旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

トラブルを避けるための情報収集

2009年09月02日 | 旅行一般
現地でトラブルに逢ったときに対応できるように、事前にいろいろな事例をチェックしておこうと考えてインターネットで調べている人もおられると思います。そういう行為を”情報収集”と勘違いしている人も沢山おられるようですし、もしかするとそういう人の何人かはこの”旅のウンチク”に迷い込んでしまっているかもしれません。

こういう情報収集を行っている人は一体、どのくらいの事例を集めて対策をすれば安心できるのでしょうか。想定される出来事に細かく対策を考えるとしても、想定できる事なんて大した数ではありません。それと同時に数多く報告されている事例の全てが自分に降りかかってくるわけではなく、多くの事柄は自分とは無関係なわけですから、それに対して対策をしていくというのは、乾季の砂漠を旅するのに雨合羽を持っていくのと同じ事ではないでしょうか。めったに起こらない事は、”起こらないもの”と考えて忘れていても問題ないでしょうし、もし、乾季の砂漠に雨が降ったら、そのくらい異常な事態が起こったときは多分、濡れるとか濡れないとか言ってられるような悠長な状況ではないと想像されますね。

逆の視点に立ってみましょう。それでは旅行中に起こり得る事態の全てを出発前に調べて想定する事ができるでしょうか。多分不可能です。もし可能であるとしたら、その人の旅先での行動がダイナミックさに欠けるという証明かと思います。

 想定している、いないに関わらず現地で起こったら対処せざるを得ませんし、ここが重要な点なのですが、ほぼ間違いなく、あなたは対処することができるのです。

 なぜならば日本で生きていく上でも日々、想定していない事態に巻き込まれているのがたいていの人の生活ですし、それに苦しみながらも皆対処しているわけですから、海外に行ったら途端に対処できなくなるほどたいていの人間はヤワではないものです。

だいたい、海外まで高いお金を払って、時間を費やして出向いていって、現地で起こることが全て想定していた範囲内で収まってしまったなんて、もったいない。”予備知識は最低限、現地では驚きの連続”であった方が楽しいに決まっているではありませんか。

こういう”情報収集”で時間を無駄にするよりも、少しでも自分の行き先の文化や歴史を理解できるように時間を使うのが良いと思いますし、それこそが旅に向けての情報収集であると思います。


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