バス停の脇に路地を挟んで、小さな社か堂の様な建物があった。
路地の奥から、男の子と女の子が2人、それに続いてお婆さんが、
大き目のレジ袋を提げて出て来た。
孫を連れての買い物帰りにも見えたけど、お堂の前で立ち止まった
お婆さんは、レジ袋から駄菓子を取り出し子供たちに与えていた。
そしてこちらを見て、「おおーい、あんた」と、手招きをした。
辺りを見回し「さて、自分に掛けられた声なのか」と、
そんな素振りの私を見て、
もう一度「あんた、これ」と、お婆さんは言った。
「これはお供えじゃきん、あんたも持って帰り」
お婆さんの手にあったのは、袋入りの駄菓子。
それにしても、小さな子供たちの前でお菓子を貰うのはどうも、
ばつが悪いような気がするが、かといって「要らない」とも言えない。
受け取った袋をその場で開けて、一つを口にしてから、
「はい、どうぞ」と、男の子の顔の前に突き出した。
躊躇う素振りの男の子に「貰いさい」と、年長の女の子が言った。
振り返ると家の中にに入ったのか、そこにお婆さんはいなかった。
雨がほとんど、降っていないのに気が付いて、
慌ててその場を立ち去った。
・・・・・
橋の所まで来て、
自転車の前篭に放り込んだ駄菓子の袋を、改めてよく見た。
賞味期限切れでないのを確かめて、先程口にした時は、
妙に酸っぱく感じたのは、気のせいだったのかと思いながら、
もう一つ口に入れたら、薄荷の味の口の中に広がった。
路地の奥から、男の子と女の子が2人、それに続いてお婆さんが、
大き目のレジ袋を提げて出て来た。
孫を連れての買い物帰りにも見えたけど、お堂の前で立ち止まった
お婆さんは、レジ袋から駄菓子を取り出し子供たちに与えていた。
そしてこちらを見て、「おおーい、あんた」と、手招きをした。
辺りを見回し「さて、自分に掛けられた声なのか」と、
そんな素振りの私を見て、
もう一度「あんた、これ」と、お婆さんは言った。
「これはお供えじゃきん、あんたも持って帰り」
お婆さんの手にあったのは、袋入りの駄菓子。
それにしても、小さな子供たちの前でお菓子を貰うのはどうも、
ばつが悪いような気がするが、かといって「要らない」とも言えない。
受け取った袋をその場で開けて、一つを口にしてから、
「はい、どうぞ」と、男の子の顔の前に突き出した。
躊躇う素振りの男の子に「貰いさい」と、年長の女の子が言った。
振り返ると家の中にに入ったのか、そこにお婆さんはいなかった。
雨がほとんど、降っていないのに気が付いて、
慌ててその場を立ち去った。
・・・・・
橋の所まで来て、
自転車の前篭に放り込んだ駄菓子の袋を、改めてよく見た。
賞味期限切れでないのを確かめて、先程口にした時は、
妙に酸っぱく感じたのは、気のせいだったのかと思いながら、
もう一つ口に入れたら、薄荷の味の口の中に広がった。