今日は曇りときどき晴れまたは雨。今朝は上空にどんよりとした雲が広がっていたが、東の空は雲が切れて薄明るくなってきていた。春分の日を過ぎて、急に朝が明るくなってきたように感じられる。今朝の気温は11℃で、強い北よりの風が吹いている。昨日降った雨で濡れた路面はほとんど乾いていたが、まだ所々、シミのように黒く濡れていた。湿った空気がヒンヤリと感じられる。
今日は朝、2時間のテレワークをしてから出勤することになっている。朝5時過ぎに起床すると、髭を剃って顔を洗い、湯を沸かしてインスタントコーヒーを淹れた。玄関のドアポストに投函された朝刊を読みながら、簡単に朝食を済ませる。朝日が昇ってくると、上空の雲の合間から青空が広がって、外が明るくなってきた。
定時よりも少し前の時間になったところで、業務端末に電源を入れて仕事を開始する。外が明るかったのは朝だけで、再び雲が上空に広がってきた。雲の隙間から薄日が射すことがあるものの、スッキリしない空模様である。時計の針が10時を廻ったところでテレワークの業務を終了すると、端末をビジネスリュックサックに入れて出勤した。
日野駅から中央線中央特快電車に乗って新宿に向かった。緊急事態宣言が明けて最初の今日は、電車の車内もそれほど混んでいなかったが、それでも、危うく席に座れないかと思ったほどである。電車に乗って新宿駅に到着すると、改札を抜けて外に出た。
日中は雲の多いスッキリしない空模様となった。昼間の最高気温は16℃で湿度が低く、北よりの風が吹いている。4月上旬並みの気温とのことだが、乾いた風が冷たくて、薄手のコートが手放せない。雲の隙間から陽光がこぼれ落ちるように日が射していて、空気がヒンヤリと感じられた。
時計の針はちょうどお昼にかかるところだったので、今日も職場に行く前にお昼を食べていくことにした。先日、「ロースカツ定食上」を食べた居酒屋「旅籠(はたご)」と通りを挟んで、斜め向かいにあるビルの地下1階にある和食料理店「元祖*石器日本料理 三是」に入ることにした。この店のあるビルの1階と2階には先日お茶をしたカフェ「ドトールコーヒーショップ 西新宿一丁目店」がある。
階段を降りていき、換気のために開け放たれた扉に入った。
入口のレジに置かれた消毒液で手指を消毒すると、店員が出てきて席に案内してくれた。案内された席は店の一番奥の丸い4人掛けのテーブル席である。テーブル席の上には十字形に仕切られたパーティションが置かれていて、各席ごとに紙ナプキンと楊枝、メニューが置かれている。席に座ると、店員が温かい麦茶の入った湯呑みと冷たいおしぼりを運んできた。
麦茶を飲みながらメニューを眺める。
注文したのは「すき焼き膳刺身付き」である。ランチはごはん、赤だし、お新香、サラダ付きとなっているが、刺身が付く料理にはサラダは付かないとのこと。また、ごはんと赤だしはお替りができるとのことなので、ごはん大盛で注文することにした。料理を注文すると、メニューが下げられた。
お茶を飲んでいると、しばらくして、料理が一式トレーの上に載せられて運ばれてきた。トレーの上にはすき焼きの鍋、生玉子、刺身、醤油皿、漬物、ご飯、赤だしといった料理が所狭しと置かれていて、箸が添えられている。
テーブルの上に店員がトレーを置くと、すき焼きの鍋の下の簡易コンロの中の固形燃料に火をつけた。すき焼きの鍋にはさしが適度に入った薄い牛肉が折りたたむように載せられていて、湯気が盛んに上がっている。
まずはおしぼりで顔を手を拭くと、お椀の蓋を取って、赤だしの味噌汁を飲むことにする。味噌汁はトサカ海苔が入っていて、ミツバがたっぷりと浮かべられている。
ミツバの清涼感に海苔のふんわりとした食感が美味しい。赤だしの濃い味噌汁は空腹の胃袋に染み渡るようである。
続いて、刺身を食べることにした。刺身は大根のツマの上に大葉を1枚敷き、その上にマグロの赤身とブリの刺身が2切ずつ載せて、おろしワサビを添えている。
醤油皿には既に醤油が入っている。
この醤油におろしワサビを溶かして、ワサビ醤油を作った。
最初にマグロの刺身をワサビ醤油にたっぷりと浸けると、口に運ぶ。厚めにカットされたマグロの赤身はもっちりとした食感で、濃厚な味わいで美味しい。ワサビのツンとした辛味がアクセントになっている。マグロの余韻を楽しみながらご飯をかき込む。
ご飯はお碗に山盛りに盛られている。
硬めに炊かれたご飯は口の中でパラパラとほぐれるように散らばって、マグロの赤身の旨味と一体となるようにして喉の奥に消えていく。2切れ目のマグロは、ワサビ醤油に付けると、ご飯の上に載せた。ごはんと一緒に食べると、また格別の味わいである。赤身の旨味がダイレクトにごはんに伝わって、それをご飯がしっかりと受け止めて口の中に飛び込んでくる。赤身一切れでごはんが見る見るうちに減っていく。
