「世直し太郎」の政局斜め読み

偏向マスメディア報道の本質を直観力で読み解き、内外の話題を大胆に斬っていきます。とりわけ大中華帝国主義許すまじ!です。

あらためて問う『辛亥革命の歴史的意義』

2011年10月17日 | 中国共産党問題
最近、いったい中国共産党がわざわざ「辛亥革命」の記念式典を取り上げる意義は何か?

どうしてもその怪しさが気になっていましたが、案の定、石平氏がその疑問の答えるようなメルマガを発信してました。

これは私見ですが、辛亥革命が起きたのは1911年、中華民国政府が尖閣諸島沖の難破船救助に対して日本政府に感謝状を贈ったのが1920年、その翌年1921年に中国共産党が誕生、国民党とのあ間で血で血を争う内戦状態となります。まさに中国共産党政府に「辛亥革命」を語る資格があるのかどうか、考えてみたいところです。

2011.10.14 No.141号より抜粋

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~誰よりも中国を知る男が、日本人のために伝える中国人考~
石平(せきへい)のチャイナウォッチ
http://0www.seki-hei.com
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■ 民国ブームと「静かな革命」
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辛亥革命100周年記念日の10月10日とその前日、台湾と中国大陸の両方でそれぞれの記念行事が催された。

台湾には辛亥革命によって創建された中華民国があるから、行事が催されたのは至極当然だが、中国が「辛亥革命」うんぬんと言ってそれを「記念」するというのは実におかしい。
というのも、かつて中国全土を統治した中華民国政府を武力で倒して台湾へと追いやったのは、他ならぬ今の中国共産党政権ではないのか。

しかも、中国共産党政権が大陸を支配してから六十数年間、中華民国の歴史はむしろ全面的に否定されてきた。

共産党支配下の中国では、かつての中華民国政府は「反動政府」だと断罪され、中華民国の統治時代は「暗黒時代」として位置づけられている。

このような歴史観が生み出された意味はいうまでもなく中国共産党政権の支配を正当化するためである。

中華民国政府が「反動政府」だったからこそ今の中国共産党政権がそれにとって代わるべきであり、中華民国の時代が「暗黒時代」だからこそ、それに終止符を打った共産党政権の成立は人民にとっての「解放」とされるのである。

要するに「民国時代=暗黒時代」という歴史観は共産党自身の中国支配を支えるためのイデオロギーなのだ。

だが、実は今、共産党支配下の中国大陸で、この官製史観が音を立てて崩れている。その表れの一つが、今の中国ではやりの「民国ブーム」である。

2000年代半ばに入ってから、中国大陸では忽然(こつぜん)と、中華民国時代の歴史や思想、文化を掘り出してそれを再評価する動きが広がり始めた。

各テレビ局は民国時代を題材とする歴史ドラマを連日のように放映し、出版界では民国時代の書物の復刻版刊行が盛んになった。

各地では「観光スポット」として民国時代の町並みや旧居の復元が進められ、大学生たちが民国時代の学生服を着て卒業式に臨むのが流行となっている。

とにかく、「暗黒時代」として否定されていた民国の時代が一転して憧れと輝きの「古き良き時代」となった。

「民国ブーム」が広がった背景には、やはり現実に対する人々の不満があろう。

共産党政権下の中国の現状に大いなる不満を持っているからこそ、多くの中国人は共産党政権以前の民国時代に熱い思いを寄せていると思う。

たとえば9月14日に北京で開催された「民国を語る」という座談会で、中国人民大学教授で歴史学者の張鳴氏は「私が民国の時代を評価しているのは、その時代に自由があって今の中国に自由がないからだ」という大胆発言を行った。

民国時代に編纂(へんさん)された小学生向けの道徳教育読本の復刻版が飛ぶように売れているのも、やはり現在の学校で行われている虚偽の「共産主義道徳教育」に人々があきれた結果であろう。

民国時代を良い時代として見習おうとする風潮の広がりは、中国共産党政権の支配体制にとっては実に「危険」な動向だ。

というのも、もし民国の時代が「暗黒の時代」ではなくむしろ憧れの「良き時代」であるならば、それを葬り去った共産党政権の樹立は一体何だったのかとの疑問が当然生じてくるし、「人民を暗黒から解放した」という共産党政権の正当性神話も崩れていくことになる。

そして前述に紹介した張鳴教授の発言を見れば分かるように、民国を再評価する動きはいつか、現体制に対する痛烈な批判に繋(つな)がるに違いない。

今の中国では、まさに辛亥革命の再来を予兆するような「静かな革命」が日々起きているのである。

( 石 平 )

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