旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

インターネットが破壊するのか情報伝達

2008年02月14日 | 旅行一般
昨年、タイから帰国した際に”快適な安宿を探せ”の最後に少し触れた話ですが、昨年の旅では短い期間ではありましたが、旅している間に一度も同じ宿に宿泊している他の旅人と接点を持つ機会がありませんでした。

宿自体はほとんど満室。そして私の選択する宿はたいていの場合”溜まり場”的なスペースの確保されたところでしたし、私自身は部屋にいるよりもそういったスペースにいる時間が長かったですから、他の旅人と会わない方が難しいはずなのですが、それでも現実、話す機会はありませんでした。

実際には夕方、シャワーを浴びに行く他の旅人と”ハーイ”などと声を掛け合う事はありましたが、それだけ。なんとも寂しい限りでありましたし、あれで皆さんどうやって情報を得ているのか不思議な限りでした。

それと同時に目についたのがインターネットカフェ、そしてそこにいるバックパッカー風の旅人たち。

一度の短い体験だけで判断はつきにくいのですが、もしかすると、インターネットカフェで懸命に次に行く町の情報でも調べているのでしょうか。

もし、そうだとすると、目の前にある最も新鮮で無料の情報を手にしようとせずに少し古びたインターネット上の情報をインターネットネットカフェに幾らか支払って得て旅をしているわけで、どうもしっくりこない印象があります。

第一、他の旅人の話を聞くのも旅の楽しみの大きな要素のひとつですから、その楽しみを味わう事がないのはもったいないと思うのです。

インターネットという便利に感じるツールに溺れて、本当はそんなツールを使わなくても目の前にいくらでも転がっている情報を見逃してしまう事態が発生しているとしたら、インターネットという情報伝達のツールが別の情報伝達方法を破壊しているとも捕らえる事が出来るわけで、少し興味深いと思いませんか。

そして、私達の日常生活においても、これと同様な不思議な事態を自分で引き起こしてしまっている事があるのではないかという疑問が生まれてはきませんか?


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