録音スタジオで仕事があって
出て来た所で聞き慣れた子供たちの声。
お、やってるやってる…。ビルの狭間の
でもきれいに整った公園のグラウンドで、
あれ?ジャイアンツのユニホーム?。
ジャイアンツアカデミーというやつだ。
少年野球チームとはちがって、野球塾みたいな感じ。
基礎から丁寧に技術を教えてくれる。試合や大会に
出たい子は、別途土日活動の野球チームに入る。
見れば、我がBチームと同年代の子達。
どんな事をどんな風に教えているのか、しばし
見学させてもらう。駐車料金がかさむが勉強代ってことで。
きちんと、カリキュラムが組まれているんだろうなぁ。
一生懸命、みんな頑張ってる。これなら上手になるだろう。
楽しそうだし、笑ってるし。コーチ達も怒鳴らないよね。(笑)
今日のメニュー、今度の練習でちょっとやらせてもらいます。
さて、雷様が何に腹を立てたか知らないが、雷雲を
モクモクと低い空に這わせてまだ、冷めやらぬのか
3人4人と、顔を雲の中からグイと突き出して来た。
全国の小学生を 1列に並ばせて
これがまさに積乱雲、と教えてやりたいほどの
積乱雲。
運動会明けの日曜日。朝から雨が心配されたが
案の定、ラインを引いてグラウンドが
出来たところで小雨が降り始める。
4年生以下低学年チームは午前中市内のチームと
練習試合をし、午後は隣の市へ移動し、練習試合の
予定。
スパイクを忘れて来た子が2人いて、練習試合だし
どうってことはないのだが、公式戦だと出場が出来なく
なるので、厳しく注意をしておく。
そんなことぐらい…ではなく、野球の現場には
危険が一杯。大人の話をきちんと聞いて、守る癖を
つけておかないと、バットが当たったり、ボールが
ぶつかったりと悲しい出来事になるのを嫌と言うほど
見て来ている。
来週から始まる大会のルールに則って試合時間は
70分、5イニング制で始める。5回が先に来るか
70分が先に来るかで試合が終わる訳だが
低学年の試合なんて大抵あっという間に70分が
過ぎて試合が終わる事の方が多い。
昨日の試合の目標は、その70分を意識して
「攻撃時間を長く、守備の時間を短く。」というもので
あった。午後の試合も予定されていた為、主戦投手は
温存、3年生投手リッくんが先発して頑張ってもらう。
初回こそ先制されるが、1番ダイキ右中間にランニング
ホームラン、タッちゃんレフトオーバーなどで
すぐに3-3に追いつき、その後リッくん好投
理想的な形で逆転、長い攻撃時間をもって70分を
迎える。7-3で勝ち。ここまでは文句無し。
その試合中に雨は激しさを増し、午後の試合は中止に
しましょうの連絡が入る。
ここのグラウンドはまだ使えるし
子供たちは負けた方はもちろん、うちの子たちも
まだまだやり足りない。ここでも指導者は子供たちの
身体の事を考えて、風邪を引く前に帰すべきか
このやる気に答えてあげるかをしばし考えて
それでは、もうダメ、ここまで。というとこまで
やりましょうか、ということになり第2試合。
先行で1回。ツーアウトとられたにもかかわらず
3、4番が出ていつも9番のナオが5番2塁打で一掃し
モリスギレフト前ヒットでこの回3点。
温存しておいた4年生のエース、クニが鼻息も荒く
マウンドに上がるが、力が入りすぎて雨のせいもあって
フォアボールを連発する。
…雨のせいにしている。1試合目勝ったし…という
甘えが見える。やけになっている。
やると決めたのだから、いい加減にやるのは
相手にとって失礼。野球の神様はそれを見逃さない。
これはきっと勉強の試合になるね…。
とたんに崩れ出す守備のリズム。2塁けん制のボールが
逸れ、センターでスパイクを履いてなかったイガが滑って
転んでそのボールをさらに後逸。守備の時間が長くなる。
やっと打ち取った内野ゴロを、完全に集中力を
かいた内野手がエラー、暴投を繰り返す。
フォアボール出すな!わかってるよ!エラーすんなよ!
1試合目では刺していた2盗を、何度投げても刺せない。
キャッチャー投げろよ!内野で言い合いが始まる。
タッちゃんが泣き始める。ナオが泣き始める。
投げてるクニの目が赤くなっている。たかだか7-3に
なっただけじゃん。
面白いなあ、こいつらは。と思うが、やっとチェンジで
帰ってきた子供たちに対して、どう迎えるかの選択肢は
いくつかあって、Aチームの監督ならどうするだろう?
等も考えた上で、ここは一丁、思いっきり怒鳴りつける。
(っていつも通りじゃん?)
泣いてる奴にはゲンコツを食らわす。何を言ってやるかは
企業秘密で書かないが(笑)
おおむね、泣いていたら来るチャンスも逃げて行く。
悪条件は相手にとっても同じ事、この回ちゃんとやってみろ
すぐ追いつけるんだから。てな事。
ただし、この回先頭は運動靴のイガなのでここは
ツキを呼んでくれそうなネオに代える。
ボテボテのピッチャーゴロだったけど、やっぱり
それで出塁してしまうやる気と俊足。それをきっかけに
なんとか4点とって追いつくが、相手のピッチャーは
同じように雨で苦しみながらも、2つは負けられないと
いう工夫と勝ちたい気持ちが感じられ、残念ながらウチには
それがなかった。追いつきはしたものの、また
フォアボールは続き、その後は3年生投手2人に
打たれながらもこらえてもらう。8点を取られた所で
70分を迎える。たった2回をやって70分。15-7。
こんなものなのである。
1試合目勝った事よりも2試合目のつらさの方が
きっと応えただろう。
怒鳴ってはいるが、泣くと言う事はそれだけ何かを
感じていると言う事なので、そこには大いに期待を
している。もっと感じなさいとあおっているのだ。
卓球の愛ちゃんがピンチになると泣きながら
お母さんの所へ走って来るシーンが昔あった。
ダメだった事が分かっているのだから、それを直せば
いいだけの事でしょう。さあ、涙をふこう。
今日はダメだったけど、「キミ」の活躍で勝った試合だって
いくつもあるんだゾ。
うわ、長くなっちゃったなぁ。
写真はGW中の彼らのものです。
暑くなって、下のコイン洗車場にバイクが
集まり始める。オートバイのエンジンの音は
嫌いではないが、細かいことを言えば
エンジンの音と、マフラーから出る音は
違う訳だが、マフラーの音の方は暴走族の
お兄ちゃん達が鳴らす音は癇に障るので好きでない。
暑くなったので、網戸にし始めると
お兄ちゃん達も動き出して、好きではない方の
音をさせるのでうんざりする。
自分たちが好きなのはいいが、どっか遠くに行って
やればいいのに。
反対に、好きな音の方のバイクが夜中にやって来て
兄ちゃん達のようにスロットルをぶんぶんするのでは
なく、ちょっと一休みをしてるのか
静かに低い音が鼓動のように聞こえて来るのはいい。
乗り手もきっとその場の空気感を
静かに楽しんでいるのではないかと思う。
真上のマンションの1室で静かに寝息をたてている
赤ちゃんの事とか、明日の運動会でアンカーを
勤めなければならない、寝付けぬ男の子のこととか
そういう事まで、思い描いてそこに居てくれたら
実にカッコいい空間がそこに出現する。