共産党・藤野保史議員 https://www.youtube.com/watch?v=t3Rej9M15FI
トランプ米大統領は今月末、アルゼンチンでの20カ国・地域(G20)首脳会議の場で習近平中国国家主席と会談する 中国側は何とか休戦に持ち込めないかと、水面下で対米工作を進めている。変幻自在なトランプ氏のことだから、中国側に期待を持たせて揺さぶる交渉術もありうるのだが、トランプ氏は上記の側近の見立て通り、強硬路線に徹している 27日付米ウォールストリート・ジャーナル紙によると、トランプ氏は同紙との会見で、2000億ドル(約22兆7000億円)相当の中国輸入品に対する関税率を予定通り来年1月に25%に引き上げる考えを示した 習氏との首脳会談で税率引き上げの凍結を求める中国側の要求に応じる可能性は「極めて低い」とした。「交渉がうまく行かなければ、2670億ドル(の輸入品)に対しても関税を発動する」とし、残りの中国輸入品全てに関税を発動する準備を進めていることを明らかにした トランプ政権は「中国を変える」(マルバニー氏)決意だ。不公正貿易慣行と外国企業のハイテクを不当手段で取り込み、対米貿易黒字を膨らませてきた中国を抜本的に改めさせるつもりだ 中国の経済成長を支えてきたのは外貨である。貿易黒字や外国企業の対中投資で流入する外貨を中国人民銀行が自ら設定する交換レートで買い上げ、人民元資金を国有商業銀行に供給する。その資金が融資され、インフラ投資、設備投資、さらに不動産開発投資に回る。つまり、人民銀行の外貨資産が人民元の価値を裏付けることで、紙切れに過ぎないはずの人民元の信用を確保しつつ、金融の量的拡大に邁進(まいしん)してきた その外貨の主力獲得先が米国である。2008年9月のリーマン・ショック後の米国の対中貿易赤字累積額は人民元資金発行増加トレンドとほぼ並行している。中国にとって対米貿易黒字がなければ、カネを発行できず、リーマン後の2ケタ経済成長も不可能だっただろう トランプ政権の対中貿易制裁は現時点では、対中貿易赤字削減にはつながっていない。しかし、「強硬」姿勢そのものに重大な意味がある。対米黒字の大幅な減少という中国側の恐れ自体が、ドルに依存する中国の通貨金融制度を根底から揺さぶる。上海株式市場の下落に歯止めがかからないのはもちろん、中国人の人民元に対する信用も怪しくなり、資本が逃げる。トランプ氏の口撃は続くだろう
(産経新聞特別記者・田村秀男)
日本のF35戦闘機購入方針に謝意 日米首脳会談
安倍晋三首相は30日午後(日本時間1日未明)、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスでトランプ米大統領と会談した。米中の貿易摩擦が続くなか、世界経済や中国への対応について協議。来年1月にも交渉を開始する「物品貿易協定」(TAG)の交渉を前に、日米間の貿易・投資拡大に向けて意見交換した 会談の冒頭、首相は「日米同盟はかつてないほど強固だ。北朝鮮や貿易をはじめ、日米の経済関係について意見交換したい」と話した。トランプ氏は「貿易赤字が巨大だが、それは減ってきた」と評価し「日本がF35戦闘機を多く購入することについて感謝したい。安全保障や北朝鮮に対する取り組みで協力したい」と発言した ホワイトハウスの発表によると、両首脳は北朝鮮問題の非核化を実現するまで圧力を続けるため、韓国を含めた国際社会とどう連携するかについて協議した。自由で開かれたインド太平洋地域の実現に向けてエネルギーやインフラなどでの協力拡大も申し合わせた 首相とトランプ氏の会談は9回目。9月に米ニューヨークで行った前回の会談でTAG交渉の開始で合意した。両首脳は茂木敏充経済財政・再生相と米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表のもとで議論を加速する方針などを確認するとみられる 安倍政権は来年夏に参院選を控え、TAG交渉で農産品などの譲歩は難しい状況だ。このため、会談では防衛装備品などの購入拡大で、対日貿易赤字の解消に協力する姿勢を示し、トランプ氏の圧力を和らげたい考えだ。日本政府はすでにF35戦闘機を最大100機、1兆円超で購入する検討を進めている 首相は米中の貿易摩擦激化が世界経済を混乱させかねないとして、対話による解決を要請。インド太平洋地域でのインフラ整備推進のために日米の連携強化を申し合わせるほか、北朝鮮の非核化や拉致問題についても協議し、日米両国の緊密な協力を改めて確認するとみられる 日本経済新聞