化学系エンジニアの独り言

時の話題や記事の備忘録

経済的考え方と自然科学的考え方

2009-12-14 | 社会
環境などの複雑系を考えるときには、自然科学的な考え方と経済学的な考え方の療法を使わないといけない気がする。もっとも経済学的な考え方についてよく理解しているわけではないのだけれど。

自然科学の基本はホント簡単で、質量保存の法則です。より正確に言えばエネルギー保存の法則です。自然科学で扱うもの、現象はすべてエネルギー保存の法則に従っています。ようは足したらいつでもおなじです、という簡単な原理です。

これは量的な法則なのですが、自然界の現象を人間が利用する場合はエネルギーや物質の量だけではなく、質も大事です。

例えばガスの火でラーメンは作れますが、夏に日差しがいくら強くでも鍋を日向において置くだけではラーメンは作れません。熱エネルギーの量としては同じくらいにすることは可能ですが、温度が違います。つまり温度とは熱エネルギーの質的なものです。

このように自然科学では量と質の両面をみて、現象を解析・利用しなければなりません。

一方、経済学ではどうなんでしょうか?よく経済学は率で物事を考えるといいます。経済成長率というやつですね。去年に比べてどれくらいGDPが増えたか、その率が大事というわけです。つまり、全部足したらおんなじという量的バランスが取れていたのではダメで、常に成長しなければいけないということのようです。

ここんところが、自然科学とちがうんですね。自然科学は全部足したら同じにならないといけない、というかそういうふうに自然界は出来ている、と考えるといろんな現象のつじつまが合うわけです。

もっともビッグバンなんてのもあって宇宙は常に膨張している、のはどうなのときかれるとちょっと詰まってしまいますが。

この経済成長率で比較するとここ20年の日本は寂しい限りです。中国なんかと比べると特に低成長率ですね。
でも量的なことも大事ではあるんでしょう。日本の高度経済成長の時と今を比べれば、生活の便利さは格段に今のほうがいいわけです。

おもうに便利さの尺度はGDPの量的な大きさであり、未来に対する希望が成長率で測られると勝手に理解しております。

ツバルより危ない沖ノ鳥島

2009-12-13 | 環境
温暖化による海面上昇でツバルが海に沈んでしまうかもしれない、という映像を今日もテレビで放送していました。
たしかに大変なことなのでしょうが、素朴なギモンとしてツバルには満潮と干潮はないのでしょうか?あるとすればその時の潮位の差はどれくらいになるのでしょうか?
満潮の時にハリケーンが来たら結構高潮になると思いますが、ツバルに住んでいる人たちはこのような災害にどう対応しているのでしょうか?

ところで日本の沖ノ鳥島はツバルよりも海抜は低いはずです。Wikiによればツバルは海抜5mで、沖ノ鳥島は15cmだそうな。

海面上昇が起きたならツバルが海に沈む前に沖ノ鳥島が沈んでしまうでしょう。そうなると、日本の領土としての主張はどうなるのでしょうか?沖ノ鳥島が領土でなくなると経済水域は大きく縮小してしまいます。
ツバルも大変でしょうが、日本にとっては沖ノ鳥島がなくなる方が大変なことだと思うのですが、誰もそんなことに言及する人はいないようです。

海面下に沈んでも日本の領土として主張できるのですかね。
もしそうならばコンクリートの囲いまですることはないはずですから、海面に少しでも出ているということが重要なんだと思います。

ツバルの心配をする前に沖ノ鳥島の心配が先と思うのはあたしだけでしょうか!

中国に学ぼう

2009-12-12 | 環境
中国は嫌いという機運があるように感じる。

もうすぐ日本は中国にGDP世界第二位の座を奪われるから、なんとなく面白くないと感じるのは確かだ。しかし、一人当たりのGDPで日本に迫ってくるのは相当先の話でしょう。

日本を差し置いてアメリカと米中関係を築き、これからの世界をリードして行きそうなので、気に入らないと思う人もいるでしょう。でも、これは現実ですからいくら日本のプレゼンスが低くなるとやきもきしてみてもしかたがない。中国を非難しても日本のプレゼンスが上がるわけじゃありません。自衛隊を胸を張って軍隊と呼べないようなおなしな国(国外から見れば)の仕組みを改めることの方が先でしょう。

中国は一党独裁だ、人権が尊重されない、民族紛争がある、格差社会だ、と指摘することで、世界のリーダーにはなれないと主張するのは無理筋というものです。

政権交代により混乱を極めている日本に比べて、中国共産党の方が外交問題をうまく対処していると見て取れます。
日本にも格差はあるし、いろいろな差別は存在しています。中国だけを避難出来る立場にはないでしょう。

考えてみれば、遣唐使、遣隋使の時代から日本は中国に多くを学びました。今使っている漢字も中国に教えてもらったものです。
中国が好きか嫌いかとは別に、中国に学ぶことはこれからも沢山あるはずです。

COP15で中国はCO2総量規制には反対して、GDP1単位あたりのCO2排出量を削減するというアイデアを出してきました。これはとても理にかなっている意見と思います。

成長期の中学生高校生にメタボが気になる中年の標準カロリーを当てはめさせるような今のCO2量規制は無理というものです。

GDP1単位あたりのCO2排出量の各国比較です。(ECCJ 2000年データ)
日本    92
アメリカ 250
ドイツ  128
フランス 145
中国   891

やはり日本はダントツに省エネ国家ですね。ドイツ・フランスも日本の1.5倍近いです。中国の数値は桁外れに大きいですが、逆に言えばこの数値を半分にするのはそれほど難しいことではなく、しかも効果が大きいはずです。

日本は欧州勢に賛同するような1990年比でCO2排出量削減という馬鹿げた基準を捨てて、中国の主張するGDP比排出量を基準とした削減案に賛成する方が良いはずです。日本にとって中国を見方につけるのは、国の利益にかなっています。
しかもこっちのほうが理にかなっています。

このアイデア、だめですかね。