2009年2月2日のブログ記事一覧-カトカト日記 ~霊園・墓石の株式会社加登 公式ブログ~

他力。


今日は会社で少しばかり、「他力」について話をする機会がありました。
僕は特定の宗教や宗派を支持しないというスタンスなのですが、やはり親鸞聖人の説く「他力」というのは深いなあと。

知識とボキャブラリーがなさ過ぎて雑駁な感覚でしか語れないのですが、
「現象を如何に判断すべきか」という絶対的な基準提示に重きを置くのが西洋の宗教で、
「現象を如何に受容すべきか」という相対的な心構えに重心があるのが日本仏教なのかなあと、そんなことを漠然と思います。
神がそう仰っているのだからそうしなさい、という一神教とは随分違っていて、やっぱり仏教は宗教というより哲学なんですね。
「他力」という概念にも、それが色濃くあらわれている気がします。

チベット仏教などでも「正しい」修行法の大切さが説かれていたりはするのですが、「正しい」の裏には必ず「正しくない」が存在する。
「善」を求めれば必ず「悪」が生まれる。
大乗の教えが集約されていると言われる般若心経にも、こんなくだりがあります。

是諸法空相不生不滅不垢不浄 
(すべてのものは実体でなく、生じることも、滅することもない。穢れることもなければ、浄化されることもない。)

善も悪も、我々凡夫の小さな執着でしかない。
弥陀の本願も、そのようなこだわりを遥かに超えている。
そう考えると、「空性」という難解な概念を、阿弥陀如来や浄土、念仏という浄土宗の教えを受け継ぎながら、さらにやさしく表現し直したのが親鸞聖人なのかもしれませんね。

一切の執着を捨て去ること。
ありのままを受け入れ、心が揺れないこと。

それは諦めの境地などではなく、積極的な生を生きるための力強い指針なんだと僕は思っています。




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