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秋風の中で見た夢

2020-08-31 05:51:58 | 日記

 *バチェラー・ガール*

 昨夜見た夢の話。
相変わらず好い年をして、
なんと自分に都合の良い夢を見るのだろうか。

 夢の中で私は若くて、
(今風にはイケメンというのだろうか?)
世の中の女性が放って置かない様な優男で、
最近知り合った女と、
    一週間程前からホテルの一室に籠って居た。
 女とホテルとは言っても「しけ込む」類とは程遠い。
というのも、女は仕事でホテルに滞在していて、
元カノに追い出され、
    行く当を無くした私が転り込んだのだが、
女の言うには、

「あなたは外に出ると碌な事をしないし、
 みんなに迷惑を掛ける。
 私の手が空くまでは部屋から出ないように」

 そして女は付け加えた。

「私が仕事中の部屋は絶対に覗かない様に」

「部屋を覗くな」って何してるのだろうかと、
             少しは気になた。
 しかし、そんな事より外出禁止は苦痛だ。
大体今の世この日本で大ぴらに、
人を監禁する様な事は出来ないだろうと、
様子を窺って部屋から出てはみるのだが、
防犯カメラで見て居るのだろう。

 廊下に出るなり、

「何方に行かれますか」

と、何所からともなく支配人が現れる。

「ステイホームでお願いしますと、
 小池知事も先程TVの記者会見で、
 仰っていたのをご覧になりませんでしたか」

「@ほーむも何ほーむもない!!
 このホテルは客を監禁するのか」

 思いっ切り食って掛かってみても、
大きなマスクを着けた支配人は、
慇懃無礼な態度でパチンと指を鳴らした。

 すると、黒スーツの上から防護服、
顔はマスクにフェイスシールドと云った出立の、
警備担当の厳つい大男が二人現れた。
私は男たちに、
両側から腕を捕まれ部屋の中に引き摺り込まれた。

「今日はもう
 あなたの食事は無しよ。
  大人しく反省して居なさい」

そこには女が仁王立ちで待ち構え、
鋭い目付きで私を睨み付けた。

 女が滞在するこの部屋は、
リビングには白いピアノがあるスイートだった。
そこで私は「これは夢を見てる」と直ぐに気が付いた。
というのもこの間TVで、
「リビングに白いピアノ!これがロイヤルスイート」
と、そんな番組をやっていたから、
あの番組の影響でこんな夢を見ているのだと思った。
それにしても、
 抑々実際のスイートルームがどんなものか知らないが、
あのTVのロイヤルスイート程ではないにしても、
この夢の中の女が仕事に使っているスイートルームは、
部屋数や広さから並みのスイートではない様だ。

 何を生業にしているのか知らないが、
こんな所を、
長期間借り切れるなんて相当金を持っていそうだ。
ピアノがあるから音楽関係だろうか。
いや、
やはりピアノは装飾調度として置かれた物だろう。
 女は殆ど一日中、仕事部屋から出て来ない。
偶にリビングに顔を出しても物凄く機嫌が悪いので、
怖くて私は何時もビクビクしていた。
 TVはコロナの話題か再放送ばかりで詰まらない。
外に出ても例の男たちに直ぐ連れ戻され、
また女の逆鱗に触れるないかと不安で、
そして退屈な毎日を過ごし続けた。

(それにしても何時になく長い夢だ。何時もだと、
そろそろ見ている夢のストリーがガラリと変わるとか。
覗くなと言われた仕事部屋を覗いたら女は化け物に変わり、
何時もの様に化け物に追われる夢になったりして)

 やがて数日後、
すこぶる上機嫌の彼女が部屋から顔を出した。

「もうお昼ね。
 何か美味しいもの食べに行こうか。
 あっ、自粛だったわね。
 折角しばらくお休み取ったのに、
 旅行も・・・」

(そう言いスマホをいじりながら、
私の横に超密に座る超美人の彼女は、
幸いな事に化け物に変身もせず夢は続く)

「そうだ、あなたの田舎に行こうか。
 こんなことになったら、
   きっともう田舎の方がずっと便利だわ。
 一層、向こうに引っ越さない!私たち!!」

「えっ、急にそんな事。仕事、構わないの。
 それに何で俺の田舎なんだ。それに・・・、
 そこの出身と云うだけで向こうには、
 今はもう何もないし知り合いも居ないよ」

「仕事は何所でも出来るわ。
 この前TVで観たのよ。
 インスタ映えする何とかの丘って。
 ほら、1キロ沖合の小島の朝焼けが映える」

「それに知り合い居ないなら、
 その方があなた都合が好いでしょう」

「どういう意味」

「Please don't tell 'em how you found me♪
 Gimme a break, give me a break♪~って」
 
「えっ」

「それじゃあ、みんなに知らせなきゃ。
         少しは私を手伝って。
  私ここ片付けて、色々準備あるから」

 彼女はそう言いながら立ち上がり、
スマホを私に手渡した。

「えっ、何」

「だから先ず、エージェントのS本さんに電話して。
 仕事や後の事はS本さんに任せて置けば良いから。
 電話位出来るわよね」

 エージェントって、
そんな秘書みたいな事までしてくれるのか
と、そんな事考える時間の隙も無く、

「誰某ちゃんと誰某ちゃんにも忘れずに電話してね」

と、
彼女が仕事をしていた部屋の方から声がした。

 エージェントに用件を伝えると、
何故かエージェントの態度は、
「然もありなん」という風に感じられた。
 そして誰某ちゃん達には、
新手の振込詐欺か何かに間違われ、
電話を切られそうになった時、
タイミングを見計ったかの様に、
彼女が現れて私の手からスマホを奪い取った。

「電話も碌に出来ないの。使えない人ね」

 再び彼女は、
部屋の向こうに消え、ドアがバタンとしまった。

・・・・・
夢を見ながら私はふと思った。そう云えば、
遠い昔、昼休みの先輩同僚との雑談だ。

「何か良い仕事無いかなあ。もう飽きた。
 給料安いし」

「無い無い!さっき銀行行った序に、
 ハローワーク見て来たけど」

「いや基本給50万、週数回夜勤有、
 勤務先県立〇×病院というのが^^」

「?要医師免許。ハハハ( ̄∇ ̄;)
 でも医者も言わば3Kだからなあ
 勤務医なんかは大変らしい」

「何か楽して儲かる・・・、紐とか」

そこに大手を定年退職後、
再就職のI屋さんが割って入った。

「お前、紐だって大変なんだぞ。
 女の無茶な我儘にも絶対応えないと、
 直ぐ他の男に乗り換えられるからなあ。
 堅気の仕事さえ
 務まらないお前たちには無理だな」

「I屋さん、まるで紐やってた
 みたいに言うじゃあないっすかあ」

「紐になる」「女に貢がせたい」という下衆な欲望は、
男ならみんなそう思い男の夢の様だったが、
齢を取った今もこんな夢見てるのは私だけだろうか。
何時になく今日の夢は長くまだ続く。