仕事成田へ。行き帰り、ときどき車を停めて写真を撮る。セミが鳴いていたり、トンボが飛んでいたり、特にすごい写真は撮れませんが、今日の自分はこの程度であったのでこの程度。だいたい、毎日ビックリするような人生なんてめったにあるもんじゃないだろうし、ごく普通の人が生まれて生きて死んでいくなんてこんなことの繰り返しなわけじゃないですか。そっちのほうがより人間の記録としては本当だと思うんですよ。一生懸命何かを語ろうとひねり出さなくてもね。価値があるのかないのかなんて事とは無関係に。たまにスマッシュヒットもあるけれど、自分を写真に置き換えていくとすればそういうことなのかなって思うんですけどね。で、こんなことの羅列の中に自分以外の人にもその感覚が分かると感じてもらえる事があってそれが増えていけば、あんまり意識はしてないけれど「価値」が生まれるのかも知れません。でも、ここから先は文章ではなく、写真でやらないとね。
朝から新宿。よせばいいのにまた白黒フィルムを買う。知人の写真見に銀座へ。フィルムで撮ってプリントされたその写真群はとても魅力的であった。仕事がないと嘆いていたが、あれだけの技量と個性を持って仕事出来るカメラマンがそう言う状況であるなら救いようのない業界なのだろう。相変わらず、女子供を(失礼)取り込もうとする、ドキドキの、トキメキの、ほんわか写真入門本みたいのは盛んに本屋に並んでいるが。ふざけんなバカヤロウ。その後、よせばいいのにまた中古カメラ屋へ。フィルムのパッケージだの中古カメラのウィンドウの向こうに本当はまだある筈の強い写真のイメージを探しに行っている。朧げながらに見えるような、見えないような。珠玉の…。ふざけんなバカヤロウ。