忘れられない誕生日

もうすぐ、まさちゃん52歳の誕生日
誕生日と言っても、だんだん歳を重ねると嬉しくなくなってくるよね。でも、まさちゃんには、生涯忘れられない誕生日があったんだよ

学校にいた頃、担任は六年だった。学年は3クラスあって、担任のまさちゃんは、運動おんちでどんくさいのに、子供達は足も速く、水泳も得意で、いつもクラス対抗では優勝してた。クラスもホントいい子ばかりで、みんな頼りないまさちゃんをカバーしてくれてクラスが一つにまとまってた。

春のある日、子供達に目隠しをされた。「先生、目開けたらあかんで！このまま歩いてきて～」と言って子供が手を引いてくれた。多分、土曜の午後だったと思う。学校を出て、歩道を歩いた。「まだか？まだか？」とおそるおそるまさちゃんは歩いていった。横断歩道も渡った。まさちゃんのまわりに何人の子供達がいたかは覚えていないが、町の人がみたらなんや？とおっもったやろうな、、、
10分ほど歩いたら「先生、目あけてもいいで～」とまさちゃんが目隠しとるとクラスの皆が集まっててくれていて「ハッピィバースディトゥーユー」ってみんなで大合唱。びっくりしたわ。大サプライズってやつや

場所はクラスのいつもムードメーカー役の子の家で、会社を経営してらしたからそこの駐車場の一角にござをしいて、机を並べて、私に内緒でいお祝いの準備をしてくれてたらしい。まさちゃん、嬉しくてみんなの前で泣けてきちゃったよ～
こないだ、そのムードメーカー君にやっと子供が生まれた。結婚が遅かったから、随分心配したけど、素敵な奥さんもらって、可愛い女の子が授かった。たまたま近くに行く用事あったので顔をみに行ったんや。

お母さんにあの日の誕生日の話をすると、「そうやね、あの時はマック買ってきたんですよ」って話してくれた。マックの味は忘れたけど、あの日の誕生日のことは一生、忘れられない。最高のまさちゃんの誕生日だった。クラスのみんな改めて有難うね

まさちゃん、子供達に毎日毎日め一杯！えらそうな事言ってきたから、まだまだ私も頑張んなきゃと思う。子供達に笑われないようにね