橋本治とナンシー関のいない世界で

「上野駅から夜汽車に乗って」改題
とうとう橋本治までなくなってしまった。
平成終わりの年にさらに改題してリスタート。

本日22時から「エコの作法」【還す×炭】放送。見てね! 

2012-01-13 21:01:46 | 森から始まる未来

【火鉢クラブからのお知らせ】

今夜、このあと10時から

BS朝日「エコの作法」【還す×炭】放送です。

取材協力、飾り炭アレンジ、構成など

やらせてもらってます。

 

燃料やオブジェとしての炭だけでなく、

土壌改良の力が、農林業の分野などで

注目されている炭も取材しています。

多分、いや本当に

「炭は地球を救う」と思います。

 

お時間ある方は是非見て下さい!

再放送もありますよ~

再放送は1月27日(金)夜10時。



目印はこのマーク!明日5日(祝)谷中で愛媛県内子町小田の原木椎茸販売

2011-05-04 15:33:02 | 森から始まる未来

いよいよ明日に迫った原木椎茸販売。

目印はこのマーク!

 

 

 

販売場所:谷中夕やけだんだん上 

                        中華「深圳(しんせん)」軒先

               荒川区西日暮里3−14−13

                     最寄り駅 JR日暮里駅、メトロ千代田線千駄木駅

                                             詳しい場所は、こちらのチラシ(←クリック)の地図をご覧下さい


     販売時間:午前11時~午後5時頃

               (商品がなくなるまで)


 

 

 

 


火鉢カフェで好評!愛媛県内子町小田の原木椎茸を限定販売!

2011-05-03 01:36:19 | 森から始まる未来

 

 

販売場所:谷中夕やけだんだん上 

                       中華「深圳(しんせん)」軒先

                       荒川区西日暮里3−14−13

                 最寄り駅 JR日暮里駅、メトロ千代田線千駄木駅

                               詳しい場所は、こちらのチラシ(←クリック)の

                                                                                       地図をご覧下さい


販売時間:午前11時~午後5時頃

               (商品がなくなるまで)



 

  一日火鉢カフェでおなじみの内子町小田の原木椎茸を、ご好評により、5日のこどもの日に販売することになりました。


炭の材料となるくぬぎの木に菌を植え付け栽培する森の恵み原木椎茸。肉厚で、プリプリした食感は普通の椎茸と一味違います。是非おためし下さい。

                                                                      

小田のうどんとつゆも少し販売します

 

つゆは、椎茸と大豆と昆布でとった出汁を使っています。現地では、下の写真のようにたらいうどんが名物ですが、つゆがちょっと甘めなので、このつゆを使った原木椎茸入り鴨南蛮なんてのも最高です!

 

あと、おまけで、出島プロジェクトのもうひとつのプロジェクJCICA(ジェシカ)のイラクの小児がん支援募金のついた今治タオルのガーゼタオルストールも販売します。160×50cmの大判で、膝掛け、肩掛け、ベビー用のおくるみにも。

母の日のプレゼントにもどうぞ!

*ストールは、ウェブショップ「shop出島DEJIMA」でも

  購入出来ます。

http://dejimajapan.com


 谷根千散歩のついでに是非おいで下さい。

 

 

 


 


  

 


国際森林年国内委員会の傍聴に行きました~その1~今年が国際森林年って知ってました?

2011-04-19 22:12:21 | 森から始まる未来

今年は「国際森林年」だということ知ってます?

毎年国連で「国際○○年」つうのが決まってるんだが、それの今年版が「国際森林年」。

 

この「国際○○年」で私の記憶に残っている最も古いのは、1975年の「国際婦人年」で、田部井淳子さんたちが世界初の女性によるエベレスト登頂を成し遂げた年。たしか、りぼん掲載の土田よしこの名作漫画「わたしはしじみ」に田部井さんたちのことが採り上げられていて、小2にして、そんなことをたまたま認識していた。

1979年「国際児童年」には、当時人気のゴダイゴが「ビューティフルネーム」というテーマ曲を歌っていて、この曲のヒットで、国際児童年は結構知られていたと思う。

1983年の「国際コミュニケーション年」は、この年散開したYMOの「以心電心You've got to help yourself」がテーマ曲。YMOファンであった(今も)私は、この曲によって国際コミュニケーション年というものを知った。

テーマ曲はNHKで頻繁に流れていて、知らず知らずに耳に入っていたのだ。当時は「国際○○年」に政府も力入れてたのかなと思う。

 

最近では予算削減なのかこういう広報ほとんどない。ちなみに去年は「国際生物多様性年」。名古屋でCOP10第10回生物多様性条約締約国会議が行われたにも関わらず、マスメディアではあんまり話題にならなかった。

 

