化学系エンジニアの独り言

時の話題や記事の備忘録

宮古島でバイオエタノールの実車走行試験とプラント建設始まる

2005-10-07 | バイオマス
環境省補助事業として、㈱りゅうせき、関西化学機械、ヤンマーなどが補助金4.3億でE3実車走行試験とサトウキビ糖蜜からバイオエタノールを生産する設備の建設に着手する。

バイオマスからエタノールを製造するのは、いわゆるお酒を造るのと同じです。エタノールをエンジンで燃やして発生するCO2は、もとはバイオマスが大気から吸収したものなので、カーボンニュートラルとなり、結果として化石燃料消費を削減できる。
閣議決定した「京都議定書目標達成計画」では、輸送用燃料におけるバイオマス由来燃料の利用について、2010年度に原油換算50万kLを見込んでいる。
日本のガソリン消費量は約6000万KL/年なのでその3%をエタノールで代替すると180万kLとなり、2010年度の目標の3倍に相当する量になります。
要はバイオマス原料をどのように調達するか、にかかっている。

余談ながら石油製品は連産品であり、石油会社は同じ原油からどれだけ多くのガソリンを生産できるかで収益が決まるという面がある。ガソリン消費量だけが減少するとしたらE3計画に諸手を挙げて賛成とはいかない。

ブラジルの自動車用アルコール燃料

2005-06-01 | バイオマス
朝日新聞にブラジルでのアルコール燃料に関する記事があった。
原油高騰によりガソリン価格が急騰しているが、アルコール燃料価格は変わらず、割安との理由でアルコール入り燃料の売れ行きが大きいとのこと。
ブラジルの場合、アルコール燃料に関しては税制、補助金などがあって安くなっているのであり、技術的にガソリンよりもアルコールの方が安いというわけではない。
ブラジルではサトウキビなどの農業振興策の一環として、アルコール製造を進め、自動車用ガソリンに混合して利用することを1970年代から続けている。

確かにバイオマスからVehicle燃料を得ることから、カーボンニュートラルとして、CO2削減対策の一つとしては有効である。その意味では逆炭素税ではないが、優遇されてもしかるべきであろう。

ここでアルコール混合ガソリンの優位性は液体燃料であること。貯蔵・輸送手段が確立できている。
ガソリンよりCO2排出原単位の小さい天然ガス自動車がなかなか普及しないのは、ガス体燃料が扱いにくいからである。
同様に燃料電池自動車も水素製造過程での効率と、ガス体である水素をどうHandlingするかがキーテクノロジーとなるはずである。

バイオマスはどう贔屓目に見てもFossil fuelに比べて、エネルギー密度は小さくならざるを得ない。ということは、先進国においては経済的にコスト高になる。
しかし環境性については、大いにメリットがあるのだから、バイオマスからエネルギーを得ようとするならば、税制措置をする必要がある。バイオマスエネルギーと既存エネルギーを比較するのではなく、バイオマス活用エネルギーの中で何が最も効率的・経済的かを議論すべきである。