『ヨミガエルガール・ジャスティス』⑧BAD BOYS
わたしたちピンクチーマーはウッキー率いる爬虫類マニアたちと攻防を繰りひろげていた。ウクのうるこまマン勢の中でも活動的に前線を押し上げていた。
そして、その中でも孤軍奮闘していたのがモグラ率いるヨッシーだった。ヨッシーはウクの数少ない幼馴染で親友のひとりでもあった。鈴木宗男をかばう松山千春のようにウクに非があるときでもいつもかばっていた。ヨッシーの支えがなければサブカル継承の天下分け目のキャンプ場の顔になることもなかったと、言っていいほどウクを次のサブカル帝王候補に引き上げた。モグラ戦が得意なこともあり、候補者は次々と墓穴を掘ったり、落とし穴に落ちてウクが浮上していった。また、モグラは植物オタク、坂野目にとっても厄介な存在だったのだ。
「ヨッシーはいつも僕の味方だった」
「ウク、マニアックなキミには拙者は必要なんだ。たとえ日の光が見えぬとも、拙者はキミの足を引っ張る」
「引っ張る?」
「ごめん、キミを牽引するだった‥‥‥」
「足は坂野目のを引っ張ってくれよ、ヨッシー」
「任せろウク」
ヨッシーは坂野目の陣地まで攻めかかった。
かつて、木材で大成果をあげた坂野目を相手に怯むことなく立ち向かってゆくヨッシー。
モグラ戦法で木が立つ地盤を緩めて行き、坂野目の足場が不安定になった。
モグラを退治する者が現れても、ヨッシーは勇敢に立ち向かった。
「ヨッシーがこちらにどんどんと攻め込んできてますぜ!」
「けれど、今動いてるのはウッキーとヨッシーだけね」
「そいつらだけでもかなり押されてますぜ。そこに援軍が加われば、花配り山まで占領されてしまいますぞ、坂野目さん‥‥‥」
「モグラは厄介だな。お、おーー。コロモちゃん!」
「通信武闘で初段になったですーー」
「そうか。私も通信武闘をやっててな。これは頼もしい人が来たぞ」
「早速、ヨッシーを抑えてくれない?」
「はいですー」
リポーターの仕事をしているコロモちゃんは、仕事が減った間に通信武闘で有段者になった。坂野目さんとは、花が咲くシーズンやガーデニング特集でホームセンターのリポートの時によく逢っていた。そのコロモちゃんがヨッシーを相手にしてる間に次の策を練っていた。
「ほんとにそのようなことを‥‥‥」
「きっと巧くやるわ‥‥‥」
DQX撮影動画② KAWAGANI DQX 紙芝居magNET 演目アイテム
この動画は株式会社スクウェア・エニックスを代表とする共同著作者が権利を所有する著作物を利用しております。また、動画に使用されている楽曲はスギヤマ工房有限会社が権利を所有する著作物です。当該動画の転載・配布は禁止いたします。 (C)2012-2016 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved. (C)SUGIYAMA KOBO (P)SUGIYAMA KOBO
ヨッシーは思いのほか強かった。ヨッシーの奮闘でウクことゆるこまマン側の優勢が明らかだった。
「我々が優位じゃ。このまま押し切ろう。ヒデ君、ここで行ってくれないか?‥‥‥」
「うーん。やだ」
「そんなこと言わないでさ、このままいけば勝てるよ。いつもお部屋でゲームばっかりしてないでさ、たまには外で発散しようよ、ヒデ君」
「トイレ行ってくる‥‥‥」
「トイレ済んだら行ってねーー」
ゲームマニアのヒデ君が優勢な陣に加われば、ゆるこまマンの勝利は見えたものだった。ゲームマニアだけあってこういう場面では張りきるかと思いきや、インドア派のヒデ君にはキャンプは馴染めず早く部屋に戻りたそうにしていた。
「よくぞ参った」
「ゲームある?」
「あゝどうぞどうぞ‥‥‥」
DQX撮影③ KAWAGANI DQX 紙芝居magNET 演目アイテム