今年の「国際森林年」、地球温暖化の問題もあって、森林再生は急務なのだからもう少し政府もアピールすればいいと思うのだけれど、予算がつかないのか、一般の人はほとんど知らないのではないだろうか。

 

そんな中、4月14日、農林水産省で「第2回国際森林年国内委員会」が開催されたので、その傍聴に行ってきた。もちろん、東北関東大震災を踏まえて、今回の議事テーマは「国際森林年を震災復興に役立てるために」だ。原発事故が人々を不安に陥れている今、建築物の復興だけでなく、森林をエネルギー源として考えることは急務だ。

 

こういう委員会がどのくらい役に立ってるのかわからないが、行政の中でどういうことが語られているのか興味もあって参加してみた。もちろん、「火鉢クラブ」として、自然エネルギー促進、森林再生を考える立場の私としては、テーマに興味があるのは間違いない。

 

委員の顔ぶれは以下の通り、国際森林年が知られていない割りには豪華(にしても、こういうのってどうやって決まるんだろうね?)。

 

(五十音順、敬称略) 

赤池  (ユニバーサルデザイン総合研究所所長) 

天野 礼子(作家) 

飯塚 昌男 (日本林業協会会長) 

出井 伸之 (美しい森林づくり全国推進会議代表)

井上篤博(セイホク株式会社代表取締役社長) 

内山斉 (日本新聞協会会長) 

大久保尚武(経団連自然保護協議会会長)

草野満代  (フリーアナウンサー) 

坂本龍一  (音楽家、モアトゥリーズ代表) 

佐々木 (国土緑化推進機構理事長) 

 .   .ニコル(C.W.ニコル・アファンの森財団理事長) 

多田欣一(岩手県住田町長)

仁坂 吉伸 (和歌山県知事) 

沼田 早苗 (写真家) 

速水   (速水林業代表取締役社長) 

広瀬 道貞 (日本民間放送連盟会長)   

  岱造 (日本森林学会会長) 

三村 明夫 (日本プロジェクト産業協議会会長) 

宮林 茂幸 (東京農業大学教授) 

養老 孟司 (日本に健全な森をつくり直す委員会委員長)


たった1時間の委員会で、全ての委員が発言したわけではないが、発言した委員の意見は、”これが実現すれば”日本は良くなるのになあというものがほとんどだった。


個人的には養老さんの話を聞きたかったのだけれど、発言の機会無く、残念。ただ、他の委員の発言から、養老氏が唱えている「参勤交代論」の話が出た。この「参勤交代」は、都会と田舎を行ったり来たりすればいいんじゃないということ。

例えば、アッパークラスの収入が多い人間は、山村地域にも家を持てば、田舎にも住宅需要が生まれる、つまり、木材需要も生まれるってこと。私自身、田舎の実家と東京を行ったり来たりできたらいいなという思いもあって出島プロジェクトを始めたわけで、このアイディアは賛成!


その他、委員の発言の一部を私の感想も交えつつ紹介する。

 

続きは>>>

国際森林年国内委員会の傍聴に行った~その2~

テーマは「国際森林年を震災復興に役立てるために」



森を守る!「ペレットはがき商品券」の紹介

2011-03-02 16:43:49 | 森から始まる未来

今回は、以前、このブログでもご紹介した「皮むき間伐体験ツアー」を主催した「天然住宅バンク」の「ペレットはがき商品券」を紹介します。

 

 

 

 

まず、「天然住宅」?「天然住宅バンク」?という方のために簡単に説明します。


「天然住宅」はすべて国産材で、化学物質を使わない健康な住宅を提供する非営利の社団法人です。「天然住宅バンク」その天然住宅に住みたい!と思う方を資金面からサポートすることを目的としたNPOバンクで、有志の出資金で運営されています。住宅購入の資金、情報サポートだけでなく、「コモンズの森」をはじめとした、森を守るための様々な活動を行っています。


そんな活動の一つが、以前紹介した「皮むき間伐」(皮むき間伐関連記事)の普及だったり、今回の「ペレットはがき商品券」の開発であったりするわけです。


*天然住宅と天然住宅バンクの詳しい内容はこちらをご覧下さい http://tennen.org/


「ペレット」は以前このブログの記事(関連記事一覧)でも紹介したペレットストーブ専用の燃料です。製材所で出る端材を使って作られていて、環境にも優しい上に、木材を無駄にせず製材所の収入の助けにもなります。


  *ペレットストーブについてはこちらをどうぞ

  ペレットストーブの「さいかい産業」HP


結構かさばるペレットを一冬分買って家に置いとくと場所をとるので、

 

先にはがき商品券を買っといて、必要な時にはがきを送れば届く仕組み。

業者にとっても、プリペイドで先にお金が入る事で、事業のための借り入れが必要なくなり、金利分が浮く仕組み。ただでさえ経営の厳しい製材所などがこれで救われるかもしれません。


