-写真の部屋-

奥野和彦

夕方の月

2019-02-18 20:11:30 | 写真


仕事が終わって
国道4号線を越谷に向かって帰る。
運転席の窓側を
ずっと月が並んで追いかけてくる。



だんだん暗くなって
朧月夜の歌の季節にはまだ早いけれど
こんな月の夜の入り口が好きなのは
前にも書いた。



保健所と看板のついた敷地から
自転車のお母さん達が出てくる。
こちらの信号待ちと同じ位の間
ちょっと立ち話をして
あっちとこっちへ
自転車によいしょっとガニ股でまたがり
わっしわっしと漕いでいく。
さて、早く帰って
腹を減らしてピーピー鳴いてる
野郎どもに早くカレーでも食わすかとか
唐揚げでも揚げるか、とか
これからもう一仕事のお母さん達だ。
野郎どもなんてのは実に呑気で
母さん無しでは行きていけない。



すっかり日が暮れて
夜になっても月は並走を続けて



都内から20数キロ
右手に見え続けた月は
越谷に入って
4号線から右折して住宅街に入ると
家々に囲まれて
やっと見えなくなった。