収入が無いのに、思い付くのはお金を使うことばかり。
いや、仕事を辞めてから毎日、田んぼの片づけをしてる。
農作業はとても私の手に負えないので、
二段ばかりの耕作地は、人に貸して作ってもらってる。
その他に納屋がある四、五畝ほどの場所が、
ゴミ屋敷状態だ。
廃材、畦波(樹脂製の波板)、鉄パイプ等々を運ぶには、
軽トラックが欲しい。
四、五畝でも除草の手間は面倒だから、
一層の事、「ドローンを買って除草剤を」
とか、考えてしまう。
(注;ドローンで除草剤を散布してはいけないらしい)
結局、
「ごみ出しの日」に出せないような大物は、
便利屋に頼んで処分して貰った。
「毎日、仕事をしている方が良いだろう」
と、便利屋には言われた。
「いやあ、怠け者なので毎日遊んでいる方が良い」
と言ったけれど、
実際もう、何かの仕事に就きたいとは思わない。
しかし、
粗大ごみの処分費、除草剤の代金と、
収入は無くてもどんどんお金は出て行く。
ごみの片付けは終活の必須項目だし、
今まで中々行く機会の無かった、
在職中行けなかった歯の治療だとか、
耳鼻科だとか皮膚科だとか、
この際にと回って、
毎回払う治療費も馬鹿にならない。
終活をするには体が健康に、
(極力近い状態で)動かなければならない。
だからこの際、テレビに出てくるような、
名医、スーパードクターの居る病院が見つかれば、
内科だとか整形外科も受診して見たい。
まあこれも想定の範囲内ではあるけれど、
このままでは、思っていた以上に早く破産しそうだ。
そこで、『離職票』を持って、
ハローワークに行ってみることにした。
(離職票には提出期限は無いそうだ。
但し、雇用保険の受給期間は離職した日から数えるので、
なるべく早く、ハローワークへ提出した方が良いらしい)
正直な話、
「失業して本当に困っている人が沢山居る訳だし、
そう上手い事そんなに都合の良い仕事が、
簡単に見つかる筈もないだろうに、
それほどの就労の意思の無い者が、
失業保険を利用しても良いのだろうか??」
少し迷ったけれど、
やはり何れは、私だって生活に困るのは目に見えている。
・・・・・
さて離職票提出時には、
写真を2枚準備しなければならない。
今日日、
証明写真は街角、スーパーの駐車場なんかに設置された、
『スピード写真』というのだろうか?
あれで簡単に準備出来るけど、
仕事もしてなくて時間が有ると、
碌な事を思い付かない。
デジカメ、PC、プリンターが有るのだから、
自作にチャレンジしようとしたのである。
いやあそれも、
スマホに「自撮り証明写真アプリ」を使ったり、
デジカメに「証明写真モード」があれば、
簡単に直ぐ証明写真の自作が出来るらしい。
しかし生憎私は、
スマホは持っていないし、私のデジカメには、
「証明写真モード」が付いてない。
取り合えず『自撮り顔写真』を、
セルフタイマーで撮ったけれど、
「指定サイズの大きさに、
プリントアウトするにはどうすればよいのか?」
それもまたインターネットを利用すれば、
『自撮り顔写真』から、
任意のサイズの証明写真を作れるサイトがあったり、
無料証明写真作成ソフトがあるらしい。
しかし職場から自由に使えたインターネットも、
仕事を辞めてしまった今では、
無料Wi-Fiを利用している有様だ。
少々の思案の挙句、
長年使い慣れたCADで、
証明写真が作れそうだと気が付いた。
普通CADで描く図面は線画なので、
写真などの画像とは少し違う。
しかし大方CADは何故か(たぶんプレゼンの用途か?)
画像の編集機能があったりする。
そこで先ず、
件の自撮り顔写真をCADに読み込み、
指定サイズより数ミリ程度大きい顔写真に編集する。
(写真屋が証明写真を作るのを見ていたら、
大きめのサイズで作って、
定規付きのカッターの様なもので切り取っていた)
次に『配列コピー』とかの編集機能を使って、
写真用光沢紙に入るように、
縦横に必要枚数をコピーして並べる。
これをプリントアウトして、切り離したら完成する。
・・・・・
「前回の認定日から今日までに、
何か求職活動はされましたか」
「はあ、ネットで求人を検索するとか」
(注;これでは求職活動とは見做されないそうだ)
就職支援セミナー等を受講したいとも思うのだが、
何かそういうのも自分には場違いな気がして、
いまひとつ就活には積極的になれない。
「送迎の仕事なら求人が有りますが」
「いや、車の運転は得意でないので」
即座に断ってしまったけれど、
少し冷静に考えても、
私はカーナビを使っても、
まともに目的地にたどり着けない程の、
相当な方向音痴だ。
「それなら(雇用保険の)支給期間が、
1年あるので(仕事は)ゆっくり探しましょうか」
「はい、よろしくお願いします」
・・・・・
ハローワークからの帰り道、
先日撒いた除草剤の効き目が気になるので、
田んぼに立ち寄った。
納屋の前に頭から車を突っ込んで、
一瞬「あれ、止まらない!」
と、焦って気が付いた。
右足はブレーキではなくアクセルのままだった。
危ない!危ない!
これが自分ちの田んぼではなく、
コンビニの駐車場だったりしたらと思うと、
やはり、
「送迎の仕事は断って正解だった」
と、自身に言い訳をする。
それよりも、
「何時自動車の運転を止めるか」
ということも、真剣に考える必要があるようだ。
・・・・・
ところで最近、
テレビで映画「終わった人」を、
話題紹介していた。
「身につまされる思いです」
と、
私と同年代位の出演者皆が皆、
口をそろえて言っていたけれど、
皆、エリートなんだろうなあ。
映画は観ていないけれど、
たぶん、
以前新聞(地方紙)に連載された小説と、
同じ内容だと思う。
あの小説や映画が描く世界は、
「高度プロ」という人たちの世界なんだろうか?
私にしてみれば全く別世界の話である。
あの主人公が「終わった人」なら、
私はゾンビみたいなものだ。
ただ周囲の話を聞いていても、
「仕事を辞めてひと月は、
家の片付けとか色々やる事があっても、
ひと月過ぎるともうやる事がなくて、
暇で暇で仕方が無い」
と、皆言っているから、
相当、私はやり鈍いのだろうか。
3ヶ月経っても何も片付いていなくて、
意外にも、ゆっくり出来ない毎日である。
↑↑写真の説明;取り合えず、除草剤を散布した。
財力と体力が私に有れば、ここに線路を敷いて、
鉄道模型を走らせたいのだが・・・。