 

つまり、このペレットの普及で森を守ることにも繋がるのです。


でも、ペレットストーブが無いと使えない!お持ちでない方は(って、まだほとんどの方が持ってないですよね…)上記HPをご覧になって、購入を考えてみて下さい


というわけで、以下、天然住宅バンクからの「ペレットはがき商品券」おすすめメッセージと、購入に関する情報です。

 

<ペレットはがき商品券をお分けします>


 ペレットストーブは暖かいし、環境的にもお勧めです。でもこの寒い時期になると、かさばるペレットは買いに行くのも大変ですし、置き場の部屋の確保も大変です。そこで便利なのが、あらかじめ届ける時期を決めるはがきを購入し、はがきを投函するだけで20キロ袋のペレットが届く仕組みです! 送ってくれるのは当社の木材のほとんどを生産してくれている栗駒木材です。育林の時点から化学物質を排除し、オーガニックな住宅を実現しています。その木材の端材で作ったペレットですから化学物質の心配も一切ありません。

 

このはがきを作ったのには理由があります。

努力してくれている栗駒木材さんを支えるのに、あらかじめはがき購入時点で資金が栗駒木材に届けば、冬に生産するペレット量を予定できますし、製造機費用の回収も早くできます。自腹を切ってまで栗駒地域の森を保全しようとしてくれている栗駒木材さんの努力に、私たち消費者も応えていきたい。その思いからこのはがき商品券を作りました。

さいかい産業のペレットストーブは燃焼効率が高いので、灯油が70円/リットル以上なら、ペレットの方が燃費が安くなります。

今年の北海道では冬の始まり時点で75円、今や85円を超えています。

もちろんストーブそのものは石油ストーブと比較にならない価格ですが、

それでも趣味の品ではない時代に入ろうとしています。

ペレットが各地で生産できるようになると、日本は森の国ですから石油やガスの輸入が減り、寒い地域ではエネルギー自給率が今の7%から50%を超えるところまで進みます。毎年輸入する24兆円の石油ガスを、半分自給することも可能になります。その資金はもちろん国内地域の景気を活性化させることになります。

森を守る「ペレットはがき商品券」にご協力ください。

はがきは2シーズン使えますから、今年使いきれなくても大丈夫です!


注意
このはがきは配達先と時期を特定するもので、購入の証明ではありません。このはがきは他の方に譲ることも可能です。どうぞ地域通貨のようにご利用ください。


ペレットはがき商品券は1枚1300円で販売しています。
購入・お問合せは、天然住宅バンクまでご連絡ください。
メールinfo@tennenbank.org
電話番号:03-5726-4226
FAX:03-3725-5652




来年は国際森林年!坂本龍一のモア・トゥリーズが新潟で森づくり

2010-11-22 10:15:12 | 森から始まる未来

坂本龍一が代表をつとめる森林保全団体モア・トゥリーズが、新潟市や、木質ペレットのストーブを開発している「さいかい産業」などの企業とともに、新潟市秋葉区の丘陵で森づくりを行うことになったそうな。

21日、現地で調印式があったと日刊スポーツが報じていた。

日刊スポーツの記事はここをクリック

教授、ツアーで日本に来たと思ったら、精力的に動いてますなあ。

今回、教授と一緒に森作りを行うことになった「さいかい産業」には、
日夜、木質ペレットとペレットストーブの開発にいそしんでいるオヤジがいるのだが、このオヤジというのが、もんのすごくスーパーでクレイジーなイカしたオヤジなのである。

実は、私のもう一つのブログ「what is value?~ナンシー関のいない世界で」に、今年の7月14日付けで、このスーパーでクレイジーなオヤジ「さいかい産業」の古川さんを紹介した記事をアップしている。

「皮むき間伐」の記事はこちらの「出島DEJIMA2010」にも以前から掲載していたが、この古川さんに関する記事は移してなかったのだった。というわけで、今日、この調印式を記念してこちらにも7月14日付けで掲載しました。カテゴリーは当然、「森林本2011」。

リンク張っとくので是非読んでみてください。
ちょっと感動するよ。
こちらもおすすめです。
つうか、上記古川さんの記事は以下の「その2 栗駒木材編」からの続きなので、こちらから読まれたほうが分かりやすいかも。


ちなみに「その1」は
森林保全に関しては、この出島プロジェクト一つ「森林本2011」
もっと広く情報を掲載していけたらと思います。
また、
「火鉢クラブ」でも、炭の素晴らしさを訴える中で森林保全についても
考えられたらと思っています。


「森林本2011」へのリンク

来年は国際森林年なのだ!


