方”・・・いきなり次の人の手続きを開始しようとしたのです。
私:”ちょっと待って。こっちの鍵の件はどうなったの・・”
ホテル:”・・・(無視)”
ここで私の忍耐は限界を超えました。思えば朝シアトルに到着してから早くも10時間以上が経過しており、いい加減疲れてもおりました。
ちなみにこれもよくあるパターンで、トラブルが押し問答気味になった場合、列の外に誘導されるとそのまま無視されるという場合が結構あります。こういう場合は”ちょっとこちらへ”と言われても”トラブルが解決してからね”と受け流すのが早期解決のためのテクニックであることをその後学びました。
私の発する殺気に気がついたチェックイン待ちの人たちはカウンターには近寄りません。私は再び列に戻ってカウンターを力いっぱい叩きつけながら”さあ、あんたが鍵を開けてくれよ!”とついに怒鳴り声で迫ります。
私の凄まじい剣幕に驚いた警備員が拳銃のグリップに手を添えて入り口のドアからすっ飛んできます。
それと同時に、シアトル線欠航の処理に来ていたアメリカン航空の通訳スタッフもすっ飛んできます。
カウンターの奥からホテルの別の男性スタッフがすっ飛んできます。
一番早かったのはアメリカン航空の通訳(日系人((?))のおばあさん)。彼女は私がカウンターで押し問答しているのに気がついて近くにいたようすです。
必死に私をなだめながら、ホテル側の男性スタッフに状況を説明しています。
ホテル:”開け方がわかんないで騒いでるだけじゃないの?迷惑なんだよね。言葉がわかんない連中は。”
通訳:”いや、この人はメンテナンスのスタッフに開けてくれるように頼んだみたいよ”などと、懸命に説明しています。
興奮状態の私:”そんな話はさっきカウンターですでに全部説明したのだ。もう一回同じ説明をするくらいならドアをぶち壊して部屋に入る。それに通訳は必要ない!あんたの言ってる事は全部わかってるのだ。”
ホテル側の男性スタッフは私が英語を解していないと思っていたのでしょう。私が突然通訳との会話に割って入った事に驚いた様子でした。
結局、別の部屋、別の鍵が用意され、無事鍵も開いて我々は部屋に入る事ができましたが、シアトルに到着してすでに10時間以上。同行のお客様にはご迷惑をおかけしました。
皆さんもトラブル発生時の”ちょっとこちらへ”には注意しましょうね。
無事ツアーは終了し、バンクーバーで一旦解散。復路はバンクーバーやシアトルで基準日程から離脱してそれぞれの旅を楽しむ方が多く、このとき復路も東京まで私と一緒だったお客様は一人だけでした。
バンクーバーからシアトルへのフライトも時間通り順調で、シアトルから東京へのフライトに搭乗を完了した時にはそれまでの緊張から解き放たれてシートベルトを閉めるや否や眠り込んでいました。
しばらくして目を覚ますと、飛行機は滑走路をタキシングしています。長く眠っていたつもりでしたが意外と短い時間だったのかなと窓の外をみると、飛行機は滑走路からターミナルへ引き返しています。機材のドア故障が発生した模様です。 結局、その日機材の修理は間に合わず、アメリカン航空が用意した空港近くのホテルへ向かう事になりました。
飛行機1機分の人間が一気にホテルへ移動するわけですから、結構な時間がかかります。何台ものバスに分乗して1時間前後かかったのではないかと思います。ホテルでのチェックインも大変な作業で、フロントでは無理なので会議室を利用して鍵の配布が始まります。私たちは大混雑のバスを避けてのんびりしていたため、手続きも後の方になっています。
ようやくの思いで部屋の鍵を受け取り、部屋へ向かいます。部屋の鍵はカード式ロック。カードの方には部屋番号は記されておらず、鍵を入れた袋に部屋番号が記されています。部屋の前で荷物を置いて鍵を差込みます。ところがドアの鍵は頑固にも開こうとしません。
カード式ロックはカードを差し込んだままドアノブを回してあけるものと、カードを一度差し込んで引き抜くとロックが解除されるものなど、いろいろなタイプがあります。当然私のやり方が違うと思った我々は二人で様々なやり方を試してみますがどうしても空かないのです。
