駅の商業施設の中で、「文具祭」という催しをしている。
映画のDVDや演歌や歌謡曲のカセットテープ、夏休みの自由研究用の教材などが売っており、へぇ~! と思って覗いてみた。
自由研究の教材は、紙粘土で作る3万円貯まる貯金箱、水を掴めるようになる薬やペットボトルで作るロケットみたいなものなど。
客足も閑散というほど少なくはないけれど、盛況というほど多くもなく、人が来たと思ったらパッと見て皆スッと去って行く。
そんな「文具祭」の奥の方に半額書籍コーナーがあり、その中で見つけた怪談本。
江戸と銘打ってはいるけれど京都をはじめ近畿や九州地方の話も多数載っており、初めて手に取った本だけれど、なんだか懐かしく、つい買ってしまった。
知っている話もあるけど、初めて読む話や、なんとなく昔聞いたことのあるような話など、大人でも充分楽しめる内容で、挿し絵も怖いような微笑ましいようなタッチで楽しい。
今の子供は、こういう本は読まないのかな?
見ていた限り、手に取っている子供は皆無でした。
初めて聞いた怖い話はどんな話だったのか思い出せないけれど、とにかく幼稚園にあがる前から今に至るまで怖い話に心惹かれるのは、何故なのだろう。
子供の頃の怖い話は昔話(やまんばとか耳無し芳一など)で、まだ子供だった癖に何故だか懐かしい感じがしたような気がする。
小学生になってからテレビで心霊写真番組なども見るようになったけれど、霊能者の解説があったりして、自分の好きな怖い話とはちょっと違う気がしていた。
今思えば怖い話に対して、子供心に畏怖の念のようなものを感じていたのかもしれない。
人間にはどうすることも出来ないものがある、ということ。
不思議で怖いような、でも怖いだけでなくてどこか温かいような、そんな気持ちで読んだり聞いたりしていたような気がする。
人間だけでなく、木や花、虫や動物、山や海、あやゆる物すべてに気持ちというか想いがあるような。
今もってこれだ! という事がはっきりわからない。
わからないから惹かれるのだろう。