皮むき間伐ツアーin宮城栗駒 その3 クレイジーが日本を救う さいかい産業古川さん編

2010-07-14 11:49:35 | 森から始まる未来
そういうわけで、その2からの続き。
新潟でペレットストーブを作っている会社・さいかい産業の古川正司さんが「クレイジー」だって話からです。


前回お話しした、栗駒木材さんの8000万円の借金話もクレイジーでかっこ良かったんですが、今回の古川さん(46歳)ヒストリー、さらにヤバいんですよ(笑)。

ちゃんと取材したわけじゃないんで、いろんな出来事の年代などは詳しく聞いていないのですが、そのへんはごかんべんを。
というわけで、古川さんヒストリーです。

古川さん、もともとは鳶職をやってたそうなんです。
まじめに技術向上に努力し、年を追うごとに自分の技は上って行ったそうです。なのに賃金はあがらない。下請けとして働いたその仕事のピンハネ分は東京の元請けへ行ってしまうわけだ。そんな状況が頭に来て辞めてしまったんだそうです。気持ち分かるわ~。ある意味、派遣切りの先を行ってたわけですよ古川さん。
ちなみに、古川さん、大学は農業大学に行ってたらしいんですが、これも教授と喧嘩して辞めちゃったそうです。喧嘩っ早いのか、筋を通す人なのか(その辺の事情は今回聞けなかったなあ)。

はたして、鳶職を辞めた古川さんは、森に出会うわけです。

山の管理不足で水害が起こり被害が出る。今度はそれにガマンがならず、一人里山を守るために間伐を始めました。そしてその間伐材を使ったペレットとペレットストーブの生産を思いつきます。
お金は無いからアイディアだけ持って出資のお願いに廻り、アイディアのお墨付きを求めて県知事の所にも行ったそうです。行動力あるなあ。
しかし、知事からは色よい返事がもらえず、がっかりしてたら、なんとなんと、
古川さんの話に共鳴した信用金庫の支店長が、ポンッと2億円貸してくれたのだそうです。志に2億円です!話出来過ぎ!

もうこの辺で、古川さんがただ者ではないことがお分かりでしょう。
とにかく、研究熱心で、一生懸命で、かつトイレの100wなんです(無駄に明るいってことらしいです:本人談)。こうして簡単に書くとただの思いつきだけで動いている人にも見えてしまいますが、ペレットストーブの設計や改良をする時の古川さんの根の詰めようは、これまた尋常じゃないようです(田中優さん談)。

そういう人には神様も手を差し伸べるんですよ。

で、事業が始まったわけですが、やはり当時1台40万円(今は24万です)のペレットストーブはそんなには売れない。
2億円貸してもらったといっても、返済額は月800万円です。
もうこれは、クレイジーの域でしょ。
でも、古川さん曰く、「ある時は焼きそば売って、月800万返したよ。」
って、あんた、こりゃまた失礼いたしましたって感じです。
借金で悩んでいる暇なんてないんですよ。かっちょいい!

とはいえ、やはり毎月800万の返済はなかなか続かないわけです。
そしたら、なんとなんと、今度は、地元の大きなアウトドアのメーカーの社長が、またまた古川さんの男気に共鳴し、その借金ごと会社を買ってくれたんですって。これで2億円はちゃら。そんで、田中優さんの未来バンクとも知り合い、ペレットストーブ事業は今に至っているわけです。
その後は、その環境に優しい事業が、地元メディアや報道ステーションなどにとりあげられ、じょじょにペレットストーブは知られ始め、古川さんは森林保全やバイオマス促進などのイベントにも引っ張りだこです。

今回のツアーでも、一番夜遅くまで、たき火の横で熱く語ってたのは古川さんでした(私は懇親会で話を聞いた後睡魔で撃沈。たき火を囲む会に参加しなかったのが今回最大悔やまれる事です)。
火をおこすのが好きだし、もっとみんな火を使う事をおぼえた方がいいと語ってた古川さん。
間伐材によるバイオマス燃料で森を守る仕組みづくりについては当然のごとくすばらしかったのですが、この、人間もっと火をちゃんと操ったほうがいいという話にものすごく共感しました。

キッチンではIHが普及し、暖房はエアコンで、最近の新しいマンションでは火を使う事が少なくなっています。集合住宅では火事にならないようなるべく火を使わない方が安全という消防の考えなのでしょう。

しかし、人間は火を操る事で、文明を進化させる事ができたことを考えれば、火の使い方を忘れる事は退化への一歩のようなきがしないでもありません。まあ少しぐらい退化したほうが、ほかの動植物に迷惑がかからないかもしれませんが、使い方を忘れるということは、暴走を許すことにもつながると思うのです。

それに、火をつける事って面白い。
どうやれば上手く着火するか、立ち消えしないか、置火を上手く利用できるか。ふーふー風を送ったり、枯れ葉の山に隙間を空けたりしてたき火を囲む時の人々の表情は、大人も子どもも関係なく楽しそうです。
危ないから使うのをやめましょうというのではなく、安全に使う能力を養う方がサバイバル能力が養われると思います。

だって、火を扱い倒している古川さんのサバイバル能力、2億円をもろともしないなんて、高すぎっ!