続いてブリを食べた。ブリもまた厚めにカットされていて、口の中に入れると、舌の上でとろけるような食感と淡白な旨味が美味しい。2切のブリを食べると、大根のツマも平らげた。
刺身を食べ終えるころには、すき焼きの肉もだいぶ煮えてきたようである。肉をひっくり返すと、いよいよすき焼きを食べることにした。すき焼き鍋には大きな薄切りの牛肉の他、シイタケが2個、お麩と焼き豆腐が1切れずつ、ネギ、しらたき、エノキ、シメジ、春菊が入っていて、紅心大根のスライスが1枚トッピングされて彩りを添えている。
すき焼き鍋には生玉子が付いている。生玉子の黄身はオレンジ色のような鮮やかな黄色である。
生玉子を軽く箸でかき回すと、肉を1枚取り、生玉子が落とされた小器に肉を移してたっぷりの生玉子を絡めて口に運んだ。玉子の濃厚な甘味にふんわりとした食感の牛肉の組み合わせはえもいわれぬほどに美味しい。薄いながらも肉の歯応えがあり、しかも割り下を吸った肉はジューシーで、赤身の旨さに脂身の甘さが口の中で玉子と絡みあう。1枚の牛肉でご飯が進む。我を忘れるように肉を食べていると、肉が無くなった。
ご飯はお替りするつもりで、残りのご飯は漬物で食べることにする。漬物は厚切りのタクアンが2切れときゅうりの浅漬けが2切れである。
きゅうりの浅漬けはヒンヤリとしていて、ほんのりとした塩味が美味しい。タクアンはパリパリとした歯応えで、良い箸休めとなった。ご飯が無くなったところで、赤だしの味噌汁も飲み干した。
ここで、ご飯をお替わり。量は並盛りとした。赤だしの味噌汁もお替わりすることにした。
並盛りのご飯が運ばれてきた。
赤だしの味噌汁は、2杯目も蓋付きのお椀である。
すき焼きのさまざまな具を生玉子の小器に入れると、生玉子と絡めてご飯の上に移し、ご飯をかき込む。シイタケは肉厚で、ジューシーな上にボリュームがあって美味しい。熱の通ったネギは甘くて、とろけるような味わいである。割り下をたっぷりと吸ったしらたきはジューシーで味が濃くて美味しい。
お麩はふんわりとした食感で、優しい味わいである。焼き豆腐はしっかりとした歯応えで、なかなかのボリューム感が楽しめた。紅心大根のスライスは熱が入ってもなおシャキシャキとした食感で、料理にアクセントを与えている。エノキやシメジはジューシーな味わいで美味しい。春菊の苦みもすき焼きにアクセントを与えている。
残ったご飯に生玉子の器に入った生玉子と少量の具をかけて、サラサラと食べる。すき焼きの鍋もおおかた空になったが、まだ具が少し残っている上に、割り下も溜まっているのがもったいない。そこに残ったご飯を投入した。割り下や具をご飯に絡めて食べる。すき焼きの鍋は重い上に、まだ熱い。注意深く箸でご飯を一粒一粒つまむようにして食べた。
残った漬物を片付けると、最後に2杯目の赤だしの味噌汁を飲む。
濃い味わいの味噌汁は口の中の甘辛い割り下の余韻を全て洗い流すようにして、その味わいが口の中に広がった。ミツバの清涼な風味を味わいながら味噌汁を飲み干して完食。満腹で、しかも大満足である。最後に湯呑みに残った麦茶を飲み干した。
おしぼりで口を拭くと、身支度を調えた。コートとビジネスリュックサックを持つと、伝票を持って店の入口にあるレジに進む。代金を精算すると店を出た。
店を出た直後は日が射して明るかったが、再び太陽が雲に隠れて、薄暗くなってしまった。途中、売店でアイスコーヒーを買って行った。
午後は事務室で仕事である。今日は特に会議の予定などもなかったが、いろいろと打合せが入って、気が付くと夜になってしまっていた。仕事に区切りが付いたところで、机上を整理して職場を出る。
建物を出ると、弱い雨がパラパラと降っていた。傘を差すほどでもないと思ったのだが、地下道に入るまで急ぎ足で歩いても、少し濡れてしまったようだ。地下道から新宿駅まで歩いて行き、そのまま改札を抜けて中央線ホームに昇った。
混雑を避けて通勤快速電車の1本前の快速電車に乗ると、空席がいくつか空いている。その中の1つに腰を下ろすと、眠気が襲ってきた。窓に頭を預けて、そのまま睡魔に身を任せる。気が付くと、電車は日野駅に到着するところだった。
ホームに降りて、駅の外に出た。日野駅のあたりは雨は降っていなかったが、路面に濡れた跡があり、雨が降ったらしいことは分かった。上空には白っぽい雲が広がっている。北よりの風が吹いていて、湿った空気が涼しく感じられた。