中野笑理子のブログ

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闇の始まり

2017年07月08日 | 日記

病室へ駆けつけると、ベッドがあった場所は何もありませんでした。
えっ? と思って入り口の名札を見ると、夫の名前がない。
慌てて詰所へ行って尋ねると、詰所のすぐ隣の病室に移動しており、拘束具をつけられて唸っている夫がいました。

夜中から急におかしくなり、訳のわからないことを言いながら病院の中を徘徊し始めたのですが、まともに歩くことが出来ず、転倒すると危険なのでやむを得ず拘束しています、という説明でした。
昨夜8時過ぎまで普通に会話出来ていた夫は、虚ろな目をして必死に拘束具を外そうとしていました。
私に気づいても何も言わず、またすぐに苛ついた様子で拘束具を外そうとする。

奥さんがいる間は外しますが、トイレには付き添ってあげて下さい。
帰る前には、必ず呼んで下さい(拘束具をつけるので)。
と言われ、拘束具を外してもらいましたが、またすぐにベッドにつけられている拘束具自体を外そうとする夫。

それは取れへんよ、と言っても「取らなアカンねん」と言ってずっとそればかりをしている。
首からは御守り袋をペンダントのように下げています。
それはベッドから離れたら、すぐに詰所に知らせる為のセンサーでした。

話しかけても、会話にならない。
ここが病院であること、病院に入院していることが、理解できていません。
自分の名前も私の名前も言えない。
あらぬ方を睨み、女の人が立ってこっちを睨んでいる、などと言って怒っています。
そうかと思うと備え付けの戸棚の方を見て微笑みながら、「見てみ、2匹ともおんなじ顔してるわ」などと言います。

ゾッとしました。