話はちょっと変わりますが、火を使うということを考えていて、枕草子のこの部分を思い出しました。

『冬はつとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず、
  霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、
火など急ぎおこして、炭もて渡るもいとつきづきし。
 昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、
   火桶の火も白き灰がちになりてわろし。』

寒~い朝に火を使うこの感じ、たまらなくいい感じです。
凛とした暖かさというのでしょうか。
なんか空気がきれいなあったかさを感じませんか。それに楽しそうだし。
炭が白い灰になって、「わろし」になってるのも、ゆるんだ空気の感じが出てますよねえ。
火を使う事は文明を操るだけでない、文化を生み出すことでもあるのだなあと感じさせてくれる名フレーズです。

そんな、森と火を操って、自分の信じる生き方をしている古川さんはもしかして文明と文化のマイスター?って褒め過ぎ??

古川さんのブログのタイトルの下には、「里山整備→木質ペレット→地産地消→地域雇用創出に取り組んでおります」と書かれています。
だめだめな政府なんかより100倍早く、マニフェストを実行しちゃってますよね。

栗駒木材さんも同様です。
両者とも、そもそもお金なんて持ってなくて、志と技術だけで、8000万や2億円という莫大な借金を抱える所から始めました。栗駒木材さんも会社とはいえ、規模は小さく、「天然住宅」と出会うまでは経営もかなり厳しかったといいます。

しかし、高い志があれば、これだけいろいろな人が手を差し伸べてくれ、人の輪ができて、仕事につながって行くのです。いや志だけじゃないですね。いい仕事を地道に続ける粘り強さと職人の技、そして誇りも、今回見せていただきました。

自分に言い訳しないで、仕事に誇りを持って取り組む事が現代の世の中ではいかに難しく、稀な事かを実感します。
私も、言い訳するのがいやで、前の仕事を辞めてしまいましたが、まだまだ新しい道で私の仕事はこれだと胸を張る事はできていません。

なんだか環境のことより、「働くとは何だ」みたいな話になっちゃいました。
もちろん森の保全の話も、両社の環境にいい商品についても、この場を使ってもっと詳しくお伝えしたいのだけれど、やはり、今回私の心に最も響いたのは、栗駒木材さんや古川さんの働く姿勢の潔さでした。

バスツアーの帰路、参加者みんなが感想を述べた時にも言ったことですが、

栗駒木材さんや古川さんの仕事こそが、クリエイティブな仕事だと思います。

これまで、就活やなんかで、「クリエイティブなことをやりたいです」なんて学生が言ったら、たいていマスコミや広告などメディア関係の仕事とかデザインの仕事とかを指していました。
でも、つい最近までマスコミの端っこの席にいた私には、その仕事の先にどんな日本の未来が広がっているのかが全く見えませんでした。
しかし、今回体験した栗駒木材さんの林業や、古川さんのペレットストーブと森林保全の仕事の向こうには、人々の生活する姿や、新しいインフラなど、確実に、あるべき21世紀の日本の姿が見える気がしました。
そして、こうした仕事をこそ、新しい時代のクリエイティブと言うんじゃないだろうかと思いました。

それに、参加者の感想には、『皮むき間伐する山男の姿に「惚れてまうやろー」』というものもありましたしね。
間伐ねるとん(古っ!)いや婚活、マジ有りかも。

ちなみに、これは皮むき間伐のとき紹介された栗駒木材の若者。
栗駒木材って、平均年齢なんと30歳なんだと!


ついでにこの写真も載っけよ。

<栗駒木材さんに積まれた木屑の山>ものすごくいい香りがしました。木材からとれたアロマは高く売れるという話も聞いた事があります。これも商売になるかな。


今回のツアーの内容については、天然住宅のブログや参加された方が書かれているようなので、ちょっと違う角度からの記事になりました。ツアーの内容について詳しく知りたい方はこちらのブログをご覧下さい。
天然住宅バンクのブログの皮むき間伐ツアー報告
参加者のブログ「木霊がいっぱいの森体験」

また、栗駒木材、さいかい産業、天然住宅の詳しい取り組みについては、
以下のそれぞれのサイトをご覧下さい。
栗駒木材のサイト
さいかい産業のサイト
天然住宅のサイト

