国内最大の貨物取扱量を誇る名古屋港がシステム障害で一部機能停止に陥った問題は、重要な物流拠点のサイバー攻撃に対する脆弱(ぜいじゃく)性をまざまざと露呈した。港内に複数あるターミナルを一つのシステムで一元管理する手法の開発によって効率性を追求したが、その分、コンピューターウイルスに感染すれば被害が拡大しやすくなる〝盲点〟を突かれた形だ。専門家からは安全保障の観点から懸念する声も上がる。
ウイルス感染した「名古屋港統一ターミナルシステム(NUTS)」は、同港に5つあるコンテナターミナルのシステムを一括管理できるのが特徴だ。
名古屋港の港湾関係者によると、通常は船から港、陸送まで、貨物の流れをターミナルごとに個別のシステムで管理している。そのため、トレーラーの運転手は作業に当たり、それぞれのシステムに対応した端末を持つ必要などがある。
しかし、NUTSでは港内いずれのターミナルに行っても、共通の管理システムの下で効率的な貨物の積み下ろしが可能という。
一方、システムを統合したため、一つのターミナルでウイルス感染した場合、今回のように被害が拡大しやすく、「メリットとデメリットが背中合わせ」(港湾関係者)とされる。
日本港湾協会の担当者によると、国内で同様の一括管理システムを導入しているのは博多港など「1、2カ所」にとどまるが、「今後は港湾の物流システムをつくる上で、今以上にサイバー攻撃対策を考えなければならない」と話す。
サイバーセキュリティーサービスを手がける米マンディアントのチーフアナリスト、ジョン・ハルクイスト氏は「(攻撃側は)輸送や物流の拠点施設がいかに重要であり、複数の関連組織全体にまで連鎖的な影響を引き起こす可能性があると認識している」と説明。さらに海外での中国による攻撃事例を挙げた上で「有事の際のサイバーによる妨害行為を視野に偵察しているのではないかと懸念されている」とも指摘した。(池田昇、福田涼太郎) 産経新聞
国内最大規模のインターネットカジノ店の収益計約5800万円を「みかじめ料」名目などで受け取ったとして、警視庁暴力団対策課は6日までに、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益収受)容疑で、指定暴力団住吉会系組幹部の金井忍容疑者(50)=東京都新宿区大久保=ら男3人を逮捕した。同課は認否を明らかにしていない。 逮捕容疑は2019年1月中旬~今年1月24日、同区歌舞伎町にあった違法ネットカジノ店「SEXY」の収益計約5800万円を、みかじめ料や用心棒代名目で受け取った疑い。 時事通信
名古屋港の港湾運送事業者で構成する「名古屋港運協会」(名古屋市)は6日、一部のターミナルでコンテナの搬出入が再開したと発表した。午後6時半ごろに全面再開する見通し。システムのデータを暗号化し、解除と引き換えに金銭を要求する「ランサムウエア(身代金ウイルス)」に感染し、搬出入ができなくなっていた。
トヨタ自動車は、システム障害の影響でコンテナの積み込み作業ができないため、輸出部品の梱包(こんぽう)工場の稼働を7日に停止する。トヨタは「海外の車両工場の操業に直ちに影響は出ない」と説明。国内の完成車の生産にも現時点で影響は出ていない。
港運協会などによると、ウイルスはシステムのデータを暗号化し、解除と引き換えに金銭を要求する「ランサムウエア」。システム障害は4日午前6時半ごろに発生し、丸2日以上たった6日午前7時半ごろに復旧した。同協会はその後、搬出入の再開に向け、コンテナのデータを再入力する作業などを進めた。
時事通信
名古屋港運協会は6日、名古屋港のコンテナシステムにサイバー攻撃を仕掛けたハッカー集団に対し、連絡を取っておらず、身代金も支払っていないと明らかにした。 共同通信
名古屋港のコンテナターミナルで、コンテナの搬出入を一元管理するシステムが身代金要求型ウイルス「ランサムウェア」に感染した問題で、名古屋港運協会は6日午前7時半にシステムが復旧したと発表した。搬出入作業は同日午後に再開する予定という。
協会によると、システムはコンテナの搬出入先を管理しており、ターミナル全5か所に導入されている。事業者らがシステムにコンテナの情報を入力し、トレーラー運転手らが専用端末にコンテナ番号を入れると搬出入先などがわかる仕組み。
