地味に終活はじめました!

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高尾山

2011-06-08 22:14:00 | インポート
 水路から始終絶え間無く、
さらさらと水の流れる音が聞こえて来る通りは、
赤青白が回転する理容店の看板、
自販機の並ぶ酒屋、高い建家の倉庫と事務所と、
何所にでもありふれた光景が次々と現れる。

 上り坂が続いているのに、不思議ときついと感じないけれど、
どうもこの先、左手側に平行して通ってる幹線道路と、
また合流しそうなので、早めに山の方に右折したい。

・・・・・

 その山は小学校へ通う道、行きには目の前約5キロ先の前にあり、
夕方になると、標高482メートルの頂上に回転する明りが灯っていた。

 高校の頃だったと思う。
毎日のように話をするけれど、
たぶん一度も会うことがなかった、他所の学校の奴。

   ある日曜の午後、

  「今、何所に居るのか」
    と、尋ねたら、

  「たかおやま」
    と、返事があった。

  「何時からいるのか。何があるのか」
    と、尋ねると、

  「今(頂上に)来た。
   何もないから直ぐ帰る」
    と、言っていた。

 そうか、あの山は、そこそこ簡単に登れるのか。

・・・・・

 先日ネットで、調べてみたら登山口は山の裏側の方にあるらしい。
   しかし、
山登りは兎も角、未だ麓の辺りの地区に行ったことがないので、
その辺の様子をみに出かける事にした。

 麓に沿って通る道路を境に、水田と梨畑に分かれている。
梨畑の中を山の上の方に向かう道は、40度を越えそうな
相当急な坂道で、上の方から小学生らしい女の子が二人、
蚊帳吊草の穂の様な茎を手に振りながら下りて来た。
 「周囲に民家もないのに何故」
と、少し不思議に思ったけれど、
梨畑で作業をする大人に付いて来たのだろう。

 帰り道は下り坂だから上手くすれば、
家の前まで自転車を漕がずにすみそうだ。

 梅雨空の下、緑が一層濃く見える
 霧の掛かった山頂は、何度でも仰ぎたくなる。
 道路脇に、

 「ひまわり畑、
       5月6日に種を撒きました」

 と、看板が立っていた。


注;東京都八王子市の高尾山ではありません。