メディアの仕事で先が見えないと書きはしましたが、とはいえ、メディアやデザインという仕事も世の中には必要。私も細々ながら、こうしてみなさんに見た事聞いた事をお伝えして糊口をしのげればと思っていますので、このブログもごひいきにお願いいたします。現在、読者倍増計画推進中です(笑)

そうだそうだ、今後は全国の手仕事も取材して紹介して行きたいと思っていますが、なんせ突発的に仕事を辞めちゃったので(参考)過去の記事「私ツイッターで仕事辞めました」資金がありません。古川さんや栗駒さんみたいに、神の救いの手が伸びてこないかなあ~と夢想する日々です。
何卒そちらのご協力もよろしくお願いいたします(笑)。

また、この皮むき間伐&ペレットストーブ&天然住宅な取り組みを、自分の地元の業者や行政にも勧めてみたい衝動にかられているところでもあります。
天然住宅から社会を変える30の方法

合同出版

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火のある暮らしのはじめ方―七輪、囲炉裏、ペレットストーブ、ピザ窯など

農山漁村文化協会

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皮むき間伐体験ツアーin宮城栗駒 その2 クレイジーが日本を救う~栗駒木材編

2010-07-14 08:26:27 | 森から始まる未来
皮むき間伐バスツアー その1で書いたように、「皮むき間伐」は低いコストで森を守れる凄い方法である上に、遊びとしてもとても面白い体験でした。「自然保護」なんて肩に力を入れなくても、低―いハードルで参加できるフレンドリーな森林保護活動だなあと、エコツアーには関心の無かった私も(森の保護には関心ありますよ)、こうして皆さんに紹介しています。

しかし、実は、これ以上に印象に残ったのが、今回皮むきを行ったエコラの森を管理している栗駒木材さんの活動と、新潟からツアーに参加してくださったペレットストーブを作っているさいかい産業の古川さんの話でした。

今回、栗駒木材さんには皮むき間伐でもお世話になりましたが、翌日には、自社の製材所の案内をしてくださいました。

<栗駒木材 大場さん>


また、さいかい産業の古川さんもペレットストーブにまつわる話を聞かせてくださったほか、夜の懇親会では、皿うどんなど自慢の手料理をふるまってくださいました。

<ペレットストーブの説明をする さいかい産業・古川正司さん>


(ツアーの内容を詳しく知りたい方は、こちらのサイトをどうぞ)

そんな2人(栗駒木材さんは会社ですが)の話がなぜ印象に残ったか・・。
それは、両者ともある意味常識はずれ。一言で言うとクレイジーだったからなんです。

しかし、私は、そんなクレイジーの中にこそ、行き詰まった今の日本を救うヒントが隠されていると確信しました。

では、一体、何がクレイジーなのか?

まずは、栗駒木材さんの話からします。
実は、今回伺ったエコラの森は、栗駒木材さんによってその命を救われました。
その経緯はこのページのstoryという項目に詳しく書かれていますが、簡単に説明します。

エコラの森では、バブルの頃リゾート開発が計画されていました。しかしバブルがはじけて計画は無くなり、債権者たちが森のお金になりそうな木を無秩序に伐採し、山は荒れ果てました。そんな山をどうにかせねばと、栗駒木材さんに買い取ってくれないかという話が来ますが、資金面での折り合いがつかず断念。
するとその後、産業廃棄物業者が、ゴミ捨て場にするためにこの森を買い取ろうとしたのだそうです。しかし、山が産廃で汚染されては、麓の自然にも影響が出ます。そこで栗駒木材さんは悩みに悩み抜いた末、8000万円銀行に借金し、この森を買い取ったんだそうです。8000万円の借金の年間の利子は栗駒木材の従業員2人分の賃金に等しかったと言います。
木が盗まれてしまった山なんてすぐにはお金になりませんから、この栗駒木材さんの行動は、ビジネスの観点から見たらクレイジー以外の何者でもありません。

しかし、捨てる神あれば拾う神ありで、身を切って森を守ろうとしている栗駒木材さんに共鳴し、田中優さんらが主催する天然住宅バンクが、無利子で8000万円を貸してあげる事になりました。
これで、地域にも2人分の雇用が生まれます。

いい話じゃないですか。
私も、おもしろおかしくクレイジーなんて言葉を使っちゃいましたけど、“いわゆる常識”にあてはめてクレイジーな行動というのは概してまともなものです。

そんな栗駒木材さんは、天然住宅が作る化学物質の無い家のための木材を供給しています。

<天然住宅が使う建材を取り扱うのがこの木材工房>


森を守りながら人に優しい建材を提供してくださる栗駒木材さんに対し、「天然住宅」では、通常のホームメーカーが1軒の家を建てる際、製材所に支払う額よりずっと多い金額を支払っているそうです。
よくある建て売りなどだと木材費はおよそ100万円程度だそうですが、そこを500万円程払っているとか。でも、森を守りつつよい建材を提供するには、それが適正価格なのだと思います。
それに、この500万円の中には木材の加工賃も含まれています。通常は釘や金属のボルトでバンバン打ち付けるところを、この天然住宅ではできるだけ伝統的な木組みの工法で作ります。釘は建築基準法で定められた最低限。
そのため、建材にはあらかじめ凸出っ張りやそれと組み合わせる凹みが切り込まれたり、穴があけられ、目印がつけられています。


