-写真の部屋-

奥野和彦

リリース

2015-05-22 20:15:56 | 写真


久しぶりに一日休み。
今日も釣れなかったがいい日であった。
魚に限らず生き物たちは今が盛りと
活動している。

テントウムシが腕にとまり、スズメバチが樹液を探し
ヘビが川を泳いで渡った。
私たちはヒトで、会社に行ったり買い物をしたり
建物を建てたり、お葬式をしたりという暮らしがあり
私はそれを写真に撮ったりするけれど
虫や動物が毎日の暮らしをそのスケールで写真に
撮って残したり発表したりしたら面白いだろうか。
人間が代わりにやってみようったって、人間なのだから
代わりになんてなれっこない。
動物の気持ちやリアルはわからない。
だいたい写真なんか撮ってる暇があったら
食べ物を取らなければならないだろう。

ブラックバスが釣れれば
それを写真に撮るけれど
釣り上げられた魚は
くっそ~、またバカな木片にだまされて
この水の無い変な世界のデカい先っちょの黒いやつに
掴まれてしまっていると言う惨事を撮るかも知れない。

釣れれば嬉しいが
釣れなければ魚にとっての惨事がない訳で
だったら釣れないのもまあ良い。

魚を擬人化して
「いいファイトだったよ。遊んでくれてありがとう。」
なんてセリフが釣りの本には出て来るが
カッコつけちゃいけない。魚にしたって冗談じゃない。

「は、バカだなぁ。こんなものにだまされやがって
オレはまた釣りに来るけれど、怖い目に合いたくなかったら
2度と食いつくんじゃないよ。」

そのように言うのが良いと思う。

だったら釣りをしなければよいか?
ダメだね。人は釣りをしたい、してしまう生き物なのだ。
時には会社に嘘をつき、カミさんをだまし
命がけで釣りに行く人だっている。
君たちも文字通り命がけで、だまされないように身を守りなさい。