原油価格が1バレル33ドルとな…。
旅客機の燃油サーチャージは50ドルを切ったら0になると聞いていたが、まだ3月末までは北米で片道7000円。今年8月には50ドル切ってたんじゃないかと思うが、反映が遅いのはどういうことなんだろう?まあそれはおいといても、この原油価格という代物、値段なんてあってなきがようなもので、これまでの価格の推移をあらためて見てみると面白い。
1バレル33ドルというのは、1980年代前半くらいの価格で、90年代にかけて原油価格はもっと下がり、20ドルをも切っている。湾岸戦争の時もちょっとは上がったが20ドル台だ。そんな激安の原油価格が急激に上がり始めるのが2000年代、イラク戦争が始まった後だ。2003年に年次31ドルだった原油価格(WTI)は年に10ドル以上の幅でどんどん上がり2008年には100ドルになり、リーマンショックで一度下落するが、再び2011年には100ドル超に戻る。その後、80ドルから100ドルの間をうろうろしていた価格は、去年2014年の夏頃から再び急激に下がり始め今に至る。しかし、それでも90年代にはずっと20ドル以下の時代があったことを考えると、33ドルという価格もそう激安というわけでもないのかもしれない。
これを見て漠然と思うのは、原油価格が急激に上がった2000年代以降は、中東を舞台にした「テロとの戦い」と「金融資本主義」が両輪となって暴走した時代ということだ。やっぱりこれはおかしいのだ。
ここにきて原油価格が下落していることは、現在のシリア情勢などとも関係がなくはないのかもしれない。ある情報ではロシアのISに対する攻撃がかなり功を奏しているとも聞く。ここ15年間暴走して来たアメリカ主導の金融資本主義が断末魔の声を上げ始めていることを期待したいが、そう簡単でもないのだろう。
にしても、イラク戦争以来の高い原油価格に耐えて来た国内産業は、去年の夏以降かなり楽になっているはずである。だって10年間もの原油高騰に耐えられたのだから、今の状況はうはうはのはず。なのになぜ食品価格は下がらないのか…。反映され始めるのはこれからなのか…?