障害は4日午前6時半頃に発生した。システムとつながるプリンターから「LockBit Black Ransomware」との表題で書かれた英文の脅迫文が約100枚出力された。ロックビットはロシアを拠点とするハッカー集団で、愛知県警はサイバー攻撃の可能性があるとみて、不正アクセス禁止法違反容疑などで調べている。
読売新聞
2025年大阪・関西万博に参加する国・地域が独自に出展するパビリオンの建設を巡り、大阪市に提出する建築許可申請が1件も出ていないことがわかった。建築資材の高騰や人手不足で、国内の建設業者との契約が進んでいないからだ。政府は参加国に対し、デザインの簡素化や予算の上積みを要請するなど具体的な対策に乗り出す。 このうち、政府が遅れを懸念するのが、米国やオランダなど約50か国・地域が出展するタイプAのパビリオンだ。各国は日本の建設業者と工事契約を結び、大阪市に建築許可申請を出す必要があるが、開幕まで1年9か月に迫った6日午前時点でも申請は出ていない。
読売新聞
江戸時代から平成まで、400年近く金を産出し続けた新潟県の「佐渡金山」。総産出量78トンは日本一を誇った。その記録をはるかに塗り替える金を生み出す鉱山が九州にあるという。「黄金の国ジパング」は過去の夢物語ではなかったのか―。驚きを抱えながら現地へ飛んだ。
鹿児島県伊佐市の「菱刈(ひしかり)鉱山」は昭和60年に操業を開始。運営は銅やニッケルなどの非鉄金属を扱う住友金属鉱山(本社・東京都港区)が担う。
昨年3月までの産金量は約260トンと、平成元年に閉山した佐渡金山の3倍を超える量を40年弱で産出。鉱石1トンに含まれる金の比率は5グラムが相場だが、菱刈鉱山は20グラム強という。
撮影のため、ワゴン車に乗り込み坑道を進む。鉱山といえば苛烈な労働環境を想像するが、時々重機を見かける程度。「クリーンで明るい地下工場をイメージしてもらえれば」と話すのは、同社事務課長の青野祥紀さん(56)。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)の導入で坑内の無人化を図り、目指すは「3K労働からの解放」という。
採鉱課長の薮英伸さん(44)もDXの導入に期待をかける。「穴を掘って発破をかける。昔からやることは変わっていませんが、機械を取り入れることで常に進歩してきました」
金を含む鉱石をとり逃さず、無駄な石は含めないよう採掘する。鉱脈の大きさ、地質の状態、発破を仕掛ける穴の配置と装填(そうてん)の仕方など、さまざまな要素が絡み合う。
「オペレーターの勘と経験が要求される難しい作業ですが、次世代への継承をサポートできるよう、デジタル技術を適用していきたいですね」
坑道最深部の海抜はマイナス80メートルに達する。鉱脈は水につかっているような状態。摂氏65度近い地下水を排出する「抜湯(ばっとう)」という作業が必要不可欠となる。
毎分9トンをくみ上げ、3分の1を地元の湯之尾温泉に提供、残りを水温を35度以下に下げるなど処理をした上で川内(せんだい)川に流す。雇用だけでなく地元を〝潤して〟いるのだ。
近年、ロシアによるウクライナ侵略などで、金の価格が上昇しているが、同社は生産量を増やすことはしないという。
菱刈は海外5カ国で運営する7つの鉱山へ派遣する技術者を育成する拠点としての役割も持つ。そのためにもより長く安定して運営する必要がある。
「そもそも地域の理解がなければ操業できません。恵まれた鉱山を長く、丁寧に掘ることで、共存共栄を目指さなければならないのです」と青野さん。
昭和生まれの金山は、労働者にも地元にも優しい姿で迎えてくれた。それが何よりの驚きかもしれない。
産経新聞
[北京 6日 ロイター] - 中国国営テレビは、ロシア太平洋艦隊(司令部ウラジオストク)に所属するフリゲート艦「グロームキイ」と「ソベルシェーンヌイ」が5日に上海に入港したと伝えた。
両艦は7日間の寄港中、中国海軍と合同演習を行うという。上海入港に先立ち、6月末から今月初めには台湾と沖縄の近海を航行した。
Reuters