この技術代としておよそ100万円分があてられているそうです。
これが、日本の伝統的な工法を守る事にも貢献しているわけです。

そのほかにも、栗駒木材さんの丁寧な仕事は随所に。
上の写真の3枚目に映っている木は、少し色が黒っぽいですが、これは木酢液に浸されたものです。
内部の構造に使う木は、こうして木酢につけて防虫効果を高めます。

<木酢液につかった木材>


こちらは、木を乾燥させているところです。


家を建ててから木が反ったり狂ったりしないように、建材は芯からじっくりと、完全に乾かしたものが良いとされます。
栗駒木材では、おもに燻煙乾燥という方法で木を乾かしていますが、これは木の繊維をこわさず、細胞のひずみも均一化でき、木の反りや狂いを防げるそうです。
また、より低い温度でじっくり乾かし完全に水分を飛ばしきる低温乾燥炉というのも建設中でした。

しかし、これらは品質の良い建材ができるものの、時間もかかればコストもかかる乾燥法です。
やはり、いいものにはちゃんとお金を払う消費者の理解が必要です。

ところで栗駒木材は、こうした木の乾燥にも、自然エネルギーを使っています。
これは、乾燥炉に熱を送っているボイラーですが、燃料は木質ペレットです。
上からぶら下がっているのがペレットの入った袋。


製材所で使うペレットも実はここ栗駒木材の中で作られています。
これがペレット製造機。製材で出た木のくずを集めて機械に入れれば、ほらこの通り。かわいいペレットに早変わりです。



こうして製材に使う熱もバイオマスでまかなわれ、CO2排出削減にも貢献しています。

そして、一通り栗駒木材の見学が終わった所で、さいかい産業古川さんのペレットストーブの説明会が行わたわけですが、今回はここまでにして、次回、古川さんの素晴らしき「クレイジー」な素顔に迫ります。

次回 「皮むき間伐ツアーin宮城栗駒 その3 クレイジーが日本を救う さいかい産業・古川正司編」に続く



森を救う「皮むき間伐」って知っていますか? 皮むき間伐体験ツアーin宮城県栗駒 その1

2010-07-09 23:17:31 | 森から始まる未来
先日、7月3、4日の土日で、宮城県の栗駒というところに、皮むき間伐体験ツアーというのに行ってきました。


「皮むき間伐」って何よ、という方のために、まずは、この皮むき間伐ツアーについて説明します。


未来バンクの田中優さんらが主催で行われた皮むき体験
(真ん中の眼鏡かけた人が田中優さん)

この「皮むき間伐」体験は、未来バンクやapバンクでおなじみ、環境問題にとりくまれている田中優さんたちの「天然住宅」というプロジェクトの一環として行われているものです。「天然住宅」については、こちらのサイトをみていただけると詳しくわかりますが、簡単に説明すると、国内産の木材を使って、化学物質などを使わない天然の家を建てましょうという試みです。国産材を使う事で、日本の建築材供給のために伐採が続く東南アジアの森林も救う事ができます。
一方で、日本の木を使う事で、国内の森も整備され、保全につながるというわけです。
実は、日本の森には、国内の建材やエネルギーをまかなうだけの木が十分にあります。コストなどの関係で整備されていないだけなのです。

そんな「天然住宅」が目をつけたのが、「皮むき間伐」です。
日本の林業で最も問題となるのは、人件費や運搬費をはじめとしたコスト。
実は、この皮むき間伐という方法、コストの削減にも繋がるのです。

それは一体どういうことなのか? 
また、そんなに簡単に木の皮ってむけるものなのでしょうか?
ご説明します。

私も今回知ったのですが、木の皮って、4月から8月の間の木が水分を多く含む時期には、つるっとはげるものなんですって。
実際にやってみれば分かる事ですが、根元にきちんと切れ目さえ入れれば、あとはつーっと両手で引っ張れば簡単に剥けていきます。
今回の体験ツアーでは、小学校低学年のお子さんもやってましたから。

今回は暑かったこともあって、汗だくだくで、作業は思ったよりも大変な印象がありましたが、これが4月とか5月だと、林のひんやりした空気のせいもあり、快適に作業ができるようです。

