今週買った服の本。コムデギャルソン特集のSWITCHと坂口恭平のPOPEYEでの連載をまとめた「ズームイン服!」。
「ズームイン服!」の帯に田原総一朗が「これは「服」の皮をかぶった「経済」の本だ!!!」と書いているけど、この「経済」の意味を、一般的に認識されているお金の流通量で測る経済だと思ってはいけない。それは経済の語源「経世済民」=「世を経(なお)し、民を済(すく)う」という意味に忠実な「本来の経済」である。その「経済」は人々の生き方を映すものであり、だから数値で簡単に測れるものじゃない。
SWITCHで引用されている川久保玲の言葉にこんなのがあった。
「ファッションは着る人の人間性を包含するものです。それは常に政治や経済と密接に関わっており、変化し続けている。美の感覚は人それぞれです。(後略)」
人は「服」で生き方を表現し、その生き方が人の数だけ集まったものが「経済」である。だから「経済」は一般に思われているよりずっと複雑なのだ。坂口恭平と川久保玲。意外に同じ方を見ているのかも。