-写真の部屋-

奥野和彦

6月14日

2021-06-14 22:48:02 | 写真


断捨離しましょうから始まった
撮影済みのネガ整理は
コロナ休業、いや失業に近い状況になって
今も尚続いている。

まだインターネットもSNSも産まれる前夜の頃から
今に至るまで、過ごしてきた時間を
改めて見返している。

私たちはこのように生きていると
写真という武器を使って表すと言うことが
そのインターネットの時代になって大きく変わってくる。
インターネットによって格段に出来る様になる事と
それ故に規制されて行く事が増えて
撮る物がそれによっても変遷している。

例えば僕達の成長を育んだ
シャッター商店街が気になった時に
じゃあ対極にある大型ショッピングモールを撮ろうか
と思ってもそのロゴだとか店舗だとか
部外者が写真に撮って使用してはいけないと言う
権利に守られている。
人の姿も、街を走る自動車のナンバーさえも
写っては都合の悪い時がある。

近頃急にSDGsとか言い出して
私の様な50代、或いはも少し上の人達が
まあ、俺たちは生きてるかどうかも分からねえけどよと
強がり言って笑い飛ばそうとするけれど
あなたの子や孫は現役の時代で
その子らが苦しむかと思うから今、どうにかしよう
と言っている。

ずっと僕たちは
誰かを蹴落として突出する事ばかり考えて
それが時代や社会を進化させる事だと信じて
突き進んで来たけれど
たまたまコロナ禍もあって
ちょっと立ち止まらずを得なくなった時に

現在の経済を牽引している様に見える物が
手も足も出ない様をさらけ出して
元より写真に撮ってくれるな、などと言っているのは
見つめられることに自信が無いからで

今、木や土や水や空気や
生き物達が物言わず静かに呼吸を続けている。
彼らは撮るなと言わない。
まだまだ未熟な僕らが真似るなら
レンズを向けるなら、そこか。
そう言う事なのか。