-写真の部屋-

奥野和彦

視覚と記憶

2009-11-26 14:17:22 | 写真
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残念ながら仕事もちょっとヒマなので
ローカル鉄道のサイトを漁っている。
個人的な視点で撮った素人の(プロでないだろうと
いう意味です。)写真のホームページ。
中でも、廃線になっているけど自分の年齢で
知らない事も無い地方の鉄道のもの。
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車庫で車両を写そうと思って撮ってあるが
後ろの電器屋の広告が目立っていたり
観光案内の看板のロゴに魅かれたりして
非常に興味深い。
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自分の記憶にかすかに残っているようで
定かでない時代の情景はもう一度見たい、
解き明かしたいと思っていても、カッチリ
キチッと撮られたものを見てしまえば
一瞬はっきりと懐かしいかもしれないが
単に照合が合うだけのもので終わってしまう。
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やはりどこかの知らない誰かが
気まぐれに撮った 気を抜いた1枚ぐらいの方が
朧げな記憶と、そのつかみ切れないもどかしさ、
曖昧さにおいて 却って心は揺さぶられる。
「何でこれを撮ったの?」
「どうしてこれが気になるの?」
人の視覚なんて、見て理解、認識する事柄より
通り過ぎて、流れて行ってしまう事柄の方が
ほとんどなのである。