旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

上手くいかない事とか

2016年05月03日 | 旅行一般
 旅先では思いもよらない事態と遭遇して自分の計画がうまく運ばなくなることは日常茶飯事。

 実はある人とこの話をしていたら、”そんなことはない。入念に下調べして完璧な計画を立てないからそんなことになる”と言われたことがありますが、私から見ると、完璧な計画が完璧に運ぶ程度の小さい行動範囲で旅していれば常に上手くいくという事に過ぎないと思います。

 私の場合、旅先ではできれば思いもよらない事態に遭遇したいですし、計画がうまく運ばないで欲しい。どうしていいか判らず途方に暮れたいし、困り果てて自分のダメっぷりにガッカリしたり、足掻いた末に何とかなって”やればできるもんだ!”と今度は有頂天になったり、誰かに助けられて、人の親切というのをしみじみ感じたりもしたい。それが旅の目的の結構大きな位置を占めるものですから、計画が上手くなんていってほしくない...とか思っているから余計上手くいかなくなるのでしょう。

 ところが、旅から離れて仕事となると、テキトーな事をやって、思い通りに運ばなくなるというのは明らかに失敗ですし、お客様の側からすると”不良品”という事になります。だから自分が手配する立場にいる場合は”上手く運ばないで欲しい”というわけにはいかないわけです。だから、商品としては冒険できないですし、先ほど触れたような”完璧に運ぶ程度の小さい範囲に収まった”手配しかできません。真剣に考えて、いろいろやり取りして、時間をかけて、皆さんの旅をつまらないものに仕上げていく、それが私の仕事という矛盾した側面もあるわけです。

 皆さんに失敗を楽しむ場を提供できないかと考えて作った企画がスーパーカブで旅するタイ北部タイ&ラオス路線バスの旅山岳少数民族の村々を巡る旅。皆さんの前で私がとことん失敗してみせます。

 インターネットの世界を覗いてみると、とにかく上手くいくための論理や方法論で埋め尽くされていて、それは旅の世界にも及んでいます。そして、失敗したり、上手くいかなくなった人を糾弾する記事、嘲る記事があふれています。こういう記事を書いている人たちは失敗もせず、何でも上手くいっているのでしょうか。だとしたら、単に何でも上手くいく小さい世界に籠っているだけなのではないかと思う次第。
 
 私は先日で50歳になりましたが、基本的に毎日上手くいかない事や失敗ばっかりしています。それを50年間繰り返してきてみれば、上手くいかなかった事こそが自分の経験として蓄積されて今の自分を作っていると確信しています。だいたい、失敗するためには行動する必要があるわけで、他人の行動を評論しているだけでは失敗もできない。

 いや、ほんとに聞きたい。みんなそんなに毎日上手くいってるの?
もし、ほんとにそんなに上手くいってるとしたらそれで面白いの?


###業務連絡###

 そんなわけで、皆さんに”旅の成功の方法論”は語れませんが失敗ばかりの旅を語り合う機会を設けさせていただくことになりましたので"旅の失敗の方法論”に興味のある方はぜひご参加ください。

 2016年6月17日旅行好きの夕べ開催。
【内容】
時間19時~21時
参加費:\3,500円
場所:東京都内、市ヶ谷辺りを予定していますが後日確定
*タイ&ラオス路線バスの旅のスライド上映会兼ツアー報告
*ナリワイさんの"モンゴル武者修行ツアー"のスライド上映会兼報告
*E&G旅の無料相談
*スーパーカブで旅するタイ北部やタイ&ラオス路線バスの旅の半額モニター券が当たるビンゴ大会
*立食形式の懇親会(食事、飲み物代は参加費に含まれます)

お問い合わせ、ご参加はホームページの申込フォームからどうぞ


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