20日にアップしたファイヤーラジオ#004はローマ教皇フランシスコがテーマなのだが、「ローマ教皇来日 日本が問われる『弱者への心』」と題されたロイターのコラムは教皇の来日にあたって読んでおくといい記事だなと思った。
記事によれば、教皇は
『「世界移民・難民の日」に寄せたメッセージでは、世界はますます「エリート主義となり、排除された人々に対して残酷になっている』と指摘。
さらに「日本人は「困っている人」には大変に親切だ。私が困った顔をしていると、すぐにたくさんの人が助けてくれる。そうした優しさがありながら、日本人の心理には障害や差異への「特別視」が残っている気がする。」と厳しい言葉も語っている。
「上級国民」という言葉が流行語となった今年の日本。
また、大村入管でのナイジェリア人男性ハンスト餓死事件など、考えさせられることは多い。
ファイヤーラジオでは、批評家・随筆家でカトリック教徒の若松英輔さんを招いて、中島岳志さんとともにフランシスコ教皇の思想について語っていただいたが、彼の思想は人も自然も同じ被造物とするアッシジのフランシスコ(カトリックのフランシスコ会の創始者)の「万物兄弟の思想」にもとづいており、多分に東洋的であるという。それがゆえに、彼の思想は西洋よりも、日本でこそ理解されうるのではないかと若松さんは指摘する。
しかし、今の日本人にそれを理解する素地があるだろうか・・。
私たちは物事をカテゴライズして、違うものの並立する世界として捉えがちだが、よくよく見れば、違うとされるものにも重なる部分が多いことに気づく。
「差異とは何か」ほんとうにその差異は存在するのか。そこをちゃんと見極めずして、わかりやすい浅薄な分析やキャッチフレーズに乗っかることの危険性。立ち止まること、口ごもることの中にこそ、一見対立するものをつなぐ真実の「言葉」があるのかもしれない。そして、フランシスコ教皇が伝えたいこととはそういうことなのかもしれない。ラジオではそんな話をした。
ぜひお聞きください!
ファイヤーラジオ#004
「ローマ教皇フランシスコの思想を語る」
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