化学系エンジニアの独り言

時の話題や記事の備忘録

石炭火力発電所の半分を廃止にする??

2020-07-06 | エネルギー
熊本で洪水が発生したという。毎年、毎年この時期に洪水が発生している。数十年に一度のとか、これまでに経験ないような雨量と報道されている。数十年に一度が毎年あるのはやはり異常です。気候変動への取り組みは待ったなしと考えざるを得ないです。

経産省は現在稼働している140基の石炭火力発電所のうち、非効率な100基を今後順次廃止していくと発表しました。高効率なものは残すそうで、それは26基に過ぎないのですが、現在の石炭火力発電のおよそ半分を賄っているそうです。



足元では電源構成比の石炭割合は31%なので、その半分の15.5%を26基で賄っている。2030年の石炭割合は26%に減らす計画なので、残りの10.5%に相当する石炭火力発電所を新たに作る必要があります。単純比例計算すれば17基になります。「気候ネットワーク」の新設一覧表で超超臨界タイプの計画中、建設中を数えたら12基ありました。廃止にする100基の代替は既に準備できているという事のようです。

非効率(亜臨界)の発電所が高効率(超超臨界)のものになったら、どれくらいCO2が減るのか概略試算してみます。単純な比例計算なので無単位にしてます。

亜臨界  効率 37% 発電量100とすると、必要石炭は270
超超臨界 効率 44% 発電量100にするには、必要石炭227 となります。
石炭量の差は43減少で率に直すと16%の削減になります。これはそのままCO2削減割合になります。
発電効率の向上は7%ですが、発生CO2に換算すればマイナス16%とかなり大きな値です。
これが経産省の言う最新鋭の石炭火力発電ならばCO2を削減できるという事です。

でもわざわざ石炭を使わないでもっとほかのエネルギー減を使えばもっと削減できるのではと突っ込まれそうです。

人が生きていくのにエネルギーは不可欠で今後ますます増える方向です。CO2を減らすには経済活動を抑制するのが一番ですが、それには誰も賛成しません。
More energy and less carbon
難しい課題ですが無制限に時間があるわけではありません。

テスラが時価総額トヨタ越え

2020-07-03 | 環境
テスラの電気自動車は確かにかっこいい。アメリカのショールームで見ました。でも年間生産台数はまだ40万台です。一方、2019年のトヨタの生産台数は国内340万台、海外は560万台であり合わせて900万台を超えています。生産台数でみれば、テスラはトヨタの20分の1より少ないのに、時価総額がトヨタを超えている。やっぱり、電気自動車にかける世の中の期待がそれだけ大きいという事でしょう。


でも忘れちゃいけないのは、トヨタが本気で電気自動車作ったらどうなるの、という事です。ハイブリッドが有るので、対外的には大きな声で言ってませんが、きっとすごく安くていい電気自動車を作るのではないか、と想像します。



テスラでもう一つ見ておくべきは、LiBを用いた大電力の蓄電池、メガパックというそうです。太陽光発電や風力発電と組み合わせて使うシステムです。LiBは高価なので大容量蓄電には不向きと思ってましたが、それなりに値段も下がってきていて実証化試験に使われているそうです。日本のメーカーも頑張ってください。