ちょうどそのとき、掃除道具を押しながらホテルのメンテナンススタッフらしき人物が廊下を通りかかりました。私はこの難解なロックを空けるにはこの人物の力を借りるしかないと思い、その人物を呼び止めました。
ところが、結局スタッフにも鍵を開ける事ができません。このときようやく鍵が間違っている可能性に気がついたのです。
ホテルのフロントは夕刻の到着時刻となっており、行列しています。列に並んで順番を待ち、フロントに”鍵が違っているみたいよ”と申し出ます。
ホテル: ”鍵に書いてある番号の部屋へ行ったんじゃないですか?部屋番号は袋に書いてある方です。今日は間違って鍵の番号の部屋に行った人が多いんですよね。”
私: ”そうじゃなくて、袋に書いてあるほうの部屋へ行ったんだけど鍵が開かない。私はホテルのスタッフにも頼んだけど、彼も開けられなかったよ。”
ホテル: ”そんな訳ありません。鍵が間違っているのではなく、あなたが開ける事ができないだけです。”
私:”そうであれば、あんたが私の目の前で、この鍵を使って開けてみせてほしい。”
ホテルのフロントデスクで押し問答を続ける私の後ろにはチェックイン手続きを待つ長い列がさらに長く延びていきました。
ホテル:”ちょっとこちらへ。列から出てください。”
と列の外を指差します。何気なく列から外に出ると・・・
ホテル:”ハイッ!次の方”・・・いきなり次の人の手続きを開始しようとしたのです。
私:”ちょっと待って。こっちの鍵の件はどうなったの・・”
ホテル:”・・・(無視)”
ここで私の忍耐は限界を超えました。思えば朝シアトルに到着してから早くも10時間以上が経過しており、いい加減疲れてもおりました。
ちなみにこれもよくあるパターンで、トラブルが押し問答気味になった場合、列の外に誘導されるとそのまま無視されるという場合が結構あります。こういう場合は”ちょっとこちらへ”と言われても”トラブルが解決してからね”と受け流すのが早期解決のためのテクニックであることをその後学びました。
私の発する殺気に気がついたチェックイン待ちの人たちはカウンターには近寄りません。私は再び列に戻ってカウンターを力いっぱい叩きつけながら”さあ、あんたが鍵を開けてくれよ!”とついに怒鳴り声で迫ります。
私の凄まじい剣幕に驚いた警備員が拳銃のグリップに手を添えて入り口のドアからすっ飛んできます。
それと同時に、シアトル線欠航の処理に来ていたアメリカン航空の通訳スタッフもすっ飛んできます。
カウンターの奥からホテルの別の男性スタッフがすっ飛んできます。
一番早かったのはアメリカン航空の通訳(日系人((?))のおばあさん)。彼女は私がカウンターで押し問答しているのに気がついて近くにいたようすです。
必死に私をなだめながら、ホテル側の男性スタッフに状況を説明しています。
ホテル:”開け方がわかんないで騒いでるだけじゃないの?迷惑なんだよね。言葉がわかんない連中は。”
通訳:”いや、この人はメンテナンスのスタッフに開けてくれるように頼んだみたいよ”などと、懸命に説明しています。
興奮状態の私:”そんな話はさっきカウンターですでに全部説明したのだ。もう一回同じ説明をするくらいならドアをぶち壊して部屋に入る。それに通訳は必要ない!あんたの言ってる事は全部わかってるのだ。”
ホテル側の男性スタッフは私が英語を解していないと思っていたのでしょう。私が突然通訳との会話に割って入った事に驚いた様子でした。
結局、別の部屋、別の鍵が用意され、無事鍵も開いて我々は部屋に入る事ができましたが、シアトルに到着してすでに10時間以上。同行のお客様にはご迷惑をおかけしました。
皆さんもトラブル発生時の”ちょっとこちらへ”には注意しましょうね。
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