「冷凍餃子が張り付くフライパン募集」味の素冷凍食品の“研究のお願い”に2000個も届く!綺麗に焼くポイントを聞いた
「冷凍餃子が張り付いてしまうフライパン募集」。
味の素冷凍食品が6月中旬、このような投稿をTwitterにしたところ、2000個のフライパンが届くほどの話題となっている。
そもそものきっかけは5月にさかのぼる。「冷凍餃子をフライパンで焼いた」というTwitterユーザーの5月中旬の投稿だ。 味の素冷凍食品の冷凍餃子「ギョーザ」は「油・水なしで誰が調理しても食欲そそるパリッパリの羽根ができる」のが特徴なのだが、「フライパンでギョーザを焼いたところ、張り付いてしまった」というのだ。
(以下引用)
「フライパンで弊社のギョーザを焼いたところ、張り付いてしまったとのツイートを拝見いたしました。 弊社は、誰でも失敗なく、羽根つきギョーザが焼き上がる感動をお届けすることを目指しております」
「このたび調理にご使用いただきましたフライパンを、着払いにてご提供いただけないでしょうか? 焦げ付いてしまうフライパンの状態を確認させていただき、研究・開発に活用させていただきたく考えております」
(以上引用)
それから約1カ月後の6月16日、味の素冷凍食品がTwitterに検証結果を投稿。以下のような検証結果が示されていた。
(以下引用)
冷凍餃子がうまく調理ができない要因には、フライパンの材質・状態、調理する個数、火加減、蒸し時間、フタのサイズなど様々あります。
中でも、長年使い込んだフライパンはコーティングの剥がれや細かい傷などが生じており、冷凍餃子だけでなく、他の食材も同様に張り付く可能性が高いと想定されます。
フライパンには寿命があり、買い替えをご検討いただく必要があるという前提の上で、張り付きのさらなる改善に向け、複数の検証を行いました。
この結果、コーティングが剥がれたフライパンで調理をする場合は「大さじ1程度の油をひく」または「弱火で10分蒸し焼きする」のいずれかで張り付きが改善できることを確認しました。
(以上引用)
味の素冷凍食品は、この検証結果の発表と合わせて、冷凍餃子が張り付いてしまうフライパンを募集。受付期間は6月30日到着分までとしていたが、募集から3日後の19日、予想以上の反響があったため、受付を終了した。
さらに、「1,000個以上のフライパンをお届けいただきました!これから1つずつ開封して、研究所に送ります」と投稿していた。6月20日に届いた分を合わせると、2000個は届いている状況だという。
あるTwitterユーザーの投稿をきっかけに募集したフライパンだったが、これほどの大きな反響があったこと、どのように受け止めているのか?
検証結果には、張り付きが改善できる調理方法として「大さじ1程度の油をひく」と「弱火で10分蒸し焼きする」が示されているが、これ以外は、パッケージ裏面に書かれている焼き方で問題ないのか?
味の素冷凍食品の担当者に“反響の受け止め”と“綺麗に焼く方法”を聞いた。
張り付きが改善できる調理方法の詳しい手順
――今回、どのようなフライパンで検証を行った?
検証には以下の4種類のフライパンを用いました。
(1)全体的に表面加工が強く剥がれていて、歪みがある
(2)部分的に表面加工が強く剥がれている
(3)全体的に表面加工が剥がれていて、傷が多数ある
(4)部分的に表面加工が剥がれている
この4種類のフライパンを用い、「パッケージ裏面の表示通り」「油をひいて調理」「火加減を調整して調理」による、張り付きの検証を行いました。
――張り付きが改善できる調理方法「大さじ1程度の油をひく」について。油をひいた後は、パッケージ裏面に書かれている焼き方で問題ない?
「大さじ1程度の油をひく」の後は、通常の調理方法で問題ございません。
(1)凍ったままの製品をフライパンに並べ、蓋をする
(2)火をつけて、中火で5分蒸し焼き
(3)蓋をとり、羽根の素が焦げ茶色になるまで加熱(1~2分)
――大さじ1程度の油をひくと、餃子がフライパンに張りつかない理由は?
使い込んだフライパンの表面加工が弱くなっている分を、油でコーティングすることで、羽根の素が通常通り機能して、焼きあがるためです。
――張り付きが改善できる調理方法「弱火で10分蒸し焼きにする」について。こちらの焼き方の手順は?
(1)凍ったままの製品をフライパンに並べ、蓋をする
(2)火をつけて、弱火で10分蒸し焼きにする
(3)蓋をとり、羽根の素が焦げ茶色になるまで加熱(1~2分)
――弱火で10分蒸し焼きにすると、餃子がフライパンに張りつかない理由は?
使い込んだフライパンは表面加工が弱くなっており、弱火でゆっくり蒸し焼きにし、冷凍状態から羽根の素がゆっくり溶け出すようにすることで、急激な解凍による付着を抑制するためです。
「お客様の声をいただきながら“永久改良”」
――フライパン募集の受付終了までに、どのぐらいの数のフライパンが届いていた?
6月16日にご案内をし、週明けには1000個以上、6月20日分と合わせて2000個は届いている状況です。
――フライパン募集に対する反響をどのように受け止めている?
6月16日にフライパン募集の投稿をし、週明けの19日に、これほどの量が届くとは想定外で驚いています。また、丁寧な梱包や、メッセージ・焼き付きの状況をご説明いただいているお手紙が同封されているものも、たくさんあり、皆さまの想いを感じました。
――届いたフライパンについては検証し、のちほど検証結果を公表する?
検証結果を公表する予定です。
――今回の検証結果が、味の素冷凍食品の商品に反映される可能性は?
当社の商品は、お客様の声をいただきながら“永久改良”を続けています。「ギョーザ」も改良をし続け、今年で51年目を迎えました。
これからも、お客様に「感動」で「笑顔」をお届けできる商品を作っていくために、検証結果についても、今後の製品開発に活かしてまいります。
今回の一連の対応で感じたのは、味の素冷凍食品の商品開発への熱意だ。“永久改良”を続け、さらに調理しやすくなった「ギョーザ」が登場することを期待したい。
FNNプライムオンライン