実家からの帰り道、大きな満月が綺麗で自転車を降りて見惚れていますと、何か動くモノが目の端に映ったような気がしたのです。
街灯はあるものの足元は暗く、その動くモノが何なのかわかりませんでした。
目を凝らすと、最初は大きな蜘蛛かと思ったそれは、なんと蟹でありました。
海の近くとはいえ、団地の中の公園横のコンクリートの歩道の上です。
思わず「うわっ！」と声をたててしまいました。
海でもあまり見たことのない蟹です。
かなり大きく、20センチ弱といったところ。
蟹は素早く草むらの中に消えてしまいました。
頭の中に「月夜の蟹」という小川未明の童話が浮かびました。
家に帰って調べてみると、見た蟹は雌のワタリガニによく似ていました。
そして「月夜の蟹」を調べてみると、月夜の蟹は月光を恐れて餌を漁らないので肉がつかないことから、やせて身のない蟹から転じて中身のない例えということでした。
また小川未明の童話は「月夜と眼鏡」というタイトルで、蟹は出てきませんでした。
そういう訳で、とんだ月夜の蟹なブログになってしまいました。
ただ今夜見た蟹は、プックリ大きく決してやせてはおりませんでした。