この動画は株式会社スクウェア・エニックスを代表とする共同著作者が権利を所有する著作物を利用しております。また、動画に使用されている楽曲はスギヤマ工房有限会社が権利を所有する著作物です。当該動画の転載・配布は禁止いたします。 (C)2012-2016 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved. (C)SUGIYAMA KOBO (P)SUGIYAMA KOBO
ヒデ君がゆるこまマンのキャンプ場から帰った。というか寝返った。当初からゆるこまマン側にいるとされた缶詰屋原の宿屋で働くセンリンがヒデ君を坂野目のほうに呼び寄せた。そしてセンリンがヨッシーと戦って、コロモちゃん側に加わったことで、坂野目の陣が息を吹き返した。
「ウクのところはWi-Fiも置いてないんだよ。それじゃスマホもできなくて退屈ーー」
「うちはポケットWi-Fiもあるから、心置きなくスマホもいじっていいよ」
「缶詰屋原が落ち着いたら、そこで泊りましょう。あそこならもっと心置きなくインドアが出来ます」
「早くウクたちを退治して帰る。センリンさんがいてくれてよかった。ぼく、アウトドア苦手なんで‥‥‥」
「都会のオアシス、ベランダで植物を育てるのも快適ですぞ」
「そうだね、それもいいね‥‥‥」
「ヒデ君が寝返った!!」
「というか家に帰ったんじゃないの‥‥‥‥」
「北のマダム、どういうことですか?」
「さあ‥‥‥」
「ヒデ君をいつも可愛がってたじゃないですか!」
「ヒデ君も反抗期なのよ」
「そ、そんなーー」
「よっしーが!!」
「倒れましたーー!!」
「お酒は用意したわ」
「では、私らが行こうか‥‥‥。途中でコロモちゃんたちと合流して、ウッキーのやまたのおろちと戦う。その間、ピンクチーマーは、うるこまマンを捕まえる段取りにしよう‥‥‥」
「坂野目さんたちが来たわ」
「一端、ここから引き下がろう‥‥‥」
わたしたちは、ここは坂野目さんに預けて次の段階に入った。
「中央は崩壊した。ここは私たちに任せください」
「うるこまマンを追ってください」
「はい」
「まずはウッキーらに酒を飲ませる‥‥‥」
「そして寝てる間に攻め落とす」
「了解」
「コロモちゃんはおろちを寝かしておいてくれ」
「はいですーー」
DQX撮影④ KAWAGANI DQX 紙芝居magNET 演目アイテム
この動画は株式会社スクウェア・エニックスを代表とする共同著作者が権利を所有する著作物を利用しております。また、動画に使用されている楽曲はスギヤマ工房有限会社が権利を所有する著作物です。当該動画の転載・配布は禁止いたします。 (C)2012-2016 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved. (C)SUGIYAMA KOBO (P)SUGIYAMA KOBO
「ウッキーも倒されました!!」
「なぜキミは援軍に加わらないんだ!」
「こんな小さなボクが行っても足で惑いだからさ」
「じゃ、なぜキャンプに来た?」
「キャンプに来ただけさ。喧嘩する気などないよ」
「チッ!」
ヤシの実原生場にキャンプを張ったゆるこまマンたちは、前半、ヨッシーやウッキーの奮闘で坂野目さんは劣勢に立たされたが、ヒデ君の寝返り、というかネット帰りで状況が一辺した。缶詰屋原でゆるこまマンたちは崩壊し、わたしたちピンクチーマーはウクを追ってヤシの実原生キャンプ場に入った。
そして逃げてゆくうるこまマンことウクをわたしたちは追いかけたのち捕まえることが出来た。わたしたちはウクに様々な尋問を行うこととなった。
『ヨミガエルガール・ジャスティス』⑩Paranoia Paradise