-写真の部屋-

奥野和彦

ラベンダー

2015-10-13 21:23:45 | 写真


また記憶のはなし。

イヤホンでYouTubeで久しぶりに聞きたいような
曲を探して聴いている。
今日は仕事と仕事の間の時間がギリギリで
一つ目の現場から二つ目の会場に向かい、最寄りの駅を
降りて、送られていた案内の通りに歩き出して
モヤモヤっと来た。

来た事がある道だ。

多分、川だった所に蓋をして緑道になっていて
この先に公衆トイレがあった筈だと思えばあり、
この先にそろばん塾があった筈だと思えばあった。
そろばん塾はご時世で日毎で英語教室かなんかも兼ねていたが
歩くほどにいろいろ思い出して、行こうとしている場所が
廃校になった小学校を利用した施設だったと思い出した。
以前来た時には今の施設になってからの名称ではなくて
◯◯小学校跡地(校舎)ということだったような気がする。

それで、学校はともかく
駅からそこへ向かうその緑道のそろばん塾のあたりが
自分たちの育った時代の町の雰囲気をよく残していて、
そこに立っているだけで何ともいいようのない感覚に包まれる。
感傷的に風景を見る事が滅多に無いし、
こんな写真を撮っている割には、大抵の古い街並に立っても
まあ、こんな感じだよね、あるあるって感じだよ,と
実は冷めているのだが、
ここだけは言葉を失うくらいに、というか途方に暮れる感じ。
今日は秋の午後の斜光であったが
以前は夕暮れでそろばん塾のあんどん看板が青白く
灯る時間であった。
朝、通勤通学の人々が通って行くのもいいだろう。

早く来て下さいの催促の電話がなっていて
仕事用のカメラがあるにもかかわらず
バッグから出す時間がなくて、立ち止まってスマホで
撮るしかなかった。
然るべき時間になれば、遊具に子供がまたがって遊び
塾にはそろばんカバンを持った子供たちが集まって来るのだろうか。

聞いていたYouTubeでは
電気グルーヴの「虹」がかかっていたから余計にふわふわしていた。
どこかで相当強い香りのアロマを使っているのか
そういうお店でもあるのか、道端に誰かがぶちまけたのか
学校跡に着くまでずっと匂っていた。ラベンダーか?と思った。
前に来た時の写真もこのブログのどこかにある筈だが。
探すのはそこそこ大変そうだ。