そして肝心の、「なぜ皮むき間伐がコスト削減につながるのか」ですが、こうして木の皮を剥いて、その後しばらく放置しておくと、木が乾燥して軽くなり運搬コストが減るからなんです。上の方に繁茂した葉っぱも枯れて切り倒しやすくなります。切り倒す時間が短くなるので人件費も減るというわけ。

この皮むき間伐は、今回のツアーでご協力をいただいた栗駒木材さんなど一部の林業関係者が行っているほか、NPO法人「森の蘇り」という団体が、あまねく広めようと、サポーター制度を設け出資を募っています。認知拡大を目論むにあたって、皮むき間伐体験には「きらめ樹体験」という名称がつけられました。
また、皮むきだけなら小学生でもできるので、この皮むき体験を学校の体験授業などに組み込んで行くことも考えているようです。全国的にそうした活動が広まってくれば、森の再生コストはずいぶん下がりそうですよね。

以上、皮むき間伐について簡単に説明しましたが、これいい取り組みでしょ?

世の中の役に立つだけではありません。
この映像を見てもらえば、皮むきの楽しさも分かると思います。

2010年7月3日皮むき間伐実演in栗駒


いかがでしたでしょうか?
私自身、ブログのためにビデオをもっとちゃんと撮ろうと思っていたのですが、いざ体験してみると、皮むき自体の方に一所懸命になってしまい、必要なカットとか適正なアングルやサイズなど気にしてビデオを撮ってる余裕はありませんでした。とりあえず、カメラに写ってたものをなんとか繋ぎ合わせてみた始末。まあ、それだけ皮むきのインパクトが強かったという事でしょうか。ちょっと言い訳でした。言い訳ついでにいくつか写真を載っけます(いやあ、実は写真も満足に撮れてないのですが)。

これは、皮むきするための三種の神器 
のこぎり、竹べら、即席木槌(枝の切れ端です)



VTRで実演した君嶋さんが、樹液が出てると言われてましたが、カメラが寄ってなかったのでこちらの写真でご覧下さい。よくみると雫が・・・。

こおろぎが樹液を吸いにきてました。


つたがからまっていた木は、皮をはいでも下の写真みたいに跡がついています。これはこれでデザインとしてありですよね。”へうげもの”古田織部ん家の床柱によさそうだ。つまり「乙」ってこと。(「へうげもの」は古田織部が主人公のモーニング連載の漫画です)


こーんなに皮をむきました。こういう山は他の場所にも。


また、「天然住宅」さんのブログの方に、これより長いバージョンの皮むきビデオと、今回のツアー全体の写真レポートがありますので、詳しい内容についてはそちらをご覧下さい。
天然住宅ブログ「天ぷら油バスで行く!皮むき間伐体験@くりこま@7/3-4 行ってまいりました!」

実は私、これまではエコツアーとかってあんまり興味ありませんでした。
当然、森の保全は必要だと思っているんですが、そもそも田舎の出なもんだから、子供の頃に山も海も行って遊んでたし、たき火もしたし、中学に上がるまでは風呂も焚いてたし、磯でカップラーメンの容器にクラゲ入れてかきまわしとってんぞ!なんて思って、エコツアーなんて都会育ちの人が行くもんだと思ってたんですね。

でも、今回のツアーは、ただの自然体験じゃなくて、未来の森の再生につながる一つの解決法を提示してもらえ、かつその解決法というのが、遊びとしてもかなり楽しいというおまけ付き。別に森の再生とかに興味の無い人でも、十分楽しめるツアーだったんですねえ。これは森林保全を訴える上で、言い方は悪いですが「使える」エコツアーだと思いました。

そうそう、ビデオを見ていただいても分かったかもしれませんが、皮むきは共同作業、特に男女が組んで作業を行うとはかどることが判明!!帰りのバスの中では、参加者から、これを婚活ツアーにしてはどうだろうという意見も出ていました(笑)。
これなら、私みたいな、「もう田舎は知っとるぞ」な人から、「自然って興味ないんですよね」な人まで、いろんな人を先入観無く引き込めるんじゃないですかねえ。

ところで、今回のツアーの皮むき間伐体験は、「天然住宅」に木材を供給し、環境にやさしい木をもっと広げたい・・・と頑張っておられる宮城県の栗駒木材さんのご協力で開催されました。皮むき体験だけでなく、栗駒木材さんの製材所の見学会も行われました。また、バイオマス燃料のペレットを使ったペレットストーブを開発したさいかい産業の古川さんも参加され、ストーブの説明も聞くことができました。

実は、こちらの栗駒木材さんやさいかい産業さんのこれまでの取り組みというのが感動もので、こうした活動が21世紀の日本を救うんだなあということを心から実感したわけですが、それは次回に続けようと思います。

天然住宅から社会を変える30の方法

合同出版

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鋸谷 茂,大内 正伸
農山漁村文化協会

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