最初から先行きが不安だった。
Oの家族とK君は面識があったものの
特にこれといって悪意を持たれていた訳ではない。
…が、好意を持たれていた訳でもない。
迎えに行った時にちょっと挨拶をする程度で
いつもそれ以上の話にならなかった。
事故直後、K君はあまりの事に混乱してしまい
駆けつけたOの家族とろくに話が出来なかった。
K君は感情が表情に出にくいので
Oの家族にはそれが、事故を起こしておいて
ボーっと突っ立っている男に見えたのだ。
実際にこんな事故を起こしてしまったらどうだろう、
泣いたり喚いたり家族に謝ったり出来るだろうか。
ショックから逃れるために現実ではないと思い込み
K君のようにぼんやりとしてしまうのではないだろうか。
Oと日ごろから仲の良かったOのお兄さんの
怒りは凄まじかった、と
事故直後に病院に駆けつけたOの上司が言っていた。
Oのお母さんもK君の事を大声で罵っていた。
ただ一人だけ、Oのお父さんが大変冷静な人で
「娘が助手席で寝ていなかったら、
事故は起こらなかったかもしれない」と言ったそうだ。
Oのお兄さんとお母さんに大変な反感を買ったそうだが
身内でもなかなか言える事じゃないよな、と
上司は深い溜息をついた。
Oの家族とK君は面識があったものの
特にこれといって悪意を持たれていた訳ではない。
…が、好意を持たれていた訳でもない。
迎えに行った時にちょっと挨拶をする程度で
いつもそれ以上の話にならなかった。
事故直後、K君はあまりの事に混乱してしまい
駆けつけたOの家族とろくに話が出来なかった。
K君は感情が表情に出にくいので
Oの家族にはそれが、事故を起こしておいて
ボーっと突っ立っている男に見えたのだ。
実際にこんな事故を起こしてしまったらどうだろう、
泣いたり喚いたり家族に謝ったり出来るだろうか。
ショックから逃れるために現実ではないと思い込み
K君のようにぼんやりとしてしまうのではないだろうか。
Oと日ごろから仲の良かったOのお兄さんの
怒りは凄まじかった、と
事故直後に病院に駆けつけたOの上司が言っていた。
Oのお母さんもK君の事を大声で罵っていた。
ただ一人だけ、Oのお父さんが大変冷静な人で
「娘が助手席で寝ていなかったら、
事故は起こらなかったかもしれない」と言ったそうだ。
Oのお兄さんとお母さんに大変な反感を買ったそうだが
身内でもなかなか言える事じゃないよな、と
上司は